境界線上のホライゾン(1)(上)

境界線上のホライゾン 1上 (1) (電撃文庫 か 5-30 GENESISシリーズ)
境界線上のホライゾン 1上 (1) (電撃文庫 か 5-30 GENESISシリーズ)川上 稔

アスキー・メディアワークス 2008-09-10
売り上げランキング : 72

おすすめ平均 star
star約540ページ
starひそかに・・・
star10年目の告白

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ストーリー

・・・ってそんなもんちょびっとの文章で書けるか馬鹿!
とにかく「AHEAD」の時代である「終わりのクロニクル」と「CITY」の時代である「都市シリーズ」のちょうど中間の時代「GENESIS」の時代を描く、川上稔の最新作。その名も「境界線上のホライゾン」。
いきなりの500ページ越え、資料を読んだ編集もどん引き、書き上がった作品の分厚さを目にして購入を検討している人もどん引き、そして余りの内容の濃さに読み終わった読者もどん引き確実な新シリーズ・・・開幕しました・・・はあ・・・。
でもでもでもね・・・残念ながら、少なくとも「終わりのクロニクル」を読了しちゃった人は、この「境界線上のホライゾン」も読まないとならないと思うんですよ。何故なら、何故なら、何故ならば!

「——全竜だ!」

こんなセリフが本文中に出てきちゃうからです。
・・・今、ここを読んでしまった貴方は、否が応でもある事実に気がついてしまったでしょう。そうしたらもう目を背けることが出来なくなってしまうに違いない。
そう、この物語は間違いなくあの長大な「全竜交渉」の向こう側に存在する!
さあ状況を始めよう! 戦士諸君、準備はいいか!?

まず素面に戻って本音を一言

もうなんていうかさ、川上稔はバカなの? 死ぬの?
本当の本気で作者の脳がどうなっているのか知りたいので、一度頭部のCTスキャン画像鑑賞会とか開いて欲しいというか、本気で検討しませんか?
出来が良いとか悪いとか言う以前の問題として、もうありとあらゆるものが濃すぎる。超濃いの。濃くてまロいの。口絵カラーを一通り目にしただけでその濃さが凄くて、

「・・・んもう、どれだけ溜めてたの・・・? すっごく濃くて、匂いもこんなに・・・。先生、君のこれだけでもうココがこんなになっちゃった・・・ほら、見て・・・?」

とかそのぐらい濃いんですよ。ガチでバカじゃないとここまで濃い物語は作れませんよ。
比較対象としてどうかとも思わなくもないですが、あの「ケイオス・ヘキサ」シリーズに通じるような変態的な濃さがここにあります。

もうさ

こんな数百文字しか使わない感想文でどうこう出来る範囲を完全に超えている物語だというのは間違いないですな。
なんかもう関東というか日本というか極東は地上に存在する場所が無くて、空を飛び続ける巨大飛行船になっちゃってるし、じゃあ日本はどうなっているんだというとあのなんていうの? 世界を日本の各地に当てはめるぞ〜って理論の元、他の土地になっちゃってるし(物理的にも精神的にも)、魔術は飛び交うわ、竜は喋るわ、武神は飛び交うわ、ごっつい武器が出てくるやらで、実にイヤ〜ンな塩梅で、「AHEAD」と「CITY」の間を繋いでいるんですよ。
簡単に言うと、都市シリーズと終わりのクロニクルを足して2で割るとこの話の設定になる感じ? うっわ超おおざっぱな説明! ・・・でも作者によると、設定資料だけでA4・780ページらしいです。
うん、黙って一回死んでこい。そしてちゃんと半腐れで甦って、もがき苦しみながら続きを書くがいいぞ作者め・・・とか言いたくなる話です。

総合

一応開演の拍手と言うことで、星5つにしておくよ・・・。
でもさ、なんか星を付けるのがバカらしくなるような話なのね。だって川上稔以外の地球の生命体には絶対書けないような話がここにある訳よ。それをなんか評価するのって無駄なような気がしない? 間違いなくオンリーでワンなのよこれ、うん。
まあ話的にはキャラクターの顔見せと、話の導入と、方向付けという感じの一冊に仕上がっているので、まあファンなら黙って読むしかないんじゃないかな・・・。
でもなんか絶対どっか間違ってる、そう確信させる物語であることは間違いないですよこれ・・・。というかこの作品を「ライトノベル」とかって言っていいの? 文庫なのに一冊で295グラムも重さがあるんですよ?(湿度59%の環境下にて計量)、どこがライトなの? 読み終わると死んだりする呪いとかかかってそうな気がするんだけど? やっぱり死ぬの?

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