とある魔術の禁書目録(1)

とある魔術の禁書目録(インデックス) (電撃文庫)
とある魔術の禁書目録(インデックス) (電撃文庫)鎌池 和馬

メディアワークス 2004-04
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おすすめ平均 star
starとある小説漫画の処方箋
starあくまで1巻までの感想
starおもしろいんだけど・・・

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あ、なぜかamazonに表紙絵が無いですね。星4つですけど、これは既刊本を全部読んだその上での判断って事で。なにしろ一度5巻くらいで挫折してますから本当なら星3つかも知れないけど、まあ理由はおいおい。
ヒジョーにオーソドックスなタイプの作品ですね。ボーイミーツガールの王道というかなんというか。肩肘張らずに読んで、ああそこそこよかったな、と。そういう作品ですね。
この「とある魔術の禁書目録」は、巻数に比例して登場人物(立場、環境、年齢、人種などよりどりみどり)が増えて行くので、巻の数字が増えるにつれてなぜか青春群像っぽくなって行くのが不思議。とりあえず一巻の見所はヒロインのインデックスと小萌先生かな。沢山登場人物が出る事になるんだけど、どう考えても文字数の関係で突っ込んで描写出来ないという妙なジレンマを抱え持っている作品だと思う。だって明らかに続刊のための顔見せしかしていない重要キャラとかいるし、その辺は作者も十分理解して書いているのだろうけど、人気無くて終わってたらなんて中途半端な作家だよ!?とか言われてそう。まあ、人気はあったようで、いまや11まで巻数を重ねている訳ですが。
一巻は基本的な人間関係が書かれます。主人公の上条当麻君はいわゆる不幸体質で(まあ理由もあるんですが)、「不幸だ!」といいつつも人の苦労までしょってしまう馬鹿人間かつ、裏表の無い馬鹿で、少年誌的馬鹿です。知らない人でも安心して読めるほどの単純馬鹿です(馬鹿しかねえのかよ!)。まあそこに「禁書目録(インデックス)」が、文字通り降ってくるという、始まり。
一巻については基本的なストーリーとして、

  1. 重大なトラブルが起き、被害者が出る
  2. 主人公が何故か首を突っ込むはめになり、義憤にかられる。
  3. 強大な敵に諦めそうになったり、無茶をするなと諭されたりする
  4. しかし発奮努力して主人公キレる、そして「その幻想を破壊してやる!」
  5. 主人公、血だるまで問題解決

となります。王道です。全く持って王道です。安心して楽しめます。正直一巻以降もこの基本構成は大きく揺るがないと思います。
まあ、タイトルに「魔術」と出てきますが、魔術といっても西洋宗教系、練金系、呪禁道系、神道系、カバラ、などなどなど・・・。ありとあらゆる文化の奇跡がごった煮になっている挙げ句、超能力者までモリモリ出てきます。宗教的な意味があったり、超能力的な意味があったり、もう凄い事になっています。まあ作品中ではそれなりに説明なんかがあったりする訳ですが、アレです、たとえ矛盾点とか見つけちゃったとしてもそこは華麗にスルーして下さい。逆に言えば、細かい設定がとっても気になる人に取ってはこの作品は鬼門です。深く考えず、大人の余裕をもって読みましょう。そういう人は楽しめます。主人公・当麻の能力、アレってつまり・・・とか言い出したら負けです。作者からの答え合わせがあるまで、適当な妄想程度にとどめた方が無難です。つまりそういう作品です。
ま、一巻の時点ではそこまで深く考える必要はないでしょう。普通に物語を楽しんでみて下さい。それなりに楽しめるようなら次に行ってみましょう。