寝る前の一時 vol.27

クリスマスですね。と言う訳で我が家では奥さんが例年どおり舞い上がっていました。

「今夜は〜ゴチソウ〜♪」(奥さん)
「いや、なんでそんなにゴキゲンなのかイマイチ理解できないけども」(俺)
「ローストビーフも作ったし〜♪ かぼちゃのスープも作ったし〜♪ マリネも作ったし〜♪ ケーキもばっちりだし〜♪」(奥さん)
「……まあ別にいいんだけど」(俺)
「ところで〜♪ 以前もらったシャンパンがあるんだけど〜♪ どうせだから飲んじゃわない〜♪?」(奥さん)
「あ、そんなんあったっけ。じゃあそれ開けようか」(俺)
「開けよう開けよう〜♪」(奥さん)
「そういえばなんか銘柄とかあるのかなあ? 折角だから開ける前に調べてみる? ほら、ネットで調べられると思うし」(俺)
「うん〜♪ じゃあ調べてみる〜♪ そこそこ良いのだとは思うんだ〜♪」(奥さん)

おもむろにPCを立ち上げて調べ始める奥さん。彼女の食にかける情熱はこちらの理解を完全に超えていたりする。
・・・が。

「……やばい」(ドスの効いた声で奥さん)
「何がさ」(俺)
「こ、このシャンパンやばい。マジでヤバイ。ヴィンテージ物のめっちゃ高い奴だ……」(奥さん)
「え、ヴィンテージ物? ……なにそれ、どの位の値段なの?」(俺)
「なんか……12万くらい」(奥さん)
「……はぁ!?」(俺)
「……よく見たら普通にここにドンペリとか書いてある……」(奥さん)
「……ドンペリって、あのドンペリですか……」(俺)
「……こ、これは……もったいなくて……飲めない……飲めないっ……!!」(奥さん)

二人そろってドン引き状態からクリスマスイブの夜は始まり、そして更けていくのでした。サンタクロースって何を考えてるんでしょうねえ・・・。