ほうかご百物語
ほうかご百物語 (電撃文庫 み 12-1) | |
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ストーリー
実質的な部員数「2人」の最小美術部に所属する少年・白塚真一(しらつかしんいち)は、絵を書くことに猛烈な情熱を燃やす高校生。
今日も今日とて発作的に「美しい!」と思ってしまったりした女生徒に「モデルになってくれませんか」といきなり頼み込み、告白と勘違いされて断られていたりした。
まあその発作スケッチ症候群とも言える彼のことはともかくとして、部員数2人では部として認められないため、一人の女生徒が仮の美術部員として所属していた。その生徒は経島御崎(ふみしまみさき)。美術部の部室で今日も黙々と・・・ではなく喧しく妖怪について調査しまくっていた。
もちろん妖怪談義なぞ取り合わずに絵画への愛を貫く真一だったが、ある夜忘れ物を取りに深夜の学校に忍び込んだ時、彼は出会ってしまう。美しい少女の姿の——妖怪を。怯えや驚きの入り交じった彼はつい、
「モデルになってください!」
良くわからない所から始まる人間少年と妖怪少女のボーイミーツガールな感じの物語です。
ほほぉ
設定とかはそんなに突飛な所が無く、無難に「ライトノベル」と言える範囲で収まっていると思えますが、個人的には主人公の真一君がとても気に入ってしまいました。何しろストレートなのです。妖怪少女・イタチさんに対しての数々な本気の暴言がそれを表しています。
「忘れるもんか。たとえ世界の全てが忘れても、僕はあなたを覚えています!」
「違います! 僕は美しいものに目がないだけです! だから今はイタチさん一筋です!」
全力でここまで言える少年はなかなかいない。しかも女ったらしという訳ではないので一途です。
まあ結果としてこの恋慕・・・とはちょっと違うかもしれない「美しいものを描きたい欲」の噴出の結果、まあウブ(?)な少女妖怪のイタチさんはなんとなく絡めとられてしまったりします。おお〜。
ヒロインの
イタチさんも妖怪ながら実にキュートでしてね・・・。
上記の真一君の「美しい」発言に対して最初こそ気圧されて、
「……そ、そう。ありがとう」
位なんですが、それが徐々に・・・心を開いていく様もよいのです。
また偶然にも自分のシッポを真一に掴まれてしまったイタチさんの反応がありがちと思いつつも良いんです。
「……いやらしい……」
こっちを見ているイタチさんの顔が、照れと恥じらいとで臨界を突破しかけておりました。
「あのさ、イタチさん、『ぎゅー』がダメなら、たとえば優しくふわっと掴むだけなら」
「しんいち」
本気で怒られるようです。シッポはかな〜りショックなポイントみたいですね・・・おっぱい並み?