リリスにおまかせ!
リリスにおまかせ! (電撃文庫 あ 25-1) | |
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ストーリー
666坪のキリの良い敷地面積のお化け屋敷じみた館に一人の金髪の美幼女が棲むという——。
そのお方の名はサタン。私が御仕えし、敬愛する御主人様だ。そして私の名前はリリス。サタン様に使い魔として創り出され、サタン様を日々サポートする役目を負っている。
サタン様は先の大戦で力を大きく削がれてしまっており、日々悪事を働いては力を溜める事に費やしている。例えば・・・。
- 日がな一日無意味なゲームをやり込んだり
- ジャンクフードを食い漁ったり
- 駐輪してある自転車をけり倒したり
などなど。
サタン様の深遠なるお考えは私ごときには全てを見通す事など到底叶わないのだが、サタン様の行動の一つ一つを見る度に心の底に畏れにも似た感情がわき起こるのだ。
しかし、ある良く晴れた不愉快な日に一つの人間と出会ってからサタン様の行動は変わった。「あの人間に近づいて様子を探るのだ」とサタン様は仰られる。私はサタン様の下僕であるからして厭も応も無くその命令に従う。サタン様によると人間の少年である所の愛沢悟とやらには何か秘密があるらしい・・・。
何やら電撃文庫の最終選考作が大幅な改訂を経て出版に至ったらしいのですけど? という作品です。
ううむ・・・
なんとも微妙な作品ではある。一言でぶっちゃけると、
「ぱっとしねぇ」
でしょうか。
つまらないかと言われれば「うーん」、じゃあ面白いかと言われれば「うーん」となると言えば分かってもらえるでしょうか。その辺りは読んだ後の自分の手元の本の姿を見ても一目瞭然でして、付箋紙が貼られた枚数が僅か3枚だったりします。
先日読んだ「円環少女」の最新刊が、えーと、数えるのが面倒くさくなる程貼られているのに対して僅か3枚・・・いや、比べる相手がおかしいだろそれという話は勿論ありますが、まあそんな感じではあります。
キャラクターは?
これも可も無く不可も無いという感じですね。
物語の語り部であるリリスは天然ボケ系かつ無自覚お色気少女として書かれます(ただし詰めは甘い)し、彼女の仕えるサタンはほぼ”なんだかムシャクシャしているように見える美幼女”という感じで書かれます。
基本は何でもありのコメディでして彼女達は両方とも(あるいはサブキャラクターも)悪くないんですけど、もう一押し足りませんねえ・・・なんて言うの? ニンニク入れ忘れた餃子というか、そういう感じでしてもう一つパンチが足りません。
パンチを足りなくしている一番大きな理由は、
ですかね。
総合
星・・・2つ?
全体的に悪くは無いし、それなりによく考えられているとも思うんですがでもそこまでなんですなあ・・・少なくともなんか作品に書かれた文章を引用する気力が湧かなかった作品ではある。良くも悪くも。
実に評価に困る作品ではあるけれども、続編でたら買うかい? って聞かれたら買わないと思ったのでこの星の数ですかねー。人によっては全体的にぬるめのこの作品の空気が気に入る人もいそうですけど、私はダメでしたなあ。
つーかサタンとかリリスとかアスタロスとか名前を見ただけでもなんとなく気が抜けるのに、それをマジそのまま使われたのでもっとヘロヘロになりました。・・・分かります? このヘロヘロ感。でもラノベ感想ブログの周囲の反応はそれ程悪くないみたいなので、気になるようなら一読をお勧めしますな〜。
そうそう、大変申し訳ないけれども、私的には一ヶ月経ったらこの作品がどんな話だったか忘れてしまいそうではある。この読了感って良く考えたら「お留守バンシー」を読んだ時にも感じたなぁ・・・アレもどんな作品だったか忘れてしまった・・・。