ギャルゴ!!!!!(5)ー地伝英雄逃亡大全ー

ギャルゴ!!!!!5 (MF文庫J)

ギャルゴ!!!!!5 (MF文庫J)

ストーリー

田中春男(たなかはるお)は一見何の変哲も無い中学二年生であるが、実は「ギャルゴ」という二つ名を持つちょっと変わったところのある少年だった。とにかく人間以外の多くの女性に愛される運命を持って生まれてきており、その能力がギャルゲー方面に発揮された結果ついたあだ名が「ギャルゲーゴッド」略して「ギャルゴ」である。
そんなギャルゴは今やもう一つの顔を持っている。それは「地方都市伝説」略して「地伝」を解決する謎のヒーローとしての顔である。ギャルゴは多くの女性(人間外多し)の協力を得ながら、地伝を作り出す謎の敵「噂長」と戦いを続けていた。
しかしここに来て立て続けに地伝に巻き込まれるギャルゴ。バリ4、プチ神隠し、歌沫姫、上書き睡眠・・・プチ神隠しの地伝によって異世界に飛ばされてしまったクラスメイトの面々を救うため、あるいは噂長を倒すため、現実世界とそっくりな異世界を走り回ることになるギャルゴに勝機はあるのか!? 地伝の影響で力を増した噂長と正面衝突することになる、急展開の第5巻です。

今回は

なんだか最初から飛ばしてますね。
現実世界とそっくりだけど人がいない異世界に飛ばされてしまったギャルゴの噂長との戦いがもの凄くストレートに描かれています。とにかく色々な謎てんこ盛りで飽きないのと同時に・・・噂長が怖い!
卑猥な言葉を吐き散らかしながらあらゆる障害を力ずくで排除しながら春男を手にするべく蠢く噂長がとにかく怖いのです。ギャルゴ貞操どころか何もかもを欲している噂長は、ギャルゴと自分の間に入りこんでこようとする何もかも全てをターミネーターばりの突進力としぶとさで追いかけてきます。
・・・なんだかこれだけ読んでいるといきなりホラーになってしまったような印象を受けますね。いや、書き方がちょっととぼけているせいでホラーになっていませんけど、一歩間違ったらホラー仕立てになってもおかしくないのがこの5巻でしたね。

しかし

頼もしいのはやっぱり仲間達でしょうかね。
今回の一件でギャルゴの正体が結構な数の同級生にばれてしまうのですが、それを受け入れてギャルゴに協力するクラスメイトたちがなかなかに好印象なのです。なにしろ今回は「元の世界」にライムかま子を置き去りにしてしまっていますからね。結構な感じで孤立無援です。
つまり、ギャルゴの正体を知りながら味方してくれているのはエリアスコトリさんだけという状況になってしまっていましたから、この協力者(たち)の出現は嬉しいところですね。
ギャルゴと元もと縁のあったハナさんやフネを初めとして、ギャルゲー仲間、中村さん・・・といったところが新たな仲間としてギャルゴに付き合います。
うんうん、友情と信頼は美しいよな・・・というか頼もしいよな・・・などと思ったりしました。

ところで

今回読み進めると一つの疑惑の行方が気になる所だと思うのですが・・・皆さんはどうお考えでしょうかね?
私はなんだかんだ言っても彼女は「シロ」だと思っているんですが、いや思っているというよりはギャルゴと同じように「信じている」「信じたい」と言ったところでしょうか。
なんだかんだ言っても愛着があるというか・・・なにしろ彼女のことですから、きっと智恵を巡らせて噂長に痛痒を与える一撃の準備をしているんじゃないかと思うんですよ。確かに真魅ばあちゃんの予言や占いと違うところはありますけどね。
しかしこの話、こんな話になるとは1巻を読んだ時には全く思わなかったなあ・・・。でも面白いんですよね。実にストレートにライトノベル的な楽しさを追求してくれています。

総合

今回は・・・星5つにしちゃおうかな!?
閉じ込められた異世界で孤軍奮闘するギャルゴと彼を助ける面々の関係が楽しかったりするのと、それを引き立てるのに十分な噂長の怖さというのがとにかく魅力的でしたね。
今回もこの異世界バトルに決着はつかないのですけど、それでもいいやと思える面白さでした。ギャルゴ格好いい! そんな風にしみじみ思ってしまったこの5巻、うーん見事にオススメしたい作品となってますね。もちろん6巻にも期待です。
ところで何気に河原恵氏のイラスト、作風に合っていて良いと思いませんか? 女の子が可愛いのもそうですが、なかなかに丁寧さを感じる仕事ぶりを高く買いたいところですね。

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