アスラクライン(7)凍えて眠れ

アスラクライン〈7〉凍えて眠れ (電撃文庫)

アスラクライン〈7〉凍えて眠れ (電撃文庫)

ストーリー

二年生たちが修学旅行に行く事になった。
機巧魔神やら悪魔などの跋扈する世界でまともな修学旅行などというものがあるのが違和感そのものと言えばもの凄い違和感ではあるものの、修学旅行自体は事実で、その間二年生たちは学校を離れる事になる。それはつまり、一時的とは言え「私立洛芦和高校」の戦力が落ちるという事を示していた。
夏目智春(なつめともはる)は第一生徒会(校内の治安を守っている)佐伯玲士郎から校内の治安を頼まれたりするのだが・・・ある事情から足を怪我した彼の妹の佐伯玲子の世話を頼まれてしまったりして・・・という感じでほんわかとスタートする。
しかし物語の背後に、かつて敵として現れた加賀篝隆也と、機巧魔神のプラグインが姿を現した事によって自体は途端に危険指数を上げていく。・・・戦いを終えた者に、せめて安らかな眠りを。

前半/佐伯玲子の怪我と微ツンデレ

足を怪我してしまった佐伯玲子をなんとなくなし崩し的に智春は世話する事になりますが、ここで彼女の意外とも言える一面に触れる事になります。嵩月奏も可愛いですが、佐伯玲子も十分に可愛らしい所のある少女ですね。
本人の今までの証言から、

「Bは貧乳じゃ、ないっ!」

という事が判明しておりますし、今回の爆弾発言、

「四十五キロは重くないっ!」

を合わせ技で一本です。身長が幾つか知りませんが、意外に安産型のむっちりお尻の可能性も出てきた・・・! さらにそれに加えて、

「な、なんであたしが夏目のためにヤキモチなんか……そ、そんなわけないでしょ!?」

というツンデレパワーで私はオーバーキルですね。ああ・・・イイ。
・・・そうそう、服選びに関する逸話もいいですね。

中盤から後半/突然シリアスに

前半の謎の窃盗事件からその気配はありましたが、機巧魔神のプラグイン(イグナイター)を夏目が預かる事になり、加賀篝隆也が姿を現すときな臭さが突然上がります。嵩月は夏目のために涙を流し、そして夏目を含む洛芦和高校生徒たちは危険に足を踏み入れていく事になります。
しかし7巻まで来てやっと機巧魔神の大きな秘密が明らかになりましたね。まさかそんな秘密があったとは思いませんでしたが・・・。正直言ってこのヌルい話でそんなハードな展開が待っているとは思いませんでした。

それにしても

スローな物語ですね。
どこまで話を進めれば全ての謎が明らかになるんでしょうか。まあ、嵩月奏や佐伯玲子や操緒が可愛い所やちょっとえっちい目にあったりする所を沢山読めるので、つまらなくもないし次も期待してしまうんですけど・・・。
やっぱり気になるのはシリアス方面では「一周目の世界とは何か?」「魔神相克者(アスラクライン)とは何か?」あたりですかね。
お下劣な方面で言えば「夏目智春はアスラクラインになるのか?」と「アスラクラインになるなら契約する悪魔は誰か?」でしょうねえ・・・。私は断然嵩月奏が好きです。いえ、胸のサイズはちょっとしか関係ないです。多分。佐伯玲子も今回で甲乙付け難い位置に付けたんですけど、彼女は残念ながら悪魔じゃないですしね。
ま、それはともかく、世の中にはこういう時に本気で「アニア一択でッ!」って人もいるんでしょうが、その辺りの願望は脳内にちゃんと密封しておいて下さい。

総合

星4つ。星一つは彼女の良い眠りに捧げましょう。
ちょっと話の前半と後半の空気の違いにビックリですが、佐伯玲子はこの話の中でどういうポジションにいるキャラなのか分からなくなってきました。アニアとなんだか良く分からないし、智春の兄ちゃんに会うという話も投げっぱなしになっているし・・・はよ続きを書かんかい! って所ですかね。
和狸ナオ氏のイラストはかなり好きな部類に入りますね。全体的に動きがあるのが好きです。今回のイラストでは私はイグナイターになりたいです。そして嵩月の胸にむににむにと・・・え、普通ですよね?

感想リンク

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