お留守バンシー

お留守バンシー (電撃文庫)
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どう考えても

コメディなのは間違いない。タイトルからしてもうそれははっきりしている訳だけども。
基本的にろくでもない伝承しかない「バンシー」という妖怪を題材にしてコメディを仕立てた発想は良いですね。まあ、個人的には内容は微妙でしたけど、でも先日紹介した「リバーシブル」とかに比べれば遥かに登場人物達が生き生きしているのは間違いない（中には死んでいるキャラもいるんだけどそれでも生き生き）。

こういう

本を読むと、あれですね、面白い（あるいは読ませる）本というのはやっぱり中の人物達に「いかに命を吹き込まれているか」って事が大事なんだと改めて思いますね。
幾ら設定に凝っても、過激なアクションを展開しようとも、登場人物達が「いない」本はつまらない。
個人的にこの「お留守バンシー」は好みから完全に外れているエリアに飛んで来た球種って感じなんだけど、まあ苦痛無く読めた。あまり濃い内容じゃなかったってのもあるけど・・・。これで無駄に設定とか専門用語とか多かったら途中で投げ出していると思う。バランスがいいんでしょう。

簡単に

物語を説明すると、お城の留守を預かる事になった「掃除洗濯が大好きなメイドの女の子ような」精霊・バンシーのアリアが、彼女のあるじ（多分吸血鬼）を滅ぼしにやって来た聖職者を相手に奮闘するお話。キュートで臆病なペンギン型のガーゴイルやら、清楚で可憐なサキュバスやら、変態のデュラハンやら、リビングデットの庭師やらと一緒にあるじの住まう城を守るべく聖職者をうまくやり過ごそうとするはずが・・・というお話。うん、これは童話に近い感じですね。
最後はちょっと良い話に纏めている所もまあまあですし、バンシーなので最終必殺技はやっぱり「泣き」なのですが、それの使い方もまあ評価出来る使い方と効果だったかな。
陽気（妖気）で健気で元気で怒るとちょっと怖い女の子の出て来る明るい物語が読みたい人にはおすすめかな。個人的な星の数は読みやすさやキャラの生きの良さをいれても３つ。流石にちょっと内容が幼過ぎたわい・・・。