ベン・トー(3)国産うなぎ弁当300円
ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円 (スーパーダッシュ文庫)
- 作者: アサウラ,柴乃櫂人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/01/23
- メディア: 文庫
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ストーリー
激闘に次ぐ激闘、謎に次ぐ謎、事件に次ぐ事件も既に10の数を数えていた。
その上腕二頭筋の美しさを買われて”筋肉刑事”となったサイトウヒロシが新米刑事であったのも遠い昔となりつつある。そして物語の数に比例する、いや二乗に比例すると言っても過言では無い男性経験の数々が、彼の直腸を”比類無き直腸”へと——。
違った。
えー、とにかく、今日ももの凄く馬鹿であり救いがたい阿呆でもある飢えた”狼”たちがスーパーマーケットに集う! そして殴るやら蹴るやらスカすやら逸らすやらしてまんまと弁当を手にしたものが安くて美味しいベントーを手にする! そして勝ち取った栄誉と一緒に空きっ腹に流し込む! 旨い! とてつもなく旨い!
・・・なんかそんな話のような気がしますが、
《二つ名》決定!
先に決心したのは彼女の方。彼女は口を開く。胸に手をやり、そして僕を真っ直ぐに見つめて。僕もまた彼女を見つめ返す。心臓が胸を突き破ってしまいそうなほど高鳴っていく。
”佐藤くん、その、もうわかっているかもだけど……その、私ね、前から思ってたんだ……その、えっと……佐藤君は——”
「《変態》だ」
「よし落ち着けジョニー」
「誰だジョニーって?」
「何でだよ! 何でそんなわけのわからない二つ名がついてるんだよ! 今の流れは絶対”愛してる”とか”前からずっと好きだったんだ”とか、そういう流れになるだろう!?」
という訳ですね。
現実と夢の区別くらいは付けた方が良いというか、会話の最中に意識を遠いところに飛ばす癖を何とかしない限り彼に明るい未来なぞ決してやってこないような気がするんですが、まあかつての級友の石岡くんにしてきた所行を考えると、この位の仕打ちはどうって事無いような気もします。
最近はその無自覚な攻撃衝動がやはり同級生の内本君に移っているような気がしますが、どうやら内本君は本格的なマゾらしいので少しだけ救われた気分になります。
ところで
もう一人の主人公と言っても過言では無いこの話の主人公(名前を忘れた)の親父ですが、今回もかっ飛ばしています。
僕のリタイアで親父の緊張がとけてしまったのか、ついに彼の膀胱が限界を迎えた。”洋、ペットボトル・セット!”と、まるでロボットモノか何かで変形合体する時の勢いで、親父が社会の窓から普通居間で出しちゃいけないモノを出しつつ叫ぶ。そう、万が一、つまり一万回にに一回の出来事に至ったのである。この世の終わりかと思った。
”洋、早くしろ!”と本気で怒り始めた親父を前にして当時の僕に一体どれだけの選択肢があっただろうか。……やむなく僕は、泣きながら……居間を出て著我の家に遊びに行った。
人生に”IF”は無いのだが・・・もしもその時、父親の望み通り「ペットボトル」+「スキマスイッチ」の二神合体が完成していたとしたら、そこにはどんな光景が広がることになったのであろうか。最早想像するほかないというか、想像したくないというか、想像・・・してみます?
しかし
いや本当に馬鹿げたところを抜き出していったら日が暮れますねこの本は。
山田さん(新キャラ)登場シーンなんて一種神がかっているとすら思いますよ。そしてそれを端にして発する逆T字事件への連鎖的爆発と言ったらもう・・・形容する言葉を失う事間違いありません。
しかもただでさえ色々と「こってり盛り」なのに加えて、既存のキャラも惜しみなく使い回したかと思えばさらにテコで焼き入れてやんよ! とばかりに二人の新キャラ挿入・・・いや投入ですよ。開いた口が塞がらないどころか、肛門括約筋まで塞がらなくなりそうな勢いでガイアの夜明けです。もう読むしかないじゃんよ。ねぇ?