パラケルススの娘(2) 地下迷宮の王女

パラケルススの娘〈2〉地下迷宮の王女 (MF文庫J)
パラケルススの娘〈2〉地下迷宮の王女 (MF文庫J)五代 ゆう

メディアファクトリー 2005-10
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ゴリゴリゴリッとキャラクターが追加されて、ものごっついテコ入れの結果、個人的に非常に好きなキャラクターが出来てしまった巻でもあります。もちろん表紙を飾っている彼女の事ですが。
いやいや美味しいキャラ小説となりつつありますね。大正時代風美少女で、主人公の跡部遼太郎の「婚約者!」ツンツンの赤羽美弥に、明らかに遼太郎を慕っている温和でやっぱり大正風美少女の「義理の妹!」青野和音、美味しいです。この二人だけでも結構キャラ小説としては美味しいです。でも一番のお気に入りはやっぱり表紙の彼女ですね。名前は秘密にしますけど。

お話

今回はのっけから上記の様に、二人の少女が遼太郎の所に押し掛けてくる所からスタートします。そしてどたばたどたばたとした後、ツンツン少女の方があるトラブルに巻き込まれてしまうのですが・・・という話。
「ピーター・ピッター&パッター&ポッター殺人請負商会」という明らかに怪しげで奇妙な連中の暗躍、そしてクリスティーナさえ敬意を払う「影のロンドン」に君臨する女王・・・やっぱり色々テコ入れされてます。

どんな感じ?

やっぱり相変わらずとっちらかっている感じがあって、一体誰に視線をフォーカスすればいいんだー?って感じはあるんですけど、強力な美少女軍団のテコ入れの結果、キャラ小説として良くなっています。赤羽美弥はツンツンですけど可愛らしい所がある少女ですし、青野和音は義理の妹というだけでおなかいっぱい感があります。しかも料理が上手だし。・・・ただ、やっぱりまだまだ掘り下げが足りない(人間くささがもうちょっと欲しい)感じがあるので、もう一歩です、という感じになってしまうのですが。
魔術方面に視点を変えてみますと、「影のロンドン」という謎の勢力が出てくる事によって世界観に厚みが増すのが良いですね。今後も関わってくる事に当然なるでしょうが、どんな関わり方をするのか興味津々です。

結果どう?

星3.5くらいなんですけど、テコ入れの努力と表紙の彼女に免じて4つ。ストーリーはごちゃごちゃしているけど、まあキャラ小説として読む分には結構楽しめます。あと遼太郎君の成長の片鱗などが見えつつあって、遼太郎が今後どうなって行くのかも興味が出てきました。でもクリスティーナのキャラが何となくつかみきれないんですよね・・・。
岸田メル氏のイラストは今回も結構いいですよ? 特にクリスティーナとシヴィルのかき分けもまあ出来てきて、よろしいんじゃないでしょうか。本編内のイラストがムードがあって結構良いと思います。