えむえむっ!(3)
えむえむっ! (3) (MF文庫J (ま-01-06)) | |
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ストーリー
もうちょっとで神の領域に到達しそうな程のマゾ体質の主人公・砂戸太郎(さどたろう)は、泥沼的に「第二ボランティア部」なる変態が集まっている部に所属していた。
太郎がその部に所属している理由はハッキリとはしないのだが、そこの部長である自称・神の石動美緒(いするぎみお)に蹴られたり罵倒されたりする事がクセになっている(?)からかも知れないし、なんだかんだで太郎と微妙な関係だが、同時に重度の男性恐怖症である結野荒子が所属しているせいかもしれなかった。
ライトノベルにおける「変態フォーミュラー1」があったらかなりの高確率でポールポジションを獲得しそうな作品の第3弾。
極めて、変態です。
前は短編中心でしたが
今回は一冊で一本の話ですね。
新キャラ・間宮由美の登場! それにあわせて第二ボランティア部に訪れる危機! というのが本筋です。
- はたして太郎のマゾはどの程度まで悪化するのか!?(もう治ることを期待してない)
- 太郎母と太郎姉の猛攻から太郎は貞操を守れるのか!?
- 石動美緒はどこまでSなのか!?
- 結野荒子の男性恐怖症は改善されるのか!?
- 葉山辰吉の女装癖はどこまで凄いのか!?
- 顧問の鬼瓦みちるはそろそろ逮捕した方が良くないか!?
という基本姿勢を守りつつ、追加要素としての
- 新キャラ・間宮由美の必殺技はなんでエロいのか!?
を新たにブレンドした変態ノベルです。
砂戸太郎(さどたろう)
そろそろライトノベル界に燦然と君臨してもいいんじゃないかという堂々たる変態王子。
この3巻では新たなプレイに目覚めつつあり、色々と大事なモノを捨てながら、いらないはずのモノを大量に獲得する「一日毎に新しくなる変態」として物語を引っ張ります。
実はなかなかに好感度の高い熱血な性格・なかなかに整った外見という優れた基本スペックを有しているのだが、現時点では追加変態パーツに埋もれてしまって元の姿が思い出しにくいという悲しき主人公。
「あはんっ! あはあああああああんっ! ヘイベイベー! こりゃあ気持ちいいぜオウイエスッ! 美緒様のキックは極上の味なのだダダダッ! はあ、はあ、はあ、も、もも、もうタロウマグナムは我慢できなでちゅうううう——————っっっ! だ、だだだ、だからこの悲劇的な変態生物に美緒様の神的な蹴りをもっともっともっと——」
でも変態なりに(変態以外の)見せ場はちゃんとあるので、安心できる主人公ではありますな。
石動美緒(いするぎみお)
可愛い所があるのか、無自覚な真性Sなのか、それとも新しいタイプの変態なのか今イチ判断に困る美少女。
砂戸太郎のマゾを治してやろうというお題目の元、太郎をブタのように扱うことを楽しんでいるフシがあったりとか、標準的に新しい罵倒語をつくりだして太郎を嬲るクセがあり、自称”神”の逆噴射型馬鹿。しかし美少女なので彼女に罵倒されて喜ぶ変態は意外にいるような気もするね?
「いいからさっさと脱げって言ってんのよ。あんまりごちゃごちゃ言ってると泥水で腸内洗浄するわよ」
・・・。
これを美緒にやられたいと思うMの人は少なからずいるような・・・もう発想が完全に向こう側だ・・・。
結野荒子(ゆうのあらしこ)
重度の男性恐怖症なのだが、一応それを自覚している所と、治したいと思っているところが太郎と同じです。
変態変身中以外の太郎とはなかなかに良い感じではあるし、今回は勇気も見せてくれたりしたりしますが、どーやら世間が彼女を放っておいてくれないらしい。今回も彼女にはいろんな危機が襲いかかるのですが・・・。
「き、気晴らしに……明日、映画にでも行かない?」
ほほお・・・。一番まともな方向で頑張っていますな。
しかし一度恐怖症が出ると殺人パンチが火を噴き、辺り一面は血の海*1に。美緒と並んで太郎のM資質に無自覚に拍車をかけていると思われる人物ではある。
砂戸智子(すなどともこ:太郎母)&砂戸静香(すなどしずか:太郎姉)
太郎に対して究極とも言えそうな愛を注いでいる二人ではあるが、その結果として両者は犬猿の仲。
米ソの冷戦時代以上の緊張感を常に孕んでいるため両者の関係はデフコン1。太郎の貞操を虎視眈々と狙っており、夜討ち朝駆け当たり前、半裸も全裸もコスプレも当たり前というもう向こう側の人たち。
「太郎ちゃん……わたしに種付けしてください……」
「母さんなんて他人行儀な呼び方は嫌なんです! とりあえず下の名前で呼んで欲しいんです! そして愛の言葉をささやいてほしいんです!」
・・・。
放っとくと太郎本人が知らないうちに太郎の子種で生理止めるぞ・・・この二人は・・・。
うむうむ
ストーリー的には新しく登場する間宮由美があっちこっちかき回してくれる展開となっています。
ちなみに由美ですが・・・。
「んん……あぅ……ら、らめ……」(美緒)
「気持ちいい? ねえ、気持ちいいでしょう?」(由美)
「はぁ……んぁ、くぅん、ん……」(美緒)
あの自称神の美緒が完全に手玉にとられてあられもない姿を見せてくれちゃったりします。
本作品内にはイラスト付きでこのシーンが用意されておりますので、美緒の上気した顔が見たかったりとか、間宮由美の必殺技の正体とかが知りたい人は本を読むといいと思うな!
総合
星4つ。もう変態しかない!
既存のキャラも変態、新キャラも変態となればどう考えても変態なストーリーになるのは目に見えているのですが、毎回締めるべきところはきっちりと締めてくれたりするので読んでいて楽しいですね。
そして変態は変態なりに恋模様なんかもあったりしますので、その行方も気になります。
イラストはQP:flapper氏ですね。口絵カラーには今回四コマ漫画などもついておりまして、大変サービス精神旺盛な作りとなっています。本編内のイラストもヘタウマ系、お色気系と上手く描き分けている感じがします。構図とかも凝ってて好きだなあ。
*1:太郎の血で。