タマラセ 彼女はキュートな撲殺魔
タマラセ 彼女はキュートな撲殺魔 (角川スニーカー文庫) | |
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作品として
はそれほど悪くはないけど、個人的にはイマイチ。
話は主人公の通称三助が「タマラセ(魂裸醒)」と呼ばれる特殊能力に目覚める事をきっかけに急展開することとなる。「タマラセ」とは簡単に言えば自分の幽体を体から切り離し、さらにその幽体を武器にしたりして使用することの出来る能力で、「タマラセ」を持たないものには他人の「タマラセ」も見ることが出来ない。タマラセは滅ぼされると体すら消えてなくなってしまう。
・・・つまりスタンド?かなりあれだけど多分その例えが一番分かりやすい。主人公は夏月(かづき)という「危険なタマラセ使い」を刈る使命を負った女の子と親しくなることで、タマラセを持つものの世界に足を踏み入れていくのだが・・・というのが基本的な物語の骨子。
でもねえ・・・
どう転んでもこれって人殺しの世界なわけですよ。で、主人公は元々普通の少年なのですよ。だからその「普通の少年」が殺す/殺される世界に自分から足を踏み入れる動機がちょっと弱いし、足を踏み入れた後に暴力の世界であまり躊躇したりしないところが結構な違和感。
全体的にシリアスな内容をコメディチックに描いているのだけど、そのあたりがどうもどっちつかずな感じがして、あまり個人的には合わなかったなあ。コメディパートとシリアスパートの切り替わりが唐突過ぎて、ちょっと不満。