「このライトノベルがすごい!」・・・のか?
なにやら
今年も出版されたらしいですね。2008年度版が。
で、そのランキングですがこのようになっているようです*1。
ま、アンケートの結果ですからそれはそれで良いとして、個人的にランキングについて思った事を幾つか。
1位:フルメタル・パニック!
戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック! (1) (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 賀東招二,四季童子
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 1998/09
- メディア: 文庫
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もうずっと続いているシリーズが初めてのランクイン、しかも1位というのが驚きでしたね。
近い時期に最新刊の発売もありましたし、その展開も「やっと反撃開始」といった感じのものでしたから、スカッとした読者も多かったでしょうから、それでつい投票したという人も多そうです。
個人的には大好きなシリーズですので別に不満もなにもあったもんではないですが、メディアミックスなども成功しているようですし、長年続けてきて獲得してきた知名度を見せつけた感じの1位。でもアニメがなかったらどうなってたかなあ?
本の方の私の感想はこちら。ちなみに最新刊のみです。
2位:涼宮ハルヒシリーズ
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 文庫
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人気あるんだねえ・・・と思って驚いた2位。
個人的には面白さも感じるけど、全体で見ると「色々と面倒くさい作品」という印象がありますね。流石に十分オッサンの私としては、ハルヒにしてもキョンにしても、彼らのいわゆる中二病的な思考に時々付いて行けないというのがホンネかな?
ぶっちゃけ「アニメ化されて有名になったからかなあ?」としみじみ感じた二位ですね。最新刊が面白かったのでランクインするのは驚かないけど、2位というのは不思議。4〜5位辺りなら不思議に思わなかったかな。
本の方の私の感想はこちら。ちなみに「憂鬱」〜間をすっとばして〜「分裂」のみです。
3位:"文学少女"シリーズ
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/04/28
- メディア: 文庫
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無難な感じ?
上手く作品を作っているという印象がありますが、それ以上に有名文学作品を読んだ気になれる便利な作品だなあと思ったりして。内容は基本ドロドロ系なんだけど、”文学少女”こと遠子先輩がそこらへんを上手く料理して食えるものに仕上げてるなあという本。
というか、アニメになっていないので上位2作と比較した場合の知名度は遥かに劣るはずなのに、3位というのは凄い。本だけで与えた影響力という意味では実質的な今回の一位じゃあるまいか?
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4位:とらドラ!
- 作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2006/03/09
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ありゃ、好きな作品だけど好きな人多いのね〜という4位。
"文学少女"シリーズと同じく、アニメ化されていないのにこの位置につけているのは見事ですな。それでもあと一歩"文学少女"シリーズに及ばなかったか〜と言う感じですかね。特にお買い得感*2で負けたか!? という感じ。
単純に登場キャラクターの作りだけ見たら、上位3作品の中では唯一フルメタがいい勝負出来るかな? という印象。文学少女は遠子先輩が抜きん出ているし、ハルヒはオリジナリティというよりは「条件に見合ったキャラクターを既存のものから抽出して配置した」という演出の妙という感じがするしね。
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5位:狼と香辛料
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/02
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へー。頑張ったねえ〜という感じの5位ですね。
確かに面白いシリーズなんだけど、やはり巻数を重ねると新鮮さは無くなるし、話の作りから言ってあまり過激な展開はあり得ないのにこの位置につけましたか、凄いですね、と言う感じ。最近漫画にもなりましたっけ?
やはりホロとロレンスというキャラクターの良さと、商業ファンタジーという新しい路線を発掘した作者に拍手を送りたいです。でも作者は「どうやって完結させるか」で悩んでいそうな感じでもある。
アニメ化するんでしたっけ? その出来次第で来年のランクが大きく変わりそうな気もする。
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6位:キノの旅
キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))
- 作者: 時雨沢恵一,黒星紅白
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2000/07
- メディア: 文庫
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3年連続でランクインしている王様のような作品ですね。
ちなみに私は面白さが分からなくて3巻あたりで投げたので、特にコメントはつけようがありませんねえ・・・。
7位:ミミズクと夜の王
- 作者: 紅玉いづき,磯野宏夫
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2007/02/10
- メディア: 文庫
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好きな作品ではありますが、かな〜りビックリしたランクイン。
発売された時期がアンケートを取られた時期とかなり離れていたという事もありますし、メディアミックスもされてないと思いますし*3、よくもまあランクインしたなという感じ。アニメや漫画がとかの影響がなかったら、ひょっとしたらもっと上位に食い込んだかも知れないと思うと・・・こら凄いねえ・・・。
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8位:バカとテストと召喚獣
- 作者: 井上堅二,葉賀ユイ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/01/29
- メディア: 文庫
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見事な8位と言っていいかも。
私も大好きですが、既刊の作品でひたすら馬鹿をやり続け、読了後には「今後どうなるんだろう!?」というより、「次はどんな馬鹿をやってくれるんだろう!?」になる作品。
しかしその分作者の苦労は凄いんじゃなかろうかという気もしますね。ギャグ漫画なんかも短命な作品が多いですから、この作品がどこまで行けるか注目して行きたいですね。面白いまま長く続けて欲しいものです。
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9位:黄昏色の詠使い
イヴは夜明けに微笑んで―黄昏色の詠使い (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 細音啓,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: 文庫
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ほー。という9位。
私の場合は最新刊で脱落気味なのだけど、この作品の持つ独特の清涼感は他の作品に無い味ですね。その辺りがはまれば最高に楽しいシリーズなのかも。女性受けも良さそうですね。
個人的にはもうちょっと上の方にランクインするかな〜なんて思っていたりしたんですけど、予想より下の方でしたね。
こちら。
10位:灼眼のシャナ
- 作者: 高橋弥七郎,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2002/11/08
- メディア: 文庫
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・・・おや? 初めてのランクインなんですね。
私は3〜4巻辺りで脱落したと思うので、特にコメント出来ませんねえ・・・。
全体では
メディアミックスの影響を感じる辺りが残念ですね。
実際の所は「影響があるかどうかの因果関係は証明不可能」なんでしょうが、上位2作品をみていると露骨にそれを感じます。だたし、両方とも最新刊がつまらないとは全く思いません。むしろ面白い。
でもこの位置に付いたのは本の力だけか? ファンの心を「本の出来」だけでつかみ続けていたか? と考えると「?」と疑問符が付くような感じと言えば良いんでしょうかね。
私がメディアミックス系のアニメや漫画を一切と言っていい程見ない人なので、余計にそんな風に感じるのかもしれません。
それでもま〜、メディアミックスの矛先が向くということは「面白いから」なんでしょうし、それはそれで簡単な事ではないので未読だったら読んでみるのは大いにアリでしょう。
ただし
私個人としては、メディアミックス展開が無い/弱いのにランクインした
- 「"文学少女"シリーズ」
- 「とらドラ!」
- 「ミミズクと夜の王」
- 「バカとテストと召喚獣」
- 「黄昏色の詠使い」
あたりをこのランキングの中では個人的に高く評価したいですし、未読の人には「今の旬の作品だよ〜!」と一読をお勧めしたい所ではありますね。
関連リンク
読丸電視行(このラノ2008分析(2) ファン層の経年変化)
この分析も面白いですね。以前ブックマークした時も思いましたが(確か「よくわかる現代魔法」を分析するエントリだった)、こちらの方のクールで論理的な分析には頭が下がりますね。凄いの一言。