アリソン(3)〈上〉ルトニを車窓から 〈下〉陰謀という名の列車

アリソン〈3 上〉ルトニを車窓から (電撃文庫)
アリソン〈3 上〉ルトニを車窓から (電撃文庫)時雨沢 恵一

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starひど
star甘いな
starシリーズ三部作・完結へのカウントダウン開始。

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アリソン〈3 下〉陰謀という名の列車 (電撃文庫)
アリソン〈3 下〉陰謀という名の列車 (電撃文庫)時雨沢 恵一

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starうんざり
starアリソン、完結……
star今回も、魔法遣いの魔法は健在でした

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アリソンの最終巻は上下巻で出版されているので、購入の際は同時が幸せです。下巻の表紙もいいのにな・・・画像がまたねえよ。なんとかしてくれ・・・! でも一応コレで「アリソン」シリーズはコンプです。次はリリトレだな。

ところで、毎回毎回楽しみなのが口絵のカラーイラストです。開いて一枚目の「子供の時のアリソンとヴィル」のイラストも好きですが、今回の特にお気に入りは下巻の口絵、ちょっとした挿話が付けられたアリソンとヴィルのイラストが最高ですね。とっても可愛らしいです。黒星紅白氏のイラスト、正直大好きですね。

ちなみに今回の出だしはかなり衝撃的な内容の「序章の前・a」から始まります。この序章は「アリソン」の話が語られる時代からみると十数年の未来の話の様で、そこでは「リリア」と名乗る少女がストーリーを語っています。そして彼女が「ある人」と「ある人」の間に生まれた娘だという事が語られます。衝撃的です。しかも二人の「ある人」のうち一人は既に亡くなっているというのです。ほとんど女手一つで育てられたという事実も語られます。そしてリリアの母は今もまだまだ若いので、彼氏がいるという事、そしてその彼氏をリリアが”英雄さん”と呼んでいるという・・・。
え、え? えー?
と読者がなった辺りで「序章の前・a」は読者を置いてけぼりにしたまま終わり、時間をまた遡ってアリソンの時代に戻り、本編に突入する事になります。おいおいおい待ってくれよ・・・!

ストーリー

今回はベネディクトに大陸横断列車の豪華な旅をプレゼントされ、アリソンとヴィルは喜んでその旅に参加する事になるのですが、その列車では「ある恐るべき陰謀」が二人を待ち構えていたのだった・・・というお話。当然フィオナとベネディクトもセットで参加するのですが、アリソン(とフィオナ)は上の陰謀とは別に「ある野望」を持ってこの旅行に臨んでいます。人生を大きく変える可能性のある「ある野望を実現するための計画」です。
豪華列車による旅! ロマンチック! ヴィルとペアで! これは二人の関係が大きく進展しちゃったりするかもかもかもよ!? 将来を素敵に約束とかになっちゃうかもよ!? というか是非とも進展させるのよ!? という訳で特にアリソンはもう気合いが入りまくりです。いいなあヴィルとベネディクト・・・どっちかと言うとヴィルが凄い羨ましいけどな。アリソンの必死さをちょっと引用してみます。

「あのっ! あのね……。えっと……」
「だから先に寝させて……」
「ちょっと! 一人で? ——えっとそうじゃなくて!」

アリソンがとても可愛いですね。でもヴィル、普通そこで寝るか?

どんな感じか?

陰謀やらなにやら人死にやらが出たり、綺麗ごと以上の血も涙も無い展開や真実みたいなものが中心にあったりするので、正義は常に勝つ! とか真実は常に正しい! と思っている人にとっては結構ラストの展開は納得しがたいかもしれませんけど、ここまで読んで来れた人なら全然問題ないでしょうね。まあ戦争だしね。綺麗ごとだけじゃ世の中回らないよなみたいな。今回もアリソンのぶっ飛びと、ヴィルの賢明さが光ります。
それに最初の「序章の前・a」の真実が知りたくてもう一気読みですよ。辛抱たまらんですハイ。

結果どうか?

アリソンがとても可愛いので当然の様に星5つです。全体で見ると、今年小学校5年生になる娘にも安心して読ませられる位の健全さがこのシリーズにはありますね。ちなみに私の娘は脳内に住んでいます。奥さんもなぜか脳内です。どうして頭から出てこないのかなあ。
あと別件ですが、3巻だけは恋愛のカテゴリにも入れてしまいました。アリソンの容赦ない可愛らしさのせいですが、まあその辺は本編で。いいなー俺もこんな娘と幼なじみになりたかった・・・。