僕とヤンデレの7つの約束

僕とヤンデレの7つの約束 (スーパーダッシュ文庫)

僕とヤンデレの7つの約束 (スーパーダッシュ文庫)

ストーリー

父親の経営する純喫茶で接客を長年続けている少年・古河麗王(ふるかわれお)は自分の接客の修行のために、同じように喫茶店を経営する叔父の店で働き始めるのだが・・・その喫茶店とはいわゆる「ツンデレカフェ」だった! そして従業員の女の子は全員ツンデレとしての資質を持っており、叔父の喫茶店でメイドとしてその能力を見事に開花させていたのだった。
しかし麗王から見ればその「ツンデレ接客」は接客術の基本すら知らないとんでもないもの。彼女たちの接客法を改めさせるべく乗り出した麗王だったが、ツンデレメイドの中に一人、ツンデレですらなく無気力に仕事をする少女がいたのだった。少女の名前は十文字刹那。なにやら訳ありとも思える彼女を麗王は気にかけ、一人前の接客が出来るように鍛えようとするのだが・・・?
という設定で始まるツンデレヤンデレ乱舞のラブコメディです。

しかしまあ

よくもまあここまで記号的なキャラクターでそろえたもんだなあ、と思いましたよ。何しろ登場人物紹介の欄にキャラクターの名前と一緒に、

などといった言葉が並んでいます。ツンデレという単語がゲシュタルト崩壊するんじゃないかという勢いですね。・・・まあ、この明らかにキワモノっぽい登場人物紹介に惹かれて本書を購入した訳ですが・・・やっぱり地雷でしたねえ・・・。

とにかく

展開に面白みがないですね。
予想通りの展開に最初から最後まで終始するので新しい物語を楽しむという感じでもありませんでしたし、キャラクターも登場する数こそ多いですが記号的で魅力に欠けますし、メインヒロインのヤンデレさんも人間的魅力に欠けるし、主人公の行動原理や性格もなんだか上手く描けていないので読んでいて楽しめません。
一体どういうつもりでこの話を書いたのか分かりませんね・・・というのが正直な所です。

ヤンデレと言えば

電撃文庫の「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」のまーちゃんを思い出すわけですが、あの作品にある怖さというか魅力というか、そう言ったものがこの本には一切ありません。正直ヒロインの刹那さんはヤンデレというよりはただのアブナイ人ですね。
うーん・・・こんなに魅力の欠ける本も珍しいのではないでしょうか? まあライトノベルというのは一種のジャンクフードですから、こういうお約束から一歩も出ない作品があっても良いのでしょうけど、私にはこの本を楽しむのは無理だな・・・。
唯一の救いと言えば、テンポの良い文体のせいで読みにくさがあまり無いという事でしょうか・・・。

総合

星1つかな。
読んでいる最中に全くと言って良い程心が動かない本でしたね。こんなに読んだ気がしない本もそう無いような気がします。私は一体何を読んだんでしょうかね? というかこれって読書なんでしょうか?
なんつーか、もうこれ以上書けない・・・という訳でこの感想はおしまいです。ふ〜。