いぬかみっ!(12)

いぬかみっ! 12 (12) (電撃文庫 あ 13-16)
いぬかみっ! 12 (12) (電撃文庫 あ 13-16)有沢 まみず

メディアワークス 2007-02
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おすすめ平均 star
star着実に進んでる
starこの巻の表紙はなでしことせんだんです(薫のいぬかみっ総登場)

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ストーリー

完結編が13、14巻ですので、その直前の助走期間とも言える時期のお話ですね。
プロローグ・エピローグが対比となっていまして、タイトルもそのまま「得た者」「失った者」となっています。その後も大きな変動の無い話が続くのですが、それでも読ませる話が続いておりますね。
うーん、正直この「いぬかみっ!」シリーズを読み始めた頃はこの話がこれほど面白い話になって行くとは思っていなかったです。キャラクターが沢山出てくるし、一人一人の魅力を書ききれるはずが無いと思っていたんですが・・・良い方向に予想を裏切られた感じですね。
特にそういった事をしみじみと感じるのがこの本に収録されている短編の1話目「川平邸の少女たち」を読んだ辺りでしょうか。読み始めた頃は「女の子を沢山出してファンを作っとけ」見たいな作風になると思ってたんですがね。

川平邸の少女たち

とにかく犬神・ようこの成長っぷりが光っている話ですね。
1巻の頃と比較すると驚きの進歩ですね。妙にしみじみとしてしまいます。駆け引きだけではなく、日常生活のありとあらゆる面で成長が伺えます。必殺の「しゅくち」「じゃえん」などの使いどころまで以前と変わって来てますしね。
ちなみにたゆねやともはねの今後が見通せるような話にもなっていまして、他の辺りでも見所が満載な一編となっています。

とっても変な所からこんにちは♪

いまりとさよかが遠くから電話をかけてきまして、どうしてもそこにすぐ行かなくてはならなくなって、手を借りたくない人の筆頭候補に位置すると思われる大魔導師・赤道斎の力を借りるハメになるお話ですね。
一番の被害者は・・・新堂ケイ? なんだか乙女が見られてはいけない所を啓太に見られてしまったりしますが・・・啓太、羨ましい奴め! いぐさはギリギリセーフ、かなあ?

特命霊的捜査官ラプソディー

変態扱いされる事が多い仮名史郎氏の色々と大変な日常業務を描いたお話ですかね。彼は書かれれば書かれる程変態扱いされる機会が増え続け・・・えーと今度は、腐女子の喜ぶ嘆美系?

ホモだ!
ガチホモがここにいる!

えーっと、仮名史郎×赤道斎×大妖狐でしょうか。・・・きっと腐女子の誰かが既に映像化とかしているに違いない。

黄金の才能

赤道斎の変態アイテムを使ってめでたくいまりとさよかのいるヨーロッパに到着した啓太一行ですが・・・そこで待っていたのは薫奪還のために必要だと言われていた謎の精霊たちでした。
犬神使いとしてクローズアップされた事がない啓太ですが、彼がその才能をいかんなく発揮する話です。薫の犬神たちを使って戦いへと乗り出す啓太ですが、彼が持ち続けていた才能とは? 犬神たちが啓太を見る目を変えてしまう程の出来事が起こります。啓太ファン必見。
いやあ、ちょい変態だけど良い男ですなあ、彼は。

Light and Shadow

「黄金の才能」の後、犬神たちが啓太について語る話であったりします。

「啓太様も素晴らしいんだけど、あまりに激し過ぎて終わったあと、足腰が立たなかったわ」:せんだん
「あんまり自分を解放し過ぎて終わってから少し恥ずかしくなっちゃったな」:いぐさ
「そうだね〜。頭真っ白にさせられたね」:いまり
「ぼ、ボクだって薫様の方が良かったよ! ああ、だって、そうさ! だって、ソフトで優しかったもん!」:たゆね
「激しくされるの大好きなくせに!」:さよか

・・・ベッドテクニックの話?

総合

星4つ。
10巻以降、安定して面白いという印象がありますが、さて、伏線を張り終わったと言っていいんでしょうね。エピローグで少しだけ登場するなでしこが悲しくも怖い話です。そしてようことなでしこの対比がとても興味深い話でもあります。
さて、13巻、14巻はついに完結編ですね。ここまで読んで来た人なら安心して続きに突入しましょう。