ギロチンマシン中村奈々子(2) 学級崩壊編

ギロチンマシン中村奈々子―学級崩壊編 (徳間デュアル文庫)

ギロチンマシン中村奈々子―学級崩壊編 (徳間デュアル文庫)

ストーリー:基本的に一巻から大きく変える必要なし

時は未来。人類は自らが作り出したロボット達に叛旗を翻され、滅びに瀕していた。ロボット達の頂点に君臨するのは「チェシャ・キャット」と名付けられた人間によって自我を与えられた一台のロボット。それまでに生活のほとんどをロボットに任せていた人間たちは抵抗勢力として余りに脆くなっていた。
その未来の現在。一人の少年兵士がある南の孤島に漂着した。そこはロボット達の教育施設で<学園>と呼ばれる場所。彼はギロチンマシンの中村奈々子赤ずきんなどと出会い、この異常な<学園>の謎に迫っていくのですが・・・という第2巻。

中村奈々子はギロチンマシン?

1巻を読み終えている人ならこの<学園>に「中村奈々子」が複数名存在する事が分かっている訳ですが、まあつまり両手にギロチンマシンを装備した中村奈々子の事ですね。一番非人間的な能力を持っているくせに、情動に関してはあらゆる登場人物の中で一番人間的と言っていいのかも知れません。
まあ、この話では「人間とロボット、その本質的な違いとはなんなのか?」という事があちこちで語られて、その意味が揺らぎ続けていますんで、いわゆる一般的な「人間的」という言葉があまり当てはまらない訳ですが。

「山田さん。わっ、わたし以外の女の子と、仲良くしたら嫌です……」

それにしても実に分かりやすい人ですね。これ以外にも

「山田さんっ、笑わないでください――このっ、この愚かなわたしはっ、たぶん山田さんのことが好きでしたぁっ!」

「好きですぅ……」

ラノベで久しぶりに見ましたよ。この手のストレートな告白は。
まあそれらはともかくとして、両手ギロチンのわりには情動の面で脆さがなくて、結構なタフガイっぷりを本編では見せてくれます。うーん、安定感のあるヒロインですね。ま、裏に何を仕込んでいても不思議はないですが。

赤ずきんが大噴火

<生徒会>を率いてロボットたちと戦った「英雄」であり、糞劣悪な言葉を吐きだしまくるロリ少女ですが、今回は彼女の魅力が大・爆・発です。
いや、1巻の段階でもかなり美味しいキャラでしたが、2巻で大きくジャンプ! 幼女の魅力が丸出し! 恥ずかしい所まで丸見え! 恥じらいと戸惑い! お子様だけど震える胸! ・・・いや、意味が分かりませんが。とにかく意外に脆い彼女の魅力が凄いことになります。

「ははぁん、わかったぞ。緊縛されている幼女を見て興奮する趣味があるのだね。本当に君は底知れない変態だね。君は人間として最も恥ずかしい種類の病人だよ? あぁ、こうして幼女に罵られることもまた快感として受けとってしまうのだろうね……。私は初めて君のことが心の底から可哀想に思えてきたよ……」

・・・ページ越しにこっちに向かって言っているのか? というような。
ロバート・デ・ニーロ in タクシードライバー的には「You taken to me?(あぁ? 俺に言ってんのか!?)」とか言いたくなります。しかし憎まれ口は相変わらずですが、一皮むけた後の彼女は凄いですよ?

猫が甘えるように、前髪と額を僕の頬に擦り寄せて彼女は囁いてきた。
<ねぇ、山田くん。ギロっちに与える十分の一でもいいから、私にも愛情をくれるつもりはないかな? 愛情を、優しさを――温かさを>
ぽつりと、小さな声で。
<君はね……温かいよ?>

目を閉じ、僕の手を大事そうに抱いて、彼女はやっぱり偉そうに言ってきた。
<……いいかね。もうちょっとこのまま私を抱きしめていたまえ?>

これは南の島の海岸での一夜の出来事。
そして翌日には赤ずきんちゃんが主人公の子供を妊娠したという事実が発覚するのですが。・・・ナニ!?

陰謀渦巻く<学園>

やはり大本に存在している科学者「中村奈々子」の陰謀が色々ありそうですが、うーん、歳取ったせいかな? 「学校」と「人間性の剥奪」とか「平均的な製品の製造」とか「腐ったミカンじゃないんです」的な懊悩がキレイに結びついてくれません。まあそれはそれですけどね。
どうも日日日氏は学校に対して並々ならぬ憎しみを持っているようですので、ちょっとその辺りついていけないなあ・・・なんて思ったりするんですが、まああれです。「自分とは何か」「個性とは、人間性とは何か」とか言い出したらきりがないという感じなんですが、このテのテーマに真っ向からあたれる辺りが作者の若さの証明とでも言いましょうか。いや、その素直な表現は嫌いじゃないですよ?

総合

星4つ。
赤ずきんちゃんの大爆発でもう少しで星5つにする所ですよ・・・危ない危ない・・・。
5つ星にした瞬間に、なんか幼女の罵倒されたり幼女を慰めたり幼女を妊娠させたりしたいような生き物になる様な気がするので星はあくまで4つ。限界ギリギリ。という訳で私はまだまだ人間的にセーフ! カウント2.99!
イラストは大出長介氏です。マンガチックですが作品のイメージとあっているというのは前巻の感想でも書いた通り。好きですねえ・・・。