付喪堂骨董店

付喪堂骨董店—“不思議”取り扱います (電撃文庫)
付喪堂骨董店—“不思議”取り扱います (電撃文庫)御堂 彰彦

メディアワークス 2006-10
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おすすめ平均 star
star普通に面白いです
star思ったほどは・・・
star少々以外と思ってしまいました

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実際の所は星3.5って感じだけど、十分今後に期待できるので星4つ。
たしか以前「12DEMONS (電撃文庫)」を書いた人だと思うけど、個人的にはこっちの方がよかった。「12DEMONS (電撃文庫)」って登場人物が多すぎて最初の数十ページでギブアップしてしまったから・・・。いや、今度ちゃんと読みます。
で、付喪堂骨董店ですが、「アンティーク」と呼ばれる魔術的な機能を持った道具が話の中心にありまして、それを巡っての4つの短編連作です。”不思議”な事が「アンティーク」を使うことで当たり前になってしまうわけですが、道具頼みなドラえもん的ストーリー作りという感じでもなく、一話ごと趣向を凝らして読者を楽しませようという作者の意気込みのようなものを感じました。
ミステリのような犯人当てとアクションの話あり、過去からの悲しい呼び声あり、治療の力を持ったアンティークを巡る人のエゴと愛の話あり、仄かな(?)恋心と微妙な女心ありと、とにかく手を変え品を変え楽しませてくれます。
ちょっと、「付喪堂骨董店」の店長のキャラクターが現時点では微妙に弱いような気がするけど、今後色々なエピソードを挟むことによって肉付けされていくのでしょうかね。もともと文体に装飾を散りばめるようなタイプの作者じゃない様なので何となく話が淡々と進んで行く印象があったりしますが、これはこれで持ち味でしょう。
4つのストーリーはどれも良く出来ていて、十分楽しめる内容になっているので、過度なキャラ萌えとか期待しない限りは読んで損なし。個人的には4話目の「プレゼント」が良かったですね。もちろん続編にも期待します。
大きな裏設定みたいなものを用意せずに、このまま短編/アイデア勝負を続けて欲しいなとか思う。もちろん書く側にとってはただのイバラの道だろうけど・・・。

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