クライム・ハウンド
クライム・ハウンド (集英社スーパーダッシュ文庫) | |
柊 ハルヤ 集英社 2006-12 売り上げランキング : 507151 おすすめ平均 イラストは星4つなのだが内容が虚しい・・・。 武器は十手 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
異世界ってカテゴリを作った方がいいかもしれないな。
凄く簡単に説明すると、異世界風十手捕り物帳ですね。主人公達の手に持たれる武器も「クロス・ハンド」だし。この話はクライム・ハウンドと呼ばれる異世界の警察組織に属する事となった少年少女達の成長とを書いた物語です。
主人公のフリッツは、同期の少女ユリィナや、ちょっと粗暴な少年デュリックスと一緒に正式なクライム・ハウンドになるべく訓練を受けていて、なんとか本隊の協力が認められる資格までは手にする事が出来るのですが、丁度その時、街では辻斬り事件が発生して、彼らはなし崩し敵に事件と関わって行き、ついでに新聞の記事にするべく彼らを取材しにきていた女性記者・エルジェーヌも巻き込んで、話が進みます。
全体の感想を書いてみます。
キャラクターの話で言えば、主人公の性格にはちょっと一部唐突に感じる所がありますけど、まあ十分だと思います。周りのキャラクターもそれぞれちゃんと見所が用意されていますし、個性もそれなりに作られていますので物語を楽しむ余裕が出ますね。もうちょっと遊びがあって、変なキャラクターやら複雑なキャラクターとかを用意出来れば良かったとは思うんですが、結構な人数のキャラクターを出しているので、文字数的にキャラに深みを持たせるのは難しかったかも知れません。この辺り、もし続編が出るならもう少し掘り下げて欲しいですね。
いや、楽しいんじゃないでしょうか。まあ、何となく全体的に文章が暴れている様な気もするけど、まあ誤差の範囲って言ってしまっても良いと思いますし。ストーリーはひねりつつも王道ですし、安心して読めるラノベとしてしても良いんじゃないですかね。
特にこの作品で「でかしたっ」と思った所は、「続編を作る余地を作りつつも、この一冊でちゃんとストーリーを完結させている」事です。デビュー作という事で無茶が出来ない事もあったんでしょうが、それにしてもこうした事を「あえてやっていない」作品が多いので、1冊で楽しめると言う意味でこれは評価出来ると思いますね。
うん。星3つ。デビュー作としては評価出来る十分な出来。楽しいし、続編が出たら買うんじゃないでしょうか。
イラストは表紙では気がつかなかったんですが、「円環少女」の「深遊」氏ですね。本編内の挿絵も結構良い仕事していると思います。