柳田君と水野さん(1)(2)

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starふたりの想いが凝縮された最終回のトキメキがステキすぎ。さらなる飛躍を願って♪
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先日

エロマンガソムリエの人に勧められたおすすめエロマンガを素直に全部(約10冊)を一気に読んだところ、最後の方にはおっぱいとかアレとかナニとかがゲシュタルト崩壊を起こしたhobo_kingです。皆様いかがお過ごしでしょうか。最近はめっきり冷え込んでまいりましたので、シングルプレイ後にパンツを上げないまま眠ってしまうなどのイージーミスで風邪をひいたりしないようにご注意ください。
という訳で久しぶりの更新がエロマンガネタですいませんと先に謝っておきます・・・え? 謎言語で書かれた更新が一回入っているって? そちらの環境が原因の文字化けじゃないですか? 私のところからは正常に表示されて読めますよ? IEやら火狐やらSafariやらOperaやらのエンコード設定を見直してみてくださいね?

さて

本日紹介したい本ですが、もう随分前に出版されたエロマンガの「柳田くんと水野さん」です。今月のエロマンガ竜巻(hobo_kingの居住地で局地的に発生)でなんとなく一緒に読んだ作品なのですが、これが実に楽しめたのでご紹介したいと思った訳です。
ストーリーの導入を簡単に説明しておくと、まず水野さんというツインテールの美少女がいまして、その水野さんがある日突然クラスメイトの眼鏡ガリ勉の柳田くんにある「とんでもないお願い」をするところからスタートします。そのお願いとは・・・「フェ○の練習をさせて」というものでした。
まあ柳田くんも漲(みなぎ)るお年頃の少年であって、クラスメイトの美少女にタダで「フェ○」してもらえるとなれば悪い気はしないので、あまり悩むことナシにその練習に付き合うことにするのです。で、水野さんはというと「今付き合っている彼に喜んでもらうために練習したい」という事だったのでした。

ですが

そうした事実と可愛い女の子にアレしてもらっているという状況に興奮した柳田くんは、その練習の最中に脳の神経が数十本一気に切れてしまい、水野さんを強引にナニしてしまうわけです。しかも水野さんはこれが初めてだったという・・・。
・・・本来ならいきなりの鬱展開でドロ〜ンとなりそうですが、そうはなりません。まさしく事が終わったその時、水野さんは偶然にも付き合っていた相手(一応まあ清い交際?)の武田くんが、水野さんの事を影で悪く言っているのを聞いてしまうのです。
その事に酷くショックを受けた水野さんでしたが、状況は意外な方向へと動きます。その影口を一緒に聞いていた柳田くんがキレて武田くんを殴るのでした。

「お前のために……お前のために……
ふざけるなあああああああ!」

自分(水野さん)が傷つけられた事に腹を立て、明らかに自分より強い相手に敢然と殴りかかった柳田くん。そしてその姿にちょっとときめいてしまう水野さん・・・。喧嘩でボコボコになった柳田くんに肩を貸して歩きながら——なんで自分を犯した相手に肩を貸しているのか水野さん本人が疑問に感じていたりするんですが——水野さんは柳田くんにいうのでした。

「SEXしよっか」
「えっえっ!? もう練習台は……」
「今度はあんたのためにするの」

とまあ、こんな感じで柳田くんと水野さんの微妙な(肉体)関係は続いていくのでした・・・。

とにかく

こうして話は始まるんですが・・・えー始まりこそなんだかハチャメチャですが、その後の展開は非常に良質のラブコメになっています。
柳田くんは簡単に言うとあの一件以来「水野さん大好き」を公言してはばからないストレートバカとなってしまい、水野さんはなんだかんだと柳田くんを罵倒しながらも意識しまくる状態。そんな白黒がはっきりしない状態で関係がどんどん深まっていくのです。

「あんたなんか大嫌い!! 大嫌いなはずなのに……なんで嫌いになろうとすればするほどムカムカするの!?
なんで私はあんたのことばっか考えてるの!?」

こう言ってはなんですが・・・水野さん、ツインテールの外見からも分かる通り非常に良質のツンデレです。この水野さんを読んでいるだけでも十分楽しめる本作なのですが、同じくらい柳田くんにも魅力があります。
正直に言って柳田くんは変態ですが、それは「終わりのクロニクル」の主人公の佐山・御言と同じ方向性の変態で、愛すべき変態なのです。そして自分の心に正直で、しかも水野さんの事が大好きなのです。それが水野さんのツンデレ心をゆっくりと溶かしていく物語・・・と言って良いかも知れません。

二人の関係が

深まる過程はかなり丁寧に書かれることになります。成年コミックとしては珍しく2冊の単行本を丸々使い切って二人の恋愛と、彼らをとりまく登場人物たちの恋模様などを描いていくことになります。
柳田くんと水野さんは二人だけで泊まりがけの旅行に行ったり、海に泳ぎに行ったりとやっていることは完全に恋人同士のそれなのですが、水野さんはそれを頑なに認めず「セフレよ!」と言い続けます。しかしその程度の事でめげる柳田くんではありません。時に繊細に、時に馬鹿みたいに、時に誠実に水野さんに触れていきます。
自分が身を引いた方が水野さんが幸せになれるんじゃないかと思ったときには、水野さんを自分から遠ざけるように振る舞ったりもすることが出来るのが柳田くんという少年です。ホンネでは血の涙を流していたりするのですが、それをこらえて水野さんを突き放したりするのです。・・・なかなかにいい男だと思いませんか?
で、そんな柳田くんをなんだかんだいいつつもちゃんと理解している水野さんという・・・まあ言わば「割れ鍋に綴じ蓋」な二人です。水野さんもね、ただのツンデレじゃないんですよね。とても魅力的な少女です。

物語の方は

最初に出てきた武田くんとまたいろいろあったり、柳田くんに告白する女の子が出てきたり、水野さんの家庭に困ったことが起きたりと色々とすったもんだがあるんですが、その度に柳田くんと水野さんの間にある「気持ち」が強くて温かいものであるというのがはっきりしていく・・・という感じに仕上がっています。その徐々にココロの距離が縮まっていく様がとても上手く描かれています。最初っから肉体関係はあるし、しょっちゅうSEXはしているのでカラダの距離はゼロなんですけどね。
この本はエロマンガとしてはエロの表現がちょっと弱いのでいわゆる実用性という意味ではもう一つでしょう。絵に関しても下手とは言いませんが上手いとも言えません。時々荒さも感じます。しかし、それを補って余りあるストーリーの良さとキャラクターの魅力があるんですね。
水野さんは素直じゃないし自分の気持ちが良く分からないところがありますが、ちゃんと一本筋の通った行動が出来るしっかりした女の子ですし、柳田くんは素直すぎてちょっと普通ならひいてしまうような行動を取りがちですが、やっぱり一途で真面目な男の子です。二人のもの凄く不器用な恋愛を読者としては素直に応援したくなるんですよね。

総合

すっかりこの物語が好きになってしまったので星5つなんですな。
物語も全2巻でちゃんと終わっているところも評価を高めているポイントですね。個人的には柳田くんと水野さんの後日談なんかも読んでみたいんですが、どっかで描いてくれないですかね? 描いてくれたら速攻で読むんですが。
上に書いた通りエロマンガとしてのエロさを期待して買うともったいないと思うんですが、エロシーンつきのハートフルラブコメとして読むと非常に良質で上手くまとまっている作品ではないでしょうか。サブキャラクターの使い方も上手く、ストーリーテラーとしての作者の確かな力量を感じます。・・・ライトノベルのちょいエロラブコメの寸止め感に最近ちょっと飽きてきたという貴方、ちょっと冒険してみるのはいかがでしょうかね?
現在はこの作者の人、どうやらヤンマガで「暴走処女」という連載を持っているようです。私は読んだことはないのですが、そちらを読んだことがある人は絵柄や話の作り方なんかが想像できるのではないでしょうかね? まあとにかくおすすめの作品ですので、読んでくれたらなんか嬉しいような気がします。
・・・でもこの本は成年コミックだから、18歳以下の少年少女は自分がもう少し育つのをちゃんと待ちましょうね? おじさんとの約束だよ!

感想リンク