ゼロの使い魔(3) 始祖の祈祷書

ゼロの使い魔〈3〉始祖の祈祷書 (MF文庫J)
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表紙のルイズのイラストで、ちょっとだけ除いたおへそが可愛い３巻（帯で隠れてますね！）。よく考えたらこれってルイズの着ている制服ですよね。ああ、いい。

アルビオンから無事にルイズと才人が帰還する所から話がスタートします。アルビオンで起こった事・・・アンリエッタに取っては本編全体が非常に苦しい展開となります。色々な禍根を残した２巻でしたが、しかしとにかく依頼そのものは無事に果たす事が出来ました。

いやあ

２巻を無事読み終わった皆様方なら気分すっきりで３巻をむかえられた事と思います。やっぱりか貴様！　へん、ざまあみやがれ！　って気分でしょうか。顔のいいやつぁ根性が無い！　台風が過ぎたあとの夕暮れ・・・うんスッキリ。

３巻はね、ちょっとあっち方面でイイですよ？
２巻の最後の才人の大活躍と、最後の最後にやらかした一撃でルイズの態度が微妙に変化し始めます。まさしくこれは恋煩い！　才人に対して「犬」扱いはやめ、というか破格の待遇でもって接するようになるんですが、才人はルイズがなぜ急に優しくなったのかサッパリ理解出来ません。なので彼の脳みそは異常な方向に高速回転し、卑屈になるやらビクつくやら、みっともない事この上ないミジンコ生命体のような感じになります。そこが楽しいんですけど。ちょっとミジンコっぷりを引用します。

「キ、キモくてごめんなしゃい」

「すいましぇん。もう二度と、独り言はいたしましぇん」

ああダメだこれはダメだ。卑屈になった少年というのはかくも見苦しいものなのかと言う感じです。うん、こういう卑屈さみんな少しは経験あるよね？　ない？　で、ルイズの反応ですが、

せっかく優しくしてあげてるのに、じゃべりかたもヘンだ。だいたい「しゃい」ってなによ。気持ち悪いのよ。

キモイって思うな！　凄くよく分かるけどキモイって思ったらヤだー！　かつて少年だった私としてはこんな感じです。うん、あの時もあの時も、キモイって思われてたって事だよね？　うっわーへこむ。

しかしなんだかんだ言ってもルイズと才人、この巻で一緒のベッドで寝るようになります。おいおいおいマジかマジなのか。いいのかそんな事していいのかおい、いい匂いとかするぞ。眠りにつくと体温が上がってあったかいんだぞ？　俺なら死ぬ、悶絶死。
手編みのなんちゃらとかありつつも、実は結局たたき出されたりするんですが、ヤサグレて才人がテント張って暮らすはめになったりしてもう本当にお前はダメ人間だな！　でもちょっとそういう所が愛しいような気もするぞ！　というのが３巻です。いやあ、こういうの楽しい。やさぐれた結果才人は宝探しに出かけたりして、結構凄いものを見つけてきたりしますが、これは本編でどーぞ。

あ、それからルイズですけど、ついに本領発揮です。シエスタもかなりの見所がありますよ。うん、血が流れている生き物なら確実に殺せるだけの大技を繰り出します。必見です。

・・・しかしストーリーに全く触れていない感想だな！　でもそれでもいい！　そういう本だと思う！
うんうん星４つ、おすすめですね。