ラッキーチャンス!(6)

ラッキーチャンス!〈6〉 (電撃文庫)

ラッキーチャンス!〈6〉 (電撃文庫)

ストーリー

なかなかに有能な霊能者である高校生外神雅人(とがみまさと)。
そして「日本一運がない!」と言われる彼の所に訪れた新人福の神少女”キチ”。キチが雅人のところに居候するようになってしばらくの時間が経った。
そして雅人が住む家を失ってからも時間が過ぎた。一人だったらそれこそ野宿でもなんでもしてしまう雅人だったが、今はキチがいる。そういう訳にもいかない・・・一体どうしたら、と困っていたところ、渡りに船とばかりに一つの提案がされる。

「家がなくなったのならうちに来ない?」

ありがたい提案にいつもだったら飛びついていただろう。しかし今度ばかりはそうはいかなかった。何故なら・・・その提案は二ノ宮良子天草沙代の二人から別々に、しかも同時にされたものだったからだ! どちらかを選べばどちらかを断らなければならないという状況・・・しかし二人は色々な意味で魅力的すぎて・・・雅人は選ぶに選べないという贅沢かつ困難な問題に直面していた。
そんな時、変人だけど雅人の後見人のサモン=時次郎からちょっとした依頼が舞いこむ。一体何だろうと約束の場所に赴いてみればそこは・・・? という感じの展開をする6巻ですな。

ふぅ・・・

なんだか色々と興奮する一冊でしたね・・・。
プロローグやインターミッションで伏線を張りつつ、二つのエピソードが語られているわけですが、ぶっちゃけその両方が非常に色ボケです。物語を極彩色に彩ってくれるのはキチとトトなんですが、もー色々とアレ過ぎます。

ゆっくりと薄衣をたくし上げる。
「ん」
と、小さく吐息をついた。段々と露わになる足の付け根。そして……。
「!」
雅人の喉の奥から悲鳴が漏れかける。
まだ肉づきが充分とは言えない、両足の根本にあるいたいけな三角地帯。そこを申し訳程度に覆う華奢な外見には不釣り合いな大人びた黒いレースのランジェリー。
そしてトトは、
「……して」

・・・何を考えているんだこの話を書いた作者は・・・純情な少年の魂狩りでもしているのか? 小さな女の子キャラクターにこげな事させるなんて、ソッチ方面に目覚めてしまったらどうするんだ・・・まあ同じ泥沼にはまる同士が増えるだけなのでこちらとしては歓迎だけれども!

まあ今回

色ボケ系の話になっているのは間違いないんですけど、それを読んでいて思ったのは、

「この作者は女の子を可愛らしく書くのが上手いなあ・・・」

という事でしょうか。ヒロイン達は時として「えっち」ではありますけど「卑猥」だったり「下品」だったりしないんですよね。どこまでも小悪魔のように可愛らしくて憎めないんです。まるで少年の(私は中年ですが)頭の中にだけ住んでいるアニマを取り出したかのような、そんな印象を持ったキャラクターばかりです。
例えば「C3」を書いている水瀬葉月の書く少女がどこかしら淫靡なのと比較すると、作家有沢まみずの持つ不思議な清涼感がよく分かるんじゃないでしょうか。不思議な能力じゃないでしょうかね。

ストーリーの方は

キチとトトがメインの話が一本、二ノ宮良子がメインの話が一本といった構成になっています。
前者は張られる伏線が重要で、後者は二ノ宮良子の心の変化が重要な話です。特に後者は一つの転換点として大事な回になりそうですね。ニノミーが雅人と二人っきりの○○○で■■■・・・というリビドー猛々しい若者ならそれだけで山吹色のオーバードライブが出てしまいそうなシチュエーションです。む、む、ムネとかたゆんたゆんです。
ああ〜俺の青春時代にもこういうステキイベント起きてくれればなあ〜どこでルート選択間違ったのかなあ〜? 中学のあそこかなあ? それとも高校のあの時かなあ?

  1. この世に生まれる ←
  2. 今回は見送る

あ、そこから間違ってる!?

総合

星4つに回復〜。
メインストーリーと伏線のバランス、キャラクターの奥行きを深める描写、次の巻へつながる上手い引き・・・どれも楽しみましたね。こんな調子で今後も続けていって欲しいものです。
ところで巻末の著作リストを見ると・・・この人って何気に沢山書いてますよね・・・。実は電撃文庫の重鎮だったりするんでしょうかね・・・? よく考えると「いぬかみっ!」もアニメ化とかしているんですよね・・・偉いんですかね・・・? なんかちょっと変態っぽいんですけど、偉い変態さんなんですかね? それとも変態だけど偉いんですかね? どっちも悪質ですが。
ところで絵師のQP:flapper氏の仕事ぶりですが、女の子の肉感的な表現に関しては右に出る者がないくらいに変質的かつ偏執狂的でイイですね。特にカラー絵は興奮しますNE!

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