スイート☆ライン

スイート☆ライン (電撃文庫)
スイート☆ライン (電撃文庫)有沢 まみず

アスキーメディアワークス 2009-05-10
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おすすめ平均 star
star期待が大きい新シリーズです
star頑張る2人の姿が魅力的
star著者の新シリーズはやぱりドタバタコメディ

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ストーリー

ちょっと熱血好きなところがあるけれども、基本的に普通の高校生花沢正午。そんな彼はアニメの敏腕プロデューサーを姉に持つ少年だったが、姉がある日一人の少女を自宅の隣の部屋に住まわせようとしたところから物語は始まる。
突然やって来た少女の名前は、新島永遠。ただの少女かと思いきや・・・彼女は異常なまでの人見知り&男性恐怖症の権化とも言えるような少女だった。しかしそんな彼女を、正午の姉は彼に世話してやってくれと言う・・・。姉のことは基本的に信頼しているし、姉から信頼されているという自覚もあった正午は、正直不審に思いながらも永遠に近づく。
しかし、あの姉が気にかけるだけのものがこの永遠という少女にはあったのだ。天才とも言えるだけの声優としての才能が! しかし男性恐怖症の今のままでは仕事にならない・・・それを正午の姉は彼に協力させることで永遠に男性恐怖症を克服させようと目論んでいたのだった。
正直一筋縄ではいかない程の永遠の欠点は酷いものだったが、永遠の才能を目の当たりにし俄然やる気を見せる正午は、ある奇策を思いつくのだが・・・?
という感じであってるかな? という有沢まみずの新シリーズです。

が・・・

これはちょっと俺には向いてないなあ・・・というのが正直な所ですね。何しろ私、

  • 声優に興味が無い。
  • 特に声優アイドルなんて全く興味が無い。
  • 声優とつかなくてもそもそもアイドルに興味を持ったことがかつて一度も無い。
  • アイドルマスターですら思い入れが無い。

という塩梅で、この話を面白くする要素の殆どに対しての興味がないない尽くしという状態でして・・・これも一種の素質のなさって言うのかなあ・・・。
以前も何処かで書いた記憶があるけれども、私は作家が作り出した物語には興味があっても、作家本人には全く興味が湧かないような所があるんですね。それはもちろん声優なんかにも同じように言える所があって、声優の作り出したコンテンツには興味があっても、声優そのものには全く興味が湧かないです。
という訳で、この話の美味しいところの味が全く分からないという塩梅なんですわな・・・。

それと

主人公の正午にもちょっと感情移入が出来なかったというのがありますかね。
頑張っているヤツを見ると全力で応援したくなる熱血少年というのは分からなくもないですが、なんだかピンと来ませんでしたね。それこそそれはプロデューサーとかに必要な資質とも言えるものであるのかも知れませんが、私にそういう資質が全くない! ・・・とまでは言いませんけれども、まああんまり無いので・・・共感しにくかったなあ・・・。
ただ、キャラクターとして見た場合にはちゃんと立っているとは感じましたので、読み進めるのに苦痛は感じませんでしたけど、それ以上でも以下でもなかったですね。

ただし

話全体で見た場合につまらなくて途中で投げたくなるかというと、そこまではいかなかったかな?
そこら辺は有沢まみずの話の作り方が上手という事になるんでしょうね。ヒロイン含めキャラクター一人一人にはあまり入り込めなかった私ですが、彼らが作り出した化学反応自体は楽しんで読めたというか。
物語の盛り上げ方もやっぱり上手いし、越えなければならないハードルの設定の高さも絶妙な演出という感じで、最後までなんだかんだ言いつつも読めてしまいました。やっぱり才能ってヤツなんですかねえ。

総合

星3つですね。
とにかくこの話が面白いとかつまらない以前の問題が私の側に多すぎるので、良い評価も悪い評価も下せないといったところでしょうかね。
楽しんで読めればそれはそれでラッキーでしょうし、作品そのものは良くできていると思うので、声優さんとか声優アイドルとかに興味がちょびっとでもある人なら、結構な感じで買い、ではないでしょうか。アイドルマスターとか好きな人ならやっぱり買い、なのかなあ? ちょっと分かんないですけども。
あ、あとまだまだ水面下という感じではあるけれども、美少女声優達との微妙なラブの匂いもしますので、その辺りもひょっとしたら今後を見たら楽しみなところかも知れません。
まあ、続編が出たとしても私が読むかどうかは正直微妙、なんですけどね・・・という作品でした。

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