ご愁傷さま二ノ宮くん

簡単に言うと「空とタマ」が面白かったんで同作者の別シリーズに手を出したという簡単な理由だったりしますが。

ストーリー

主人公の二ノ宮峻護(にのみやしゅんご)は恐らく外見的には一般的に「モテ男」の条件を備えた少年であるのですが、本人はそうした自分の資質に無自覚な所がある性格で、非常に真面目、勤勉、規律重視な性格なの少年。そんな彼の所に突然二人の兄妹が訪れました。兄、妹共に超美形。その兄の方が玄関を開けたとたんにこうのたまう。
「はっはっは今日からお世話になるよ」
山師で何をやっているのか分からない一人の姉を持つ二ノ宮くんは状況がさっぱり分からないのですが、なし崩し的に彼らと同居する事になります。帰って来た姉から同居の理由を聞く所によると・・・彼ら兄妹の妹である月村真由(つきむらまゆ)は重度の男性恐怖症で、それを克服するために二ノ宮君との同居をする事を選んだとの事だったのですが、彼女にはもっと重大な秘密がありました。
真由は女淫魔(サキュバス:触れただけで男の生命力を奪う)だけど男性恐怖症という問題大有りの女の子だったのです!
放っておいても溢れ出す真由の色気やらフェロモンやらに理性を奪われつつも、危なくて色々出来ないという二ノ宮君の苦闘を描いたコメディ作品。

二ノ宮くんもご愁傷様だけど

実際は「ご愁傷さま北条麗華さん」とかにタイトルを変更しても良いんじゃないかという感じの作品ですね。えー、この北条麗華さんは二ノ宮くんの通う学校の生徒会長なのですが、まあいわゆるアレです。二ノ宮くん狙いのツンデレですね。
しかしまあなし崩し的に始まる二ノ宮くんと真由の同居生活を監視して危機感を感じたりし、結局色々八方手を尽くす訳ですが、そのいずれもが裏目裏目に出まくって、巻き込まれ式に酷い目にあってますねえ・・・同情します。

まあ面白いけど

そうねえ・・・。初期設定自体は突拍子も無いものの、

  • 二ノ宮くん自体が感じるまともな青少年なら当たり前に催す劣情やら懊悩やら理不尽さへの憤慨の描写は結構良いと思います。
  • 同じ意味で意味では真由のキャラクターやら行動もそれ程違和感が無いです。
  • 北条麗華さんの全開逆噴射行動もまあ学園ラブコメなら許すかという感じです。

・・・が! 裏で通じている黒幕二人『二ノ宮涼子(二ノ宮くんの姉)と月村美樹彦(真由の兄)』のキャラクターと行動と影響力があんまりにもあんまりなので、ちょっとどうかなあという感じはしましたね。まあ無理矢理にでも同居させるという条件を整えるためにある程度の無茶は必要なんですけど、彼らにちょっと人間味が無さすぎたかな。そこは今イチでしたね。
そういう意味では二ノ宮くんの通う学校のクラスメイトもちょっとあんまりだ。いくらお祭り騒ぎ好きという説明があるにしても、いやがる所を無理矢理近づいたり(反省無し)、罠にはめたりしたら(基本的に反省無し)それはもう「いじめ」や「強制猥褻」なのでは・・・? ちょっと微妙に行き過ぎかな〜と思わないでもない展開が幾つかありました。

テーマがテーマだからし

もちろん二ノ宮くんと真由ちゃんの「一緒にお風呂で全裸」「なぜか押し倒し」「なぜか同じ部屋で」などなどのイベントが強制的に黒幕の手によって起こされる訳ですが、まあその辺は普通に楽しめますかね。ちょいエロいです。でも寸止め。なんだそれは!

まあ

嫌いな感じではないけど荒削りかな〜。色々と。
「空とタマ」を読んでいなかったらどう思ったか分からないけど、一応続刊に期待はしてみる。その期待値込めて星3.5・・・うーん4つですかね。不快感を感じる所が無い訳ではないけど、まあそんな事も青春にはあるかと無理に納得してみたり。
イラストも個人的にはあまり好きな部類じゃないですが、女の子は可愛く書かれてますよ。