いぬかみっ!EX わん!
いぬかみっ!EXわん! (電撃文庫 あ 13-19) | |
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ストーリー・・・は
特にないというか短編集・・・でもなくて、お遊び全開の作者本人による「いぬかみっ!」の同人誌とでも言えばいいのかな〜って感じの一冊でしたが、「いぬかみっ!」シリーズのファンなら間違いなく買いの一冊じゃないでしょうか?
というわけで収められた内容を簡単に触れて行きたいと思います。
襲来! 赤道時子
本編ではいろんな都合で登場出来なかった「ようこのライバルになるはずだったキャラクター、赤道時子」が登場する話となっています。この話は完全に「ちょっとズレた感じの異次元」をベースに作られているというお話ですね。
啓太の結婚の約束をしたと言い張る赤道時子が現れて大騒ぎという基本コンセプトですかね。いやしかし、凄いパワーの持ち主ですね赤道時子。もし登場させていたら「いぬかみっ!」全体のバランスがひっくり返っていた可能性すらありそうです。
- 赤道時子の発言:建前編
「わたくし、前々から思っておりました。動物たちの権利を守って戦う人たちがあって、何故モノノケたちのために立ち上がる人間がいないのか?」
- 赤道時子の発言:本音編
「こんなケダモノチクショウの類いに手を出すなんてよっぽど女に飢えてたのね、啓太」
おいおい、モノノケの権利はどこ行った!? まあそれはともかく、啓太をして、
「赤道時子……生きていたのか!」
「根絶は大変、難しい。ヤツは暴風雨のようなものだ。自然災害だ。さあ、荷物を早くまとめなさい」
「妖怪だ! 化け物だ! 天下一品のどこに出しても恥ずかしくない立派なき○がいだ!」
とまで言わしめる暴走っぷりであります。とても素晴らしい。
そうなるとようことの正面衝突は当然のように避けられない事態となりまして・・・もうぐっちゃんぐっちゃんです。しかしそれが楽しいですね。
ifシリーズ〜もし「いぬかみっ!」が○○だったら〜
この章を一番楽しみましたね。一つ一つの魅力を紹介するのは大変なので、タイトルだけ列挙したいと思います。
- もし、ようこがいなくて啓太が薫の犬神全てのご主人様だったら?
- もし、啓太とようこが幼なじみだったら?
- もし、啓太が女の子に全く興味がなかったら?
- もし、啓太がきちんと女好きでしかもようこだけしか目に入らない性格だったら?
- もし、「いぬかみっ!」がボーイズラブ作品だったら?
- もし、「いぬかみっ!」がゲームブックだったら?
- もし、「いぬかみっ!」の世界が辞書になったら?
- もし、他の女の子が「いぬかみっ!」のヒロインだったら?
どれも手が込んでいて楽しめましたね。ちなみに「もし、啓太がきちんと女好きでしかもようこだけしか目に入らない性格だったら?」は非常に短い作品です。何故だかは・・・よんで確かめようね!
それから「もし、「いぬかみっ!」の世界が辞書になったら?」も色々と笑ってしまう要素満載。特に可笑しさを感じてしまったのは、
はけ:宗家マニア
それだけかいっ!
「もし、他の女の子が「いぬかみっ!」のヒロインだったら?」も手が込んでますね。一人一人との架空の生活をシミュレーションしてる所とかが実に細かい。うーんファンタジー。
ようこと啓太のある一日
この本で一番外伝らしい外伝ですね。
本編で薫がいなかった時の一コマを切り出して、しかも啓太&ようこの主観視点だけで綴られているという凝った短編ですね。この話は啓太とようこの魅力が満載な一編となっています。
総合
星4つね。
遊び心があって大変よろしいと思いましたね。
本編では色々な都合があって出来なかった事をこっちでやっているというか・・・特に「もし、他の女の子が「いぬかみっ!」のヒロインだったら?」なんて良くできていて、作者が本編であまり大活躍しなかったキャラクターにまで非常に愛着を持っているんだなあ・・・というのがひしひしと伝わってくる感じがグーですね。
イラストは本編シリーズの絵師さんとは変わって松沢まり氏ですが(仕事の都合が付かなかったらしい)、キャラクターの特徴をよく掴んでいて、違和感がありませんでしたね。・・・逆に、微妙な表現の違いがあることで「いぬかみっ!」の世界が広がった様な気すらしました。
・・・今回の絵師変更はどうも仕方のない理由だったみたいですが、外伝とかは絵師を変えてみるなんていうのも面白いのかもね。
感想リンク
booklines.net くぱぁ日記 らめぇ名言図書館
私はこの本に対して言い評価をしているんですけど、くぱぁ日記さんと、らめぇ図書館さんは結構厳しい評価ですね。これだから面白いです。