ゼロの使い魔(18)滅亡の精霊石

ストーリー

失踪したルイズを取り戻すために才人たちは苦闘することになり、そして遂にルイズをその手に取り戻した。
気持ちの行き違いからすれ違ってしまった二人だったが、ようやく向き合う機会を得ることが出来たのだった。才人は感極まってルイズを抱きしめるのだが、ルイズはといえば不思議なほどに落ち着いた様子で才人に接するのだった。そしてそのルイズの口から衝撃的な言葉が発せられる・・・。
また主人公たちの問題とは別に、ガリアという国に関する重大な問題が平行して起こっていた。それはロマリアがガリア女王であるタバサの替え玉を用意し、誰にも気づかれぬように入れ替えてガリアを傀儡としてしまうという大胆すぎる一手だった。そしてタバサ本人は何処とも知れず連れ去られようとしていたのだ。
タバサの入れ替わりに気がついた才人たちは、彼女を取り戻すべく早速行動を開始したのだが、ロマリアの分厚い監視体制下にあって思うように身動きを取ることが出来ない。しかし、謎に包まれていたロマリアが聖戦を発動した理由が明らかになるにつれ、ルイズたち虚無の使い手たちはさらに大きな波に飲み込まれていく事になる。
という感じで話が結構動くことになる18巻ですが・・・。

なるほど・・・

とか思ったスタートでしたね。こういう風に着地させるとは思ってはいなかったんですけど、ようやくルイズと才人の関係に一つのピリオドが打たれる事になるのがこの18巻の序盤という事になります。
ルイズと才人の関係というのは「魔法使いと使い魔」、「貴族と平民」、「主とバカ犬」、「姫と騎士」、「恋する少女と恋する少年」、という感じで色々あるわけですが、それの優先順位がはっきりするという事ですね。もちろんここで一番上位に来ることになるのが「恋する少女と恋する少年」という奴ですが。
そうなると、結論として導かれるのは二つに一つですよね。

  1. 綺麗さっぱり色々な感情を捨て去って別れる
  2. 行き着くところまでいってしまう

まー当然のように展開としては2な訳で(こんだけ溜めて1だったら大ウケですが)、とにかくまあ、こうやって少年はオトナになっていくのね!? こうやって少女はオトナにされてしまうのね!? という「ある種の通過儀礼を行ったことのない汚れなき少年少女」にとっては「ギギギギギ……」となるお話になっています。

才人はルイズの顎を持ち上げた。ルイズは、従順にそれに従うと、目をつむった。唇が重なり合う。
長いキスのあと、ルイズは腰の辺りに何か違和感を感じたらしい。下を向いて、そこにあったものを見て、顔を赤らめる。でも、決心したような顔で、言った。
「……する?」

えーわざと一番刺激的かつ腰にクる所を引用していますが、実際一番大事な所はこれの少し前のシーンですね。それはルイズが心の内側を吐露するところなのですが・・・。まああの真性ツンデレのルイズがどうやって陥落したか、是非本編を読んで確認してください。ある意味でえっちなイベントが発生するよりもずっと強烈な奴が待っていたりするので。
お、俺? 俺は、俺はルイズと才人が羨ましくなんかないぞ!? だって、だって俺もうオトナだもん! だから大丈夫なんだもん色々と! そういう展開だって現実にケイケンしてるもん! だから大丈夫なんだもん! だから痛くないもん! 泣かないもーーーーーん!

ストーリー展開の方では

ロマリアが抱えていた大きな秘密が明らかになり、色々な謎の解決が一気に進むことになりますが・・・あー、正直言ってこれはいただけなかったですね・・・。まあ読めばほぼ全員の読者が総ツッコミするんじゃないかと思うんですが、

「いやまず言えよ。そこまで自信たっぷりになる程にデータそろってんなら」

でしょうか。・・・他国でも少しばかり調査すれば分かる(実際本編中でやってるし)事実を黙っていた結果訳の分からない陰謀を組み立てる事になった訳で、いやなんていうか「どんだけアホなんだ」と。知性を働かせる方向を全力で間違った結果がこれだよ! とでも言うか、痴性を働かせてしまった結果こんなねじくれ曲がった展開だよ! という感じです。
・・・まあいいですけどね、ゼロの使い魔だし・・・という感じで納得しましたが。・・・まだ裏があるなら別ですけど・・・あるのかなあ・・・あったらあったでまた面倒くさい感じですが。
そういえば上とは別件ですが、本編に初めてエルフたちが出てくることになります。ティファニアのような「はぐれエルフ」「出張エルフ」ではなくて、「現地エルフ」が出てくるという事ですね。
書いて気がついたけどなんか「出張エルフ」って卑猥だね! 「現地エルフ」って淫靡だね! どうでもいいけど!

ところで萌え

(どんな見出しだよ)ですが、今回いわゆる「萌え」を背負っているのがタバサだったりします(ルイズはある意味で殿堂入りしたので除外)。これは結構キますよ!

「…………」
それでもタバサは、動かない。ただじっと、才人の隣で身じろぎもしないのだった。
「なによ、タバサ、あなたもしかして……」
ルイズがそう言うと、タバサはわずかに頬を染めた。
「ガチじゃないですか」
シエスタがあきれた声で言うと、タバサは恥ずかしくなったのか、とうとう毛布の中に潜り込んだ。
ルイズの目がつり上がった。
シエスタはまだしも、わたしと被る子はだめ」
「どーゆー基準ですか」

ルイズも大概な性格してますが、タバサも相当強烈ですね。でも一番女として凄いのってシエスタだよね! とか思ったとか思わなかったとか。シエスタにはどこまでも頑張って欲しいもんです。愛人でいるためにはその位の根性は必須条件だ!

総合

まあ順当に星4つにしておこうかな。
序盤の展開は良くも悪くもストレートに青春小説な感じがして良かったですね。引用している台詞はルイズとかの台詞が中心だったり、萌えポイントだったりしますが、今回は何気に才人が結構良いことを言っていたりします。素直になった少女は可愛いですが、正直になった少年もなかなか格好良いもんですよ。
で、ラストはまた思わせぶりなヒキな訳ですが、順当に行けばルイズ、大穴でエレオノールじゃないかという気がします。エレオノールというと某小説のせいでコロッケやらメンチカツを思い出していまいますが、まあ仕方ないですね。頑張れコロッケ魔法使い。作品が違うけど。
兎塚エイジ氏の絵ですが、今回の一番のお気に入りは25ページの一枚ですね。こんなん見せられたらもう少年のタマシイ的には屈服するしかないですよね!? という美しきルイズを描いた一枚でした。・・・正直カラーで見たかった・・・。

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