オオカミさんととっても乙女な分福茶釜

オオカミさんととっても乙女な分福茶釜 (電撃文庫)

オオカミさんととっても乙女な分福茶釜 (電撃文庫)

ストーリー(変えなくていいや)

この話の舞台は学園都市・御伽花市の御伽学園。生徒3000人を抱えるマンモス校。制服も複数種類が用意されており、どれを選ぼうと自由な挙げ句、ある程度(かなりの程度)の範囲で改造が許される自由な校風として知られる。

主人公は御伽学園学生相互扶助協会(通称「御伽銀行」)に所属するすらっとしたスタイルとツルペタを誇る直接攻撃による破壊活動を得意とする大神涼子(おおかみさん)。彼女はその姉御とも言えそうな行動から学園内で一目置かれる存在なのですが、そこに対人・対視線恐怖症の第二の主人公・森野亮士(もりのりょうし)が電撃的な愛の告白をするのだった!
森野亮士は結局その特殊な才能を買われて御伽銀行に所属。生徒達からの依頼を受けては解決し・・・というなんだか童話をモチーフにしつつ変な感じで進む安心のラブコメもの。
今回は短編4つ、ネタ元として文化祭話がつくられてますよ〜。

ライトノベルでは

非常にありがちなイベントとして扱われる文化祭ですが、いや、そのある意味ありがちなイベントを元ネタとして良くこれだけ面白い話を書けるもんだなあ・・・と妙に感心してしまいましたよ。ただドタバタするだけの文化祭ネタが多い中でちゃんと個性を押し出して、しかも今までに出てきたキャラクターを上手く使い、見事に仕上げているという感じです。
・・・いや、真面目に褒めるような話じゃないような気がしないでもないんですが、いやホントですよ? 他のライトノベル作品で使われた文化祭ネタと今回の文化祭ネタを比較して欲しいですね。いかに面白いか!  って・・・いや本当にこの作者の激烈なファンとかそういう訳ではないんですよ? 回し者でもないですよ? 本当に上手く書いてるんですって!?
変な言い方ですが、ラブコメライトノベルにおける文化祭とはかくあるべし、と言いたくなるような感じです。

そうは言いつつも

相変わらず頭の悪い・・・いや個性溢れる台詞回しは健在です。

「…………女子高生なまにぎり」
りんごさんがつぶやいたその言葉に、男子生徒の皆さんがざわざわする。
「じょしこうせいなまにぎりっ!?」
「なんだその素敵な響きは……」
「そこはかとなく感じられるエロスに心が震えたぞ」
そんな皆さんにりんごさんはささやくように言う。
「今をときめくとれとれぴちぴちな女子高生が、その手になにもつけづに目の前で握ってくれるんですのよ……」
「とれとれぴちぴち……」
「なにもつけずに……」
「目の前で……」

・・・いや、文化祭の出し物としておにぎりやさんをやろうってだけなんですけどね・・・それなのにこのザマですよ。作者は変態ですね。さらなる問題発言としては、

「気になるあの娘の乳酸菌があなたの体の中に!!」

とにかく、おっ、おにぎり経由で女の子の手のひらで醸された乳酸菌がこう・・・経口摂取出来るらしいですよ!? 乳酸菌! 乳に関する菌ですよ!? おおおお〜。乳ですよ。大々的に略すと乳を口にふくめるという感じになりますか!? なりませんか!? 興奮してなんだかよく分かりませんが、覚えておくといいんじゃないかな!?

・・・ところで

ぶっちぎりで今回は、オオカミさんが可愛いのです。とにかくオオカミさんの可愛らしさに焦点を当てた一冊となっているんじゃないかと言っていい一冊で、オオカミさんが実に、実に可愛いです。

「にゃにゃにゃにゃ」
おおかみさんです。
「にゃんにゃん」
おおかみさんです。
「にゃ〜〜〜」

オオカミさんがこうなってしまうようなイベントを筆頭に、亮士くんとのラブイベントも超ツンデレながら順調に進んでいるという感じで・・・それに関連してオオカミさんのツンとデレの部分がそれぞれ満遍なく散りばめられています。うーん、ファンの人は必見というか・・・最近のラノベの中でも群を抜いて可愛らしいキャラクターじゃないでしょうかねえ・・・いやあ、眼福ですなあ。

総合

安定の星4つですね。
5つ星に届くような瞬発力を持っている作品ではありませんが、とにかく楽しく読めるという意味では他にあまり代わりがないんじゃないかと思えるシリーズになってますね、この作品。
しかしオオカミさんシリーズもこれで8冊目か〜。沢山読んできたような、まだ8冊しか読んで無いと言うべきなのか分かりませんが、まだまだ続けていってもらって、同じ楽しみを提供し続けて欲しいシリーズだなあ・・・なんて思いました。
よく分かりませんけど難しく捻ったところもないので、少年向けライトノベルの入門書としても良いんじゃないかな? なんて事も思いました。仄かにエロイ所も青少年のなんか色々なトコロを刺激して飽きさせないんじゃないかと思いますよ?

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