まじしゃんず・あかでみい(3)

ストーリー

主人公の羽瀬川拓人召喚した謎の存在タナロットとその関連が巻き起こしたトラブルの罰として、拓人とタナロット、そして鈴穂+2巻で出てきたミヤビの3人+αは掃除を命じられる。掃除? そんなものでいいのか? と思わないでもない拓人だったが、その「掃除」はただの掃除では無かった! 学園が所有する魔法のアイテムを管理する「迷宮倉庫」の中を掃除する事だったのだ。
魔法のアイテムは自らから漏れ出た魔法の力によって化け物となって倉庫の中をうろつく存在になっているという・・・ダンジョンRPGよろしくの装備を整えて拓人達は倉庫の掃除に臨むのだったが、やっぱり一筋縄でいくはずも無く・・・という第3巻。

うへえ

まあ迷宮探検に乗り出すはめに・・・って展開はいいんですけど、こうも予定調和的だと「予想外の展開!」とか「うおー!裏をかかれた!」みたいな驚きとかが全くと言っていい程ないですね〜。まあそういった意味では安心して読み進められるシリーズと言っても良いかもしれません。
あくまでコメディ基調なので、キャラクターもあんまりシリアスな方向に掘り下げられる事が無くて、なーんとなく精進料理とかを食べている気分とでも言いましょうか。あっさり風味で今イチ燃えきれません。

新しいキャラも良いけど・・・

なんというか、2巻で出てきたミヤビとかがそのまま味方になってる展開がもう「峰打ちなので打ち首の場合でも安心です」「お子様でも安心して食べられます」という感じですが、もうちょっと既に出ているキャラの心の中とかを掘り下げてみようよ・・・というのが一読者としての正直な気持ちです。しかしまあ話全体で見渡した時に、プロットというか構成というかはしっかりしているので、結構めちゃくちゃな展開をしている割にはスルーッと読めてしまいますね。

この作者

実は「原案」とかになる「世界観の構築」とかを作る作業の方が向いてるんでないか、とか思ったりもするんですがどうでしょう? 実際のプログラミングは若手にやらせて本人はソフトウェア全体の設計とかやった方が向いているような感じとでもいいましょうか? 別に書く作業がヘタって事は無いんですけど味がないですかね。なんというか「優秀なAIが計算づくで書いた文章」って感じがします。情念の匂いがしないというか。

一応

星3つあげますけど・・・。
そろそろこの作者の「アッサリ風味」に飽きてきてしまった感じですかね〜。新キャラ出せばいいってもんでも無いでしょーよ・・・とか批判するのは簡単なんですけど、作品全体で見た時はそこそこ読ませるくらいの勢いがあるのが不思議。職業作家って感じでしょうか。うーん、文芸作品というよりは、消耗品的な作品ですかね(ファンの人すいません)。
手元に4巻はあるんですけど、しばらく間をおいてから読もうかと思います。ポリフォニカの赤もあるんですけど、心配になってきた・・・。