いぬかみっ!(1)(2)

いぬかみっ! (電撃文庫)
いぬかみっ! (電撃文庫)有沢 まみず

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starもう完結したけど・・・
star全裸シーンが多いです。主人公(男)ですが……
starいっかんめっ!

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いぬかみっ!〈2〉 (電撃文庫)
いぬかみっ!〈2〉 (電撃文庫)有沢 まみず

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正直に言って、

「オイオイオイ、いまさら『いぬかみっ!』の1巻や2巻の感想はねーだろ!?」

という声があちこちから聞こえて来ると思われる本ですな。
まあ私自身そのように思ったりする訳ですが、中には「かつて一巻だけ読んで脱落した」とか「気がついたら巻数を重ねているので、今更手を出し辛い」という人がいると思うので、この感想はそういう人達向けに書いてみようと思ったり。

ストーリー

川平家は伝統ある犬神使いの一族。その末裔(末端?)に位置する川平啓太は一族の落ちこぼれ。何故かと言えば「一人も犬神と契約できなかったから」である。これは犬神使いとしての能力不足から来る非常に恥ずかしい事とされて、彼は実は勘当されていたのですが、突然実家のばあちゃん(当主)から呼び出しがかかる。
実は啓太と契約する気のある犬神が一人いるというのだ。啓太はこれに狂喜乱舞。なんと言っても犬神は便利で可愛く従順でこう・・・イロイロと邪な事まで出来たり出来なかったりとかそういう感じだからだ。
で、早速その犬神と会った啓太だったが、その犬神は「ようこ」と名乗った。一見清楚で大人しいように見えたようこだったが、その実体は見事にイタズラ好き、小悪魔的、常識知らずの犬神だった!
犬神使いの・啓太とようこの二人(一人と一匹?)が織りなす和風ファンタジックコメディー作品。


なんですけどね?

今から読むなら

キャラクターの魅力を味わうために

1巻と2巻は同時に購入してみよう
1巻ではいわゆる「いぬかみ(犬神)」がヒロインである「ようこ」と「はけ」しか出てこないですね。
他のいぬかみ達が大挙して出てきて、話に膨らみが出始めるのが2巻ですので、どうせなら1、2巻を同時に購入してみると良いと思います。いぬかみにはね・・・良い娘が2巻以降沢山出てきますよ?
そういう意味では一気買いが出来れば一番ですが、外してしまった場合の取り返しがつかないですし、2冊ならまあ千円ちょっとなんで許せるんでないか? というラインで話をしてみた訳です。

1巻は基本、2巻で拡張

つまり、1巻はあくまで主人公の川平啓太(かわひらけいた)と「いぬかみ」のようこの繋がりを中心に書かれています。まあ話自体は色々手を変え品を変え・・・って感じですが、基本的にそこに落ち着くのは間違いないですね。
ですのでキャラクターの裏側、つまり新しい繋がりが出来る事での心のゆらぎとか、人間より長く生きる「いぬかみ」達の想いなどがゆっくりと綴られるチャンスが出てくるのが2巻以降な訳ですね。
もちろん主役の啓太とようこの描写も俄然増えまして「1巻だけ読んだ場合」と「1、2巻を読んだ場合」で比較した場合、啓太とようこの魅力が恐らく倍は違うのではないでしょうか。

オマケにひとつ

もの凄くぶっちゃけた話ですが・・・。
この話は某モノノケに好かれやすい体質をもった超煩悩少年T.Yの出て来る漫画が好きな人なら楽しめる本です。主人公の川平啓太はもちろん彼とは違いますが、魅力的な部分が彼と似通っているんですね。
まああそこまで煩悩は強くないですが、なんと言いますか男女人獣問わずに仲良くなれてしまう感じとか、中途半端に善人だったり、時々小物っぽいワルモノ感がする所とかが近いですね。

話作りは

短編連作という感じで綴られていきます。

  • 啓太がようこを従わせようとして失敗して全裸で町中に出現するハメになったりとか(当然逮捕)
  • 犬神使いとして人から依頼を受けて妖怪変化を倒しに行ったりとか
  • 明らかに作者をモデルにしたと思われる変態開チン妖怪(モテないためにカップルばかりを狙う)が出たりとか
  • 何故かメイドのような可愛らしくて色っぽくて良くできた別のいぬかみが啓太の所に押し掛けたりとか、
  • 幼女ぱんつが似合う女の子のいぬかみ暗い部屋に引きずり込んで一生モノのトラウマになるような事をしたりとか
  • 妙に可愛い猫又が出てきたりとか

まあそんな感じの話が続きますね。
家の中では基本的に全裸で過ごしているこのブログの管理人からすると、なんとなく微妙な気持ちになるほど全裸が出てきますね。野郎の

さらにですね

イラストレーターの若月神無氏の全面協力(?)による巻頭のフルカラーイラスト or マンガがまた楽しいですね。
このマンガは巻頭にありますが(レジンキャストミルクを読んだ事があればそれを想像して下さい)、さらに各章の間にも必ず四コママンガが挟まれる仕様となっていまして、これがまた良くできています。
作品内で書ききれないような登場人物達の魅力を良く表現していまして、コレだけでも楽しめますね。

総合

難しく考えても仕方の無い1、2巻、あわせて星4つでどうだい!?
妖怪変化コメディの基本をきっちり押さえつつ、侘び寂びみたいな感覚をちょびっと挿んでつまみにし、一本丸々読むと

「あら、なかなかいい日本酒じゃない?」

という感じがするのがこのシリーズですね。
まあ私も最終巻まで読んでいる訳ではないですから、これから追っかけていく事になるんですけど、まあ一人でも道連れを増やそうという試みでした。