タロットの御主人様(3)

タロットの御主人様。 3 (3) (電撃文庫 な 11-10)
タロットの御主人様。 3 (3) (電撃文庫 な 11-10)七飯 宏隆

メディアワークス 2008-02-10
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ストーリー

主人公の四阿秋人(あずまやあきと)は古くから続く占現師(せんげんし:まあ強力な占い師?)の跡取り息子。
才能はどうやらそこそこのものを持っているようだけど、イマイチパッとしない。そんなパッとしない秋人は知らないうちに”クロウ・クルアッハの聖隷のタロット”と呼ばれる非常に強力な占いの道具を手にしてしまい、それの封印を解いてしまう。
そして封印が解けた結果タロットカードの中に封じられた<存在>は街に散らばり、人に宿ってしまった。彼らはそれぞれに魔術を使いこなす強敵だったが、運や、幼なじみの少女の古城結夏(ふるきゆいか)や八久済香澄の助けを得て(両方ともタロットに取り憑かれている)、なんとかさらに2枚のカードを手中に収めたのだが・・・その後のカードが一向に集まらない。
そして集まらないまま何故か物語の舞台が臨海学校へと突入するのだった・・・という3巻です。

3巻では

秋人の手持ちのカードは・・・というか同居している美少女は四人に増えています。

  • 古城結夏(隠者):四阿秋人の家を守護する役目を持たされた一族の娘。幼なじみ、強気、勝ち気、暴力的、ひんぬー。だが秋人に対してアレ。内面と行動のギャップがどーも大き過ぎて本人も持て余し気味。海ではそのぺったんな胸は押し出しが弱い! しかし健気にもナイスバディの鷺宮藤子に一歩も引かず猛烈激突します。

向こうはびっくりするかもしれないけど——事情を説明するわけにはいかないけど、適当に話をして、場合によっては中でちょっとお茶なんかして。ロイヤルスイートなんて初めてだし、ゆっくり見て回りたいかも。秋人と二人きりも久しぶりだし、少しくらいは楽しいことしたって、バチは当たらないんじゃ——

無意識に狙ってます。

  • 八久済香澄(節制):なんだか良くわからないうちにタロットに取り憑かれて、1巻で封印された。内気で気弱、しかし胸が猛烈にでかいので水着でのアドバンテージは計り知れない。やっぱり秋人に対してアレ。妄想少女でかなりのムッツリ。秋人と一線を越える覚悟は完了済み。

「インラン……。や、やっぱり私、インランなんだ……! 舞ちんたちから、あ、あんなこととか、こんなこととか、いっぱい聞かされてるからっ……!」

——覚悟を決めちゃわないといけません。あうぅ。結夏さんがいてくれたら、それを理由にあきらめようと思ってたのにいぃ。パジャマ姿で枕を持って衝動的にここまできちゃいましたけど……。

立派な夜這いなので、明らかにインランです。

  • 鷺宮藤子(女教皇):超金持ち&超お嬢様&超タカピー&ナイスバディ&積極的&世間知らず&ドリルヘアー&バカというかなり大量の属性を抱え持った美少女。秋人を籠絡すべく積極攻勢に出て物語をかき回します。

「志津乃。——なぜ『ヨバイ』にあたって、私は下着姿で枕を抱えていなければけないのかしら? 私のナイスバディで秋人様を悩殺するのはよいとしても、この枕はいったい……?」

悩殺した後に何が起きるのか知らないお嬢様とそのメイド。無自覚な爆弾魔。

  • 三崎美咲(運命の輪):優秀な頭脳の持ち主であり、飛び級で高校生になった実年齢小学生ちょっとの無口ロリ。スクール水着を完璧に着こなす。とにかく読書が好き。

「ボクはどうやら少々変わっているらしくてな。自分では、この愛くるしいボクのどこが変わっているのかよくわからないのだが、とにかくなにを言ってもまわりの人間に変な顔をされるのだ。まあ、それで別段困るということもないが、それでも」
三崎は頑なに本を見たまま、
「貴様に気を遣ってもらって、それなりに嬉しかったぞ」

・・・表情に出ませんが、内心では色々あるようですね?

少女たちは百花繚乱!

なんですけどねえ・・・
いや、舞台が夏の海という事もあって登場する全少女が猛烈に積極的になっているんですが、とにかく主人公が動かねえんだわ!
今回は上記の少女たちの水着イベント/全裸に偶然遭遇イベント、鷺宮藤子の専属メイドである志津乃なんかとの美味しいイベントなどなど枚挙にいとまが無い作りになっているんですが、とにかく主人公が何考えているんだか分からないんだわ。
つーか一言で言えば「魅力が無い」。もうどうしようもないですねこりゃ。とにかく魅力が無いので主人公が少女たちにモテる理由がさっぱり分かりません。結果としてこの作品の主人公に感情移入とか絶対に私には不可能です。
あとコメディ成分が多い割には笑えないし、時々入るシリアス成分も「ピリ辛」というには足りないので全体として味が見事にぼやけてます。これはナニ料理ですか〜?

総合

星3つ・・・いや、悪いとは思いつつも2つにしちゃおうかな・・・。
上記のヒロイン達を見れば豪華食材を用意している事がお分かりになるとは思うんですが、その豪華食材からの味の引き出し方で致命的な失敗をしている感じですね。
しかも主人公がはっきりしないために何風の料理なのかが不明の完全な「ごった煮」と化していまして、名前が付けようが無い料理になっているという感じ。でも食材は豪華なのでまあ食えるという・・・なんとも残念な作品です。
次の4巻までは買ってみようかな(ここまで読んできたし?)とは思いますけど・・・どうなることやら・・・。

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