オオカミさんと七人の仲間たち

オオカミさんと七人の仲間たち (電撃文庫)

オオカミさんと七人の仲間たち (電撃文庫)

お話

この話の舞台は学園都市・御伽花市の御伽学園。生徒3000人を抱えるマンモス校。制服も複数種類が用意されており、どれを選ぼうと自由な挙げ句、ある程度(かなりの程度)の範囲で改造が許される自由な校風として知られる。
主人公は御伽学園学生相互扶助協会(通称「御伽銀行」)に所属するすらっとしたスタイルとツルペタを誇る直接攻撃による破壊活動を得意とする大神涼子。彼女はその姉御とも言えそうな行動から学園内で一目置かれる存在だったが、そこに対人・対視線恐怖症の主人公・森野亮士が電撃的な愛の告白をして・・・というスタート。
登場人物に美少女が多いのはご愛嬌だけど、ちょっと「御伽銀行」に所属する生徒達を紹介してみる。

大神涼子

オオカミさん。元ヤンキーの直接暴力担当の麗人。胸を含め必要な脂肪が無いのが玉にキズ。言葉使いも荒っぽいが実は「御伽銀行」に所属する生徒の中ではかなりまともで意外に恥ずかしがりや。彼女をつついて楽しむものもいる。

森野亮士

大神涼子に告白した強者だが究極の対人・対視線恐怖症マタギのじいさん譲りの気配消しの技を日常生活でも使いこなす持つ生まれついてのへたれ。しかし彼は主人公。結構見所もある変人。わりとかっこいい所もある・・・か?

赤井林檎

赤髪、ちっちゃい、バスケット持ちで正しく赤ずきんちゃんの外見を持つ少女。心はドス黒い。策士。

鶴ヶ谷おつう

正統派メイド完全体。人に対して恩返しをする事に無情の喜びを覚えると言う良く出来たメイド。メイドマニアにとって堪らない存在。

マジョーリカ・ル・フェイ

魔女。いわゆる見事な魔女。あやしい機材の開発などに日夜勤しむ。

桐木リスト

御伽銀行頭取。「多分男」と称される変態。変装すると猛烈な美少女に成り代われるらしい。話を言い切る度胸が滅多に無いため、言葉の語尾が常に「?」で締められる。桐木とは従兄弟関係。

桐木アリス

秘書。クールな美人。桐木リストのつっこみ役。一番の常識人。

感想

うんうん、ラノベだね。ラノベで無ければあり得ないキャラが満載だね。主人公の大神涼子の所属する「御伽銀行」は、学生からの依頼を受けた場合には助けるが、それは「貸し」となり、いつか必ず取り立てるという生徒にある意味恐れられる組織。当然そこに席を置く連中は一癖も二癖もある生徒ばかりとなる訳ですね。・・・とまあこんな感じの話なんですが、キャラ紹介をした段階で何となく話が分かるところが凄い。正しくキャラ小説かも知れません。
ところでこの「オオカミさんと七人の仲間たち」は、短編をつなげる様な形で作品が繋がって行きます。そして一冊で一つの大きな話のようになるという構成。まあ、この構成は完全に成功しているとは言いがたい所なんですが、全体のテンポも良くてすらすら読めてしまいます。また、色々キャラが出てきますが、やっぱり可愛いと思えるのはオオカミさんですね。今後どう変わって行くのか期待したい所。
それから、当然気がついていると思いますが、登場人物は皆全て童話に名前を求めています。話の展開にも童話がモチーフが使われています。まあその通りに話が展開する事なんでありませんので、参考までに。
星は、う〜ん、3.5うん、4つけて良いかな。安心して読めるラノベですね。
あと、イラストが良いです。シーンの切り取り方と表現が上手いと思いましたね。口絵のカラーイラストも上手じゃないでしょうか。イラストレーターの「うなじ」氏の仕事に星5つ。

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