ものを書くのは難しい

感想(書評でもいいですけど)を書いてWebで公開するのは難しい! とここ数日しみじみ思っています。昔の夏休みの宿題の読書感想文がもの凄く嫌だった事を思い出したりもします。まあ最初からある程度覚悟はしていましたし、今さら言う様な事でもないだろコラ的な話になりそうな気がしますが、幾つか気がつきましたのでちょっと自分用の備忘録的に書いてみます。

とにかく本についての自分が感じている魅力を纏めるのが難しい。

自分で「この作品は最高だ!この作者のきんたまはアリゾナ州よりでっけえぞ!」と思っていても、なかなか表現する言葉が見つからないといった事は感想や書評を載せているサイトを作っている方なら当然体験しているでしょう。そういう場合は大抵内容をまとめながら頭を抱えてぐおぽおおおお!とかやってますが。
今まで公開している感想の中で、苦労したものと言えば比較的最近の「アリソン」がそうです。とても好きな作品ですが、全体にドライな印象の文体という事もあって、自分では比較的書くのが得意な(だと思っている)装飾過多の文章を使うと誤解をされそうだとか思って、一度全部書き直したという経緯があったりします。最初も書いている最中に何度も詰まりました。結構最近読んだという事もあって、作品の中にある言葉が自分の中に「生きた言葉」として入ってきていないなんて思ったりしました。やっぱり10回位は読み直さないと言葉って脳みそで育たないですね(歳のせいか?)。

ネタバレを避けつつ作品を紹介するのが難しい。

そもそもインターネットで公開するという事は誰の目に触れてもおかしくない訳で、何かの間違いで人の目に触れる可能性がある訳で。
そこで一番避けたいと思っているのが「本の魅力を自分の文章で奪ってしまう」事でしょうか。・・・実際には私の文章でそうした目に会われた方もいるかも知れません。もうその辺については申し訳ないとしか言いようがないのですが、引用はその危険を含んだ最たるものじゃないかとか思っています。
ある程度原典そのものを引っ張る必要がある論文とかなら別ですが、私の書いているのは紹介やら感想な訳です。ネタバレを気にせずにはいられません。しかも一応現状はある程度引用を行っている訳です。もちろん「筆力が無いから引用を使用せずにおれんのだ!」とか言われたら実際グウの音も出ません。
・・・この辺りの意見は色々ありそうですが、まあ話を進めますと・・・とにかく、決定的に重要な要素を含んだ文章を避けて、かつ作品の魅力を伝えるに足る部分を引っ張ってくるのが大変です。毎回色々悩みます。
今の所一番考えたのは「終わりのクロニクル」シリーズでしょうか。面白い台詞は沢山あるんですが、いきなり引用して分かる様な内容のものが少なかったり、そこだけ引っ張ると作品全体を勘違いされそうだ・・・と思ったりと、散々悩んだ挙げ句今の形に落ち着いています。特に「終わりのクロニクル」は多方面に渡って売りになる要素が満載だと思っていて、切り口一つで作品の楽しみ方がかなり変わりそうな作品だと思っています。なんだかんだと頭をひねった挙げ句、結局、大城・一夫関連の台詞だけで、しかも発言者不明という意味不明な結果になっていますが、まあこれが今の限界でしょうか・・・。

その作品の他と比較した時の良さをピックアップするのが難しい。

このサイトに来られる方々は感想を見に来て頂いているのですから、「これから本を購入するかどうか」の材料とされる方が当然いると思います。そうした場合、この作品の「ココがいい!」「コレが売り!」というのを表現したいと思っているのですが、なかなか実現出来ません。ほとんど出来ていません。本という分野においてそんな事が出来るんかいなとか思ったりもします。コンピュータ関連部品みたいにスペック表があればいいんですが、そんなもんある訳ないし。星を付けたりしていますが、主観全開な意見なのではなはだ客観性に欠けます。その辺りはどうしようもないですけど
「費用対効果」みたいな比較が出来れば一番なんでしょうが、実際には「効果」の部分が人によって違います。しかしそれでも人気の出る楽しい作品と人気の出ないつまらない作品がある訳です。やっぱり感想を読んでもらった人には「ハズレを避ける参考になる様な」文章を書きたいのです・・・気にし過ぎと言えばそれまでですが。
例えば上記のような事が出来なかった場合でも、見て頂いた人達には私個人の感覚以外にも「こういう人は楽しめるかも」「こういう読み方をすれば楽しい」「これはお買い得!」とか言えたらいいなあとか思います・・・。一応「とある魔術の禁書目録(2)」とかはそんな書き方をある種実験的に行っている訳ですが・・・余計なお世話の可能性も大大大です。

結論

うん、もの書くのは難しい。皆様はどのように思われますか?