フルメタル・パニック!(9)つどうメイク・マイ・デイ
つどうメイク・マイ・デイ―フルメタル・パニック! 9 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 賀東招二,四季童子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2007/03/17
- メディア: 文庫
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これだ!こんな熱くってファッキンな展開を待ってたんだこのクソッタレ野郎!待たせ過ぎだ!
いまさらストーリーの紹介が必要か?
とにかく
- 宗介は怪我で衰えた体を鍛え直し
- かなめは絶望を味わいながらも目覚めつつあり
- ミスリル連中は静かに静かに牙を研ぎ
- アルは小さな言葉を吐き出し始め
そういう話です。
ジジイによるジジイのためのジジイの本
短編集でテッサにセクハラの嵐を食らわしていたジジイ連中が帰ってきます。いやー、こういう古参兵の存在って堪らないものがありますね。サイアクのクソジジイですが、一個大隊が側にいる位の安心感があります。今回は影の主役と言えるのではないかというコートニー”ファッキン”じじいの言葉を引用してみます。
「周囲には敵だらけ! 捕まったところで命はない! 体力はとっくに限界! 水もメシも弾薬もない! どうする!?」
「…………」
「さあどうするね? おまえさんはどこぞの先生が決めた理論に従い、医学的にこれ以上戦えないから、諦めて自分のドタマに弾をブチ込むのか?」
「それは……」
「そこから先だ。すごいことが起きるのは、いつもそのから先なんだ。全能なる我らの神は、ちゃんとそこまで用意しておいてくださってる。いわば神が人間に与えたもうたスーパー・ファッキン・チャージャーだ」
もう一つ、別の変態じじいの台詞もおまけ。
「書類をちょろまかして持ってきたぞ! さあ、テッサたんはどこだ?」
「それがな、いないんじゃ」
「なんだと? ここで待ってるって話だったじゃないか。M6A3を持ってきたら、彼女がナイチンゲール風の古式ゆかしい看護婦衣装で、わしをあれこれ看病してくれると——」
「いやすまん。嘘だ」
・・・しっかし、本当にクソジジイ共だな!しかしそこが最高だ!
ジジイももちろんいいですが
宗介もかなめも良い所を山盛りで見せてくれて、ここ2冊位の鬱屈した空気を吹き飛ばす寸前くらいまでは行ってくれます。ああ、そうそうこういうの?こういう無茶で馬鹿でどうしようもない位最悪なのに、それでも求め合おうとしてしまう二人の姿が見たかったんだなあ、としみじみ。
キーワードは、
前へ! 前へ! 前へ!
です。
もう一つ引用。ラスト近くの最高のやり取りの中での宗介の心を去来する想いを引用しておきます。
そうだ。なにを迷うことがある? 何百万人死なせようと。どれだけの困難がこれからもあろうと。彼女をこの手につかむためならば、いったい、なにを恐れることがあるのだろうか?
これだよ!これ!これこそがラノベ!これこそが若者の傲慢さ!顧みない愚かさ!一意専心する美しさ!ロックンロールだ!
問答無用の
星5つ。
状況はまだまだ予断を許さないし、緊張感は相変わらずなのだけど、それでもとても面白い。ああ、帰ってきた!宗介とかなめが帰ってきたぞー!総員、突撃せよー!