もふもふっ 珠枝さま！（３）

もふもふっ珠枝さま!〈3〉 (MF文庫J)

ストーリー

主人公の稲村智宏は、彼の家に住む（取り憑いた？）家神・珠枝に引きずり回されるような感じでご近所の妖怪とも親しくなってしまったり、怪しげな妖怪の類とも縁を持つことになってしまったりしている何かと気苦労の大きい少年。
しかもさらにはこのたび珠枝が家の神様かつ「学校の神様」となったことでトラブルの発生地はさらに広がり、学校生活もなんだか大変なことに。学校の教師にはしれ〜っと本物の妖怪も混ざっているし・・・という感じで、とにかく妖怪変化があっちこっちで活躍してくれる和風ファンタジーのシリーズです。
今回も珠枝の「もふもふ欲」を大いにくすぐる「あるもの」が登場してきて、智宏は自分そっちのけでもふもふし続けている珠枝に妙にそわそわしてしまうのですが・・・という通算７巻目のお話です。

あ、

やっとスポットライト当たった！　という感じで眼鏡ヒロインの有坂瑞穂がクローズアップされてますね。
何気に好きなキャラクターだったので、前作の扱いにはそっと涙したものですが、見ている人（作者か？）は見ていた！　といったところでしょうか。オープニングから最後までメインを張って頑張ってくれます。というか・・・いじらしくって良いですよね。地味だけど頑張る少女って・・・。
そして同時に今回は学校に棲みついていた竈神のマドカのお話でもあります。珠枝に「学校の神さま」のポジションを明け渡してしまったこちらも地味で健気な少女妖怪ですね。うんうん、地味万歳！　ですね。
・・・その分今回はわりを食ったキャラクターがいるような気がしないでもないですが、まあいつも目立ってるんだからいいじゃんかさ〜とかそんな感じでしょうか。

このシリーズ

難しく考えることなく好きなんですよね。
読むのが苦にならないという意味でなんですが・・・とりあえず他の積み本そっちのけで読み始めたくなるお手頃サクサク感があるというか、読んでいて嫌な気持ちにならないというか。
とにかく可愛らしい妖怪たちの姿は読んでいるだけで心温まる感じがしますし、もし、こんな妖怪たちが気がつかないだけで自分の周囲にもいるんじゃないかと思うだけで毎日が楽しく過ごせそうです。
コヒロやスエヒロのちょっと人間的な可愛らしさももちろん良いものですが、それと同じ様に石の怪やらたんころりんの可愛らしさが素敵なのですよね。明らかに妖怪、考え方も妖怪尺度、でも可愛いので側に置いておきたくなる、そんなご近所感がとても気に入っています。

総合

星４つかな〜？
途中はちょっとハラハラする展開なんかもあってどうなることかと思いましたが、やっぱりそこはこのシリーズ、とても良い気分の所に軟着陸してくれました。ああ、これでこその「もふもふ」クオリティ・・・という感じですね。ちょっと怖い、でもやっぱり優しい。それが作品全体を覆い尽くしている感じが私にこのシリーズを読ませる原動力になっているのかも知れません。
派手さは無いですけどね。でも、柔らかいオーラに包まれて、今日も明日も明後日も、みんなで仲良く暮らしていく・・・そんな他愛ないけれども大事な約束を思い出させてくれるシリーズなんじゃないかな、なんて思ってます。

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