ベン・トー(7.5)箸休め〜Wolves,be ambitious!〜

ストーリー

「佐藤お前どういう事なの。自分以外全員女の子とかいう状況で泊まりの旅行に行くとかなんなの? いいか? 死ね? すぐ死ねよ?」

という全国のロンリー・ハーツな青少年からの怨嗟を一身に背負って我らが宿敵佐藤洋はまさしく上記の呪いの言葉通り、HP同好会のメンツ+槍水先輩の妹であるところの茉莉花+監視の白梅梅様というメンツで小旅行に出かけることになったのだった。
言い出しっぺはあの著莪なのだが、本人は訳あって参加出来なくなってしまったというマヌケぶりを発揮してしまい、このメンバーでの旅行となったのだったが、いずれにしても佐藤の野郎がハーレムスタイルで青春を謳歌しようとしていることは間違いない。であるからして、読者諸氏が自然と「佐藤のケツの穴に極太の肉槍でも刺さればいいのに」と願ってもそれは悪ではない。
・・・まあ実際にはこの本は中・短編集なので他にも話は色々とあるし、話ごとに主人公が違ったりするのでそれ程全開でビクンビクンしている佐藤が見られるわけではないのだが、今回はロリータ的なイベントがあり、しかも

「……お兄ちゃん、コ、コレって……? でも、私、なんだか嬉しいよ……?」

みたいなシーンも含まれる(※作中に上記のセリフはありません※)のでやっぱり佐藤は穴を拡張されればいいんじゃないかと思いました。
いやまあ7巻の感想書いてないんですけどね。まあタイムリーに読まないと感想って書けないですからその辺りは時間があったらおいおいって感じでとりあえずの7.5巻です。

リビングで

この本を読んでいたところ、後ろから何気なく覗き込んできた奧さんが、

「うわっ、随分と字がびっしり書かれた本だね〜?」

と素で言っていました。まさかこれがいわゆるライトノベルだとは夢にも思わなかったに違いありません。大体こんなシリーズが人気で巻数を重ねている段階で若者の活字離れとか言っている層は猛省して陰毛とか剃り落とすと良いんじゃないでしょうか。と思う程度には毎度のごとく空白フォビア全開のシリーズです。イラストが無いと息苦しい。そんな気になるライトノベルはそう多くはありません。
時々ハヤカワのSFとかでそんな気分になったりすることがありますけど、このベン・トーシリーズのそれはハヤカワのそれらを越えて別格です。なんて言うんですかね? うどんでアッサリお昼ご飯を食べていたはずだったのに気がついたらロースカツ丼を食べさせられていた(ポルナレフAA略)とかそんな感じなので、ギャップが凄いのぉ! って感じなんです。
しかも作中に執念深さすら感じさせる弁当関連の美味しい描写がこれでもかこれでもか! と詰め込まれるとなれば、精神的な疲労度はさらに跳ね上がります。このシリーズを読む前には腹を膨らませておくのは最早最低限クリアしておかなければならない課題となりました。

ところで

今回はあせびちゃんがガッツリ登場している短編があるのが個人的にポイント高いです。
巻数を重ねているベン・トーシリーズですが、あせびちゃんほど「何のためにレギュラーとして登場しているのか、ついでに言えばなんであんなに強烈な個性をもっているのか」が良く分からないキャラクターも珍しいと思います。まあある意味で内本くんとか石岡くんと同じようなポジションなのかも知れませんが、そんなゴミ共と同列に語ったら罰が当たるでしょう。
とにかく彼女は可愛らしすぎるので、呪われてもいいからもっと出して欲しいような気もします。もちろん似たような存在の白梅様もいなければならない存在ではないような気がするんですが、彼女に罵られたりするとちょっと気持ちよくなってきているような気がするのでやっぱりいないと困ります。
・・・作者はなんなんでしょうか。未来ある青少年達の心の奥の方にぶっ太いくさびでもブチ込みたいんでしょうか。変な嗜好になって道を誤らせたいんでしょうか。そう考えると今回の茉莉花の行動にも納得が行きますが、もし本当に帰還不可能な所にまで行ってしまった場合、健康保険とかはちゃんと適用されるんでしょうか? ロリコン保険とかドM保険とかあったら入った方がいいんでしょうか。

自分でも

書いていて段々何のことだが分からなくなってきているんですけど、ラストの著莪をヒロインにした話は普通に良かったですね。
なんかこの作者をストレートに褒めるのって屈辱的なんですが、著莪が可愛いから許さざるを得ないという感じです。そうかあ、佐藤が鼻の下をビンビンに伸ばしきっていたのと同日にこんな出来事が起きていたのかぁ・・・なんてしみじみ思ってしまったり、そこから著莪の微妙な乙女心とかを想像してゴロンゴロンと悶えてしまいました。・・・あ、当方三十後半の毛深いオッサンですからね?
でも結局の所どうなんですかね? 本音では佐藤のクソ野郎を「・・・気になる、かも・・・」位に想っている女の子はどの位いるんでしょうか? 全員にフラグが立っているような気もするし、そうでないような気もするし、なんともモヤモヤしますね! 今のところは著莪が一馬身位リードって感じでしょうか? どうですか? 違いますか? 分かりませんか? 分かりませんよね? 私もさっぱり分かりません。
・・・まあ読んでて楽しいからいいんだけどサ・・・あんまりラブ色が濃くなるとそれはもうベン・トーじゃないって気もしますしね。

総合

固い固い星4つは固い。
相変わらず面白いという感じでしょうね。中身が中身なので読み終えるのに通常のラノベの3倍位はかかりますが、いつもの事なので鍛えられた狼の皆様方であれば特に問題はないでしょう。問題はセガのハード事業部が復活するかどうかという部分くらいですが、これほどまでにディープなファンがいるのですから楽観視しても良いはずです。
別の問題としては作者が「もっとページをよこせぇ!」と叫びながら武力蜂起を起こすことですが、これは心配しても始まらないので鎮圧役の集英社に頑張ってもらいましょう。まあもしも作者がブタ箱にブチ込まれた場合でもラノベは書けるので大丈夫です。という訳で読者の未来は安泰ですね。
イラストは柴乃櫂人氏です。女の子は可愛く、おまけに野郎はむさ苦しく描き上げてくれているので読者としては嬉しい限りです。無駄にフェチズムを刺激するようなカットもあるのでサービスもばっちりなので、今後もこのまま邁進してくれると嬉しいですね。