付喪堂骨董店(5)

付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)
付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)御堂 彰彦

アスキーメディアワークス 2009-01-07
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おすすめ平均 star
star今回はそれほど・・・
starこちらは幸運を呼び込む品ですが、幸せになれるかどうかはお客様次第。あしからず。

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ストーリー(変える必要がないと楽でいいやね)

アンティー」と呼ばれる不思議な品物がある。
それは現代の科学では説明の出来ない奇怪な力を有した品物で、この物語の舞台となる「付喪堂骨董店」は普通のアンティークショップであると同時に、店長の道楽で、これらの不思議なアイテムを扱っている店。
この話は、アンティークと呼ばれるアイテムに翻弄される人々の欲望と、「付喪堂骨董店」でバイトをしている少年・来栖刻也(くるすときや)と少女・舞野咲(まいのさき)、そして道楽店長である摂津都和子の3人が織りなす、マジックアイテムストーリー。
なんだかいきなりファンタジー色を強くしての5巻です。

こういう本が

あってもいいよねと思う反面、やっぱり地味だなあ・・・としみじみ思うんですね。このシリーズ。
相変わらず謎のアンティークにまつわる話で構成されているんですが、派手さが本当にないんですよね。いや、それはつまらないという事には直結しないし、ついでに言えば短編で構成されている関係で読みやすいと言うこともあります。
でも、本当に地味なんだわな・・・。ヒロインの咲は黒一色の衣装を着続けている美少女でありますが、その彼女が薄暗い骨董品店に座っている姿がそのまま物語として滲み出ている、そんな気がします。
・・・いや、これって見事な印象操作(用法が違いますけど)として作者を褒める所なんでしょうかね?

なんというか

この作者の作り出した「アンティーク」という魔法のアイテムには「陰」が似合う、という事なんでしょうかね。
今回は幾つかの悲劇で物語が構成されているんですが、それに違和感を全く感じないんですよね。もちろん悲劇を元に作られた「アンティーク」が同じように悲劇、あるいは「陰」を呼び込む訳ではないのですけど、よほど構えてかからないと「陽」の空気を呼び込めない、そんな感じでしょうかね。
だから、ちょっとした見所も、

「宝くじにあたったことがないし」(刻也)
「この店で地道に働けばいいじゃない?」(咲)
「給料は上げんぞ」(都和子)
「お年玉の年賀葉書も当たったことがないし」
「一枚ももらってないんじゃ、当たりようがないじゃない?」
「そもそもお前年賀状出してないだろう、あたしにすら」
「どうしても連絡したいときに限って、携帯の電池が切れてるし」
「どうしても連絡したい人って誰?」
「ちゃんと充電しておけばいいだけだ」
「テストじゃ勉強したところに限って出ないし」
「だからその連絡したい人って誰?」
「ヤマをはらずに、テスト範囲を全部勉強すれば……ん?」

こんな感じです。・・・うううう〜ん、とっても地味! というかそれが持ち味と言えば持ち味か・・・。
まあ相変わらず微妙な心の動きで心の震度計を動かしている咲は可愛いんですけどね。というか咲のそういう可愛い姿読みたさにこのシリーズを買っていると言っても過言では無い・・・のかも知れません。

総合

うーんんん、星・・・3つかなあ。
つまらないというよりは、この星で普通なんでしょうね。なんかちょっと調子に乗っちゃったときには4つ星になっちゃいますけど、基本星3つで、それ以下には絶対ならない、そんなシリーズのような気がします。
今回掲載されている短編のどれもが良くできていて、ちゃんと読ませてくれますが、興奮するような出来ではない・・・でもそれは欠点ではなくてむしろ美点とも言えるもので、というか派手な骨董品店なんてあってはならない訳で・・・と、つまりはそんな所なんじゃないかと思ったりするんですね、はい。
きっとなんとなく次も手に取っちゃうんだろうなあ・・・なんて思った5巻でした。

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