ラッキーチャンス!(5)

ストーリー

なかなかに有能な霊能者である高校生外神雅人(とがみまさと)。
そして「日本一運がない!」と言われる彼の所に訪れた新人福の神少女”キチ”。キチが雅人のところに居候するようになってしばらくの時間が経った。
キチのいる生活が当たり前になっていたある日のこと、キチは非常にやんごとなき理由から雅人の側を離れることになったのが運の尽きだった。彼は痩せても枯れても”日本一不運な男”だったのだ・・・。そしてその間を見計らったかのように訪れた月に一度の大凶星の日。
襲い来る悪夢の一日を無事に乗りきって、雅人は果たして生き残ることが出来るのだろうか!? 福の神が側にいなかった場合の雅人の泥沼っぷりを描いた最新作の5巻です。

うう〜ん

上でストーリー紹介を簡単にしましたけど・・・これでほとんど一冊分の話の流れをフォローできてしまうんですよね・・・。
相変わらず話の作りは上手いので、つまらないという感じを受けることはないのですが、うーん、感想として書くことがない、という感じはしなくもないです。
内容が無いのはライトノベル的にはジャスティスという気がしないでもないですが、そこにもう一つスパイスを加えて面白い物語を作ってきたのが有沢まみずだったんじゃないかと思うんですが、今回はぶっちゃけそれがありませんね。
厳しいことを書いているとは自分でも思いますが、最終的に受けた印象がそうなんだから仕方がないですね。

多分ですけど

ラストの方の展開を見るに、この5巻は一冊まるごと”準備のお話”なんですよね。
ラストで雅人は今後に大きく影響するであろう大いなる決断を迫られることになるのですが、そのために一冊費やしたという感じでしょうか。・・・でもぶっちゃけ、一冊丸ごと費やすような話として仕上がっていたか? と言われると疑問が残る、そういった所でしょうか。
いぬかみっ!」の方でも似たような転換点を迎える話がありましたが・・・えーっと、誰だっけか、あの死神に狙われる少女を助ける話。あれは実に面白く仕上がっていましたが、今回はそれに失敗しているという感じがします。ぶっちゃけ、転換点にするには余りにもやっつけ仕事(やっつけ出来事)にしたんじゃないかな〜。

キャラクターの

魅力は相変わらずなんですけどね・・・。だから楽しんで読めるんですが、今回本の厚さもちょっと薄めなんですよ。だからどうしても「読んだっ!」という満足感を得る前に話が終わってしまったという感じが否めないですね。
魅力は・・・あります。それは間違いないし、メインキャラクターからサブキャラクターまで元気に動き回っているのは楽しいです・・・が、普段30分でやっていたアニメが今週は15分だった、とかそんな感じでしょうか。不完全燃焼感がどうしても付きまといます。
・・・有沢まみず氏はつい先日別の作品をリリースしたばかりですしねえ・・・どーも邪推してしまいますが、かけた労力が普段より小さかったんじゃ無かろうかねえ・・・なんて思ってしまいました。

総合

初の星3つ・・・かな?
まあ簡単に言うと「手抜きの匂いがした」で終了なんですけどね。でも手を抜いてもそれなりに面白いと思えたのでこの星なんですけどね。星3つだったから次は買わない可能性があるかというとそんなことは無くて、次も買うことが確定している星3つとでも言いましょうかね。
長編になってくるとこういう回が出てくるのはある意味で仕方がない気もします(ずっと同じテンションで作品を作り続けることは大変でしょう)から、まあ気にしないことにしますが、次はもう少し内容のある話にして欲しいなあ・・・というのが正直な感想だったりしますね。
あ、あと今回の物語的にキチが不在だったのがやっぱり大きいのかなあ・・・やっぱり魅力的なんですよね・・・キチ。いやロリコンとかそういうのではなくて。うん、なくて。

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