僕は友達が少ない(4)

僕は友達が少ない 4 (MF文庫J)

僕は友達が少ない 4 (MF文庫J)

ストーリー(特に変えてない)

隣人部なる怪しげな部活が聖クロニカ学園には存在した。
名前はなにやらボランティアでもやっていそうな感じだが、実際の所は人間関係が破綻している関係で友人が全くいない生徒が「友達づくり」のために集まっているといういろんな意味で終わっている部活だった。
ハーフのお陰でくすんだ金髪を持った特殊な人相と、繰り返された引っ越しのお陰で友達らしい友達が一人もいない羽瀬川小鷹は、この残念な部活の創立メンバーの一人である。そして隣人部の発足から一ヶ月が過ぎ、一通り駄目な特徴がそろった生徒達が集まってきていた。小鷹以外は何故か美少女という状態ではあったが。
リア充たちを憎みつつも羨ましがっている隣人部の面々は、今日も将来のリア充ライフを夢見て怪しげで無意味っぽい活動を行っているのだが・・・どう見ても小鷹くんがもの凄くリア充です。というかリア充を通り過ぎてハーレム状態です。
タイトルは「僕は友達が少ない」なのである意味で間違ってはいないのかも知れない・・・が、両手どころか両足使っても捌ききれない美少女達に囲まれた状態で「友達が少ない」もクソもあってたまるか、という読者の声は作中の登場人物には一切届かないので本を読みながら身悶えたり罵声を浴びせたりしても小鷹は痛くも痒くもありません。
というような感じで始まる学園ダメラブコメディの4巻です。

うーん

前巻ラストで夜空が髪を切って自分が過去に小鷹と友達関係にあったという事を明かしたので、この4巻ではラブ方面で大きな動きが出たりしないかなーと期待していたんですが、やっぱりというか何というかそんなに変化は無かったですね・・・。
夜空の狙いというか覚悟というかは伝わってきましたが、それが関係を進展させるのに全然役に立っていない辺りが実に非コミュな感じです。もしも夜空がリア充世界の住人だったらこのイベントから固定ルート突入って感じですよね。アニメのアマガミとかそんな感じです。全然関係ないですけど。
まあ小鷹も全力でフラグを無視しまくっている訳ですが、この話のコンセプトが「対人関係能力に問題のある奴らの集まりがグダグダとやらかす」なので、ライトノベルの主人公によくある「主人公が女の子の気持ちにニブい」という設定に埋没しないで済んでいるのはある意味で上手いというかラッキーって感じですね。

それにしても

よくもまあここまで内容のない話を書けるもんだな・・・とか思ったり。
それはつまらないという事と同義ではではないですが、本当に「変な奴らが集まってズレた事をしでかす」以外のイベントが何も起こらないというのがいっそ清々しいですね。でもまあ実際の所、リア充の高校生の日常なんてこのライトノベルとそう変わらないような出来事で埋まっている訳ですよね(この本の内容ほどぶっ飛んではいないでしょうが)。
でもそれを読んで(そんなリア充イベントとは全く接触の無い青春を無為に過ごした/または現在過ごしている)読者は腹の底に苦いしこりの様なモノが沈殿していきつつも、主人公に自分を重ねてバーチャルリア充を貪ってしまう訳です。なんとも業の深いことですな・・・。
・・・ところで学生の皆さん、今年の夏はクラスメイトの女の子たちとグループで海とかプールとか行きましたか? あるいは花火とか見に行っちゃったりしてますか? 女の子の水着姿が新鮮でドキドキしたりしましたか? 浴衣姿が色っぽくて妙に意識しちゃったりしましたか? あるいは・・・彼女とか出来ちゃったりしましたか? いやもっと凄い展開で・・・大人の階段登っちゃったりしましたか? いやあ、いいなあ学生の夏休みって! 宿題なんてやってる暇ないよねー!?

とまあ・・・

このブログの読者を威嚇したり精神的に追い詰めたりするのはこの程度にしておいて、この話の内容の方に移りますが・・・。これ以上書くとなんか爆弾とか送りつけられそうだし。
個人的には小鳩とマリアが良かったなーと思った一冊でしたかね。可愛い女の子が楽しげに遊んでいる姿をみると私の肉体の一部が戦闘態勢になるんですが、これは別に私が特殊な性癖を所有しているという事ではなくてあくまで生化学的な反応として血液が一部に集中するような感じです。自然な反応なので特に問題はありません。
あとまあお風呂場のシーンをイラスト化するのは当然としても、そのあとの「マリアがサイズの合わない大きなTシャツ着て、まるでワンピースみたいになっている」場面を映像化しなかったことについては今国会で追求したいと思います。あと小鳩にも同じ格好をさせるべきであると強く要求するものであります。
他は・・・ナチュラ非コミュ馬鹿の星菜も良い感じにズレていてお気に入りです。幸村はもう現状維持な感じで良いです。理科はもう腐った方面の別の生き物なので射程距離外です。問題は夜空でして・・・可愛いような可愛くないような難しいポジションにいる感じですね・・・うーん、微妙です・・・。

総合

まあ星4つかな。
なんか話に大きな動きがあるといいなーと思いつつも、大して期待はしていなかったので、予定通りに楽しめたという理由が結構大きいでしょうか。ライトノベル読みの暇つぶしとしては必要十分な出来だと思いますし、これからも日常系ライトノベルの最右翼として頑張っていってもらいたいものです。
ただこういう作品ばっかりが増えたら増えたで問題だとは思いますけど。一番手以外の追う立場のライトノベル作家の人たちは、内容も文体ももうちょっと自分の個性を出す方向で頑張っていかないと、所詮は二番煎じという印象を拭いきれないと思いますから。特に「普通の出来事をベースにしている」日常系ライトノベルでは内容の部分で差をつけにくいんですから、どこか別のところで特徴だしてかないと埋没しちゃいますよ? とか思います。
イラストはブリキ氏です。カラー&白黒イラストとも文句をつける部分はありません。・・・ところで、ブリキ氏がイラストを担当しているオトナ向けの小説がどこぞから出ているって聞いたような気がするんですが、情報を持っている者は即座に詳しい内容を提出するように。え? ggrks?

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