ハカナさんがきた!

ハカナさんがきた! (HJ文庫)
ハカナさんがきた! (HJ文庫)織田兄第 みづき たけひと

ホビージャパン 2006-12-28
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おすすめ平均 star
star非常につまらない本です
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正直もーちょっとタイトルは練った方が良かったんじゃないかと思わないでもないですが、あら、読んだら意外と「楽しかったわい」という本ですかね。ちょっとカテゴリに悩む本でもあります。結構お色気シーンがあるんですが・・・「ちょいエロ」から外しました。理由は下記をどーぞ。

ところで

お話の方ですが、主人公の羽座間恭一は天涯孤独の少年。親切な知り合いのおっさん(熊型一徹系親父:同時に空手家)と、その家族(可愛い世話焼きの少女と謎めいたその妹付き)に助けられてなんとか暮らしていました。
そして羽座間恭一には「不思議な才能」があったのです。
夜暗い所で得体の知れないふわふわと漂う「奇妙なもの」が見える才能です。これは普通の人には見えないシロモノで、特に害がある訳でも無いのだけど。これは例えが適切かどうか分かりませんが・・・あのアニメにもなった「蟲師」に出てくる蟲のような存在でしょうか。意思も無く、特に行動もしないそれらを彼は見て、そして少しばかり操る事が出来たのでした。
まあこのままならちょっとした能力者どまりなのですが、ある時「ハカナ」と名乗る超ナイスバディの女がいきなり彼の部屋に乗り込んでくる事で生活が一変!平気でおっぱい丸出しで寝たりする彼女が出現する事で、なんか世話好き少女には誤解されるし、熊親父には怒られるしとろくな事にならないのだった。そして徐々に「ハカナさん」の秘密が明らかになってきて・・・という話。

ちょっと

紹介の仕方は固いですけど本編はハカナさんのおかげでゆるゆるです。人間の基本的な常識を知らないために「便所の水を飲む」「すぐ脱いで体を全部放り出して寝る」などなど・・・。無茶苦茶な女です。というか女か?結構な良いキャラですね。かつて無い感じ。ちょっと彼女の「特に」かつて無い感じな部分を引用します。

——ぶぅ。
(うぇっ? 何、今の……)
「おっと済まない。屁が出た。——で、何の話だったかな?」

屁です。屁をするヒロインです。
ナイスバディの挙げ句に屁ですよ。いやー屁は無いね屁は。しかもそれで恥ずかしがらないヒロインは無いね。かつて無いね。屁だしね。匂いフェチ、異臭フェチの私としてはたまらないヒロインですね。本なので匂いが嗅げないのがざんね・・・いえ何でもありません。
しかし、どこまでの行為がラノベ界で許されるのか分かりませんが、ヒロイン的下品方面では限界ギリギリでしょうね。流石に「でかい方のトイレ作業」とか描写するのはあり得んし。つーか描写する事に意味があるのか?・・・あ、特殊な人には意味があるのか・・・でも全然描写の必要性が無いと思う。

しかし

作者のチャレンジは評価したいね。ハカナさんはこの後も「ある属性」を手に入れる事になるのですが、その属性も普通のラノベヒロインではあまり無い属性だしね。(ネタバレ?反転)ちなみに「叔母」ですけど。フランス書院の本だったら分かるけどねえ・・・。でもコレでもエロと言いがたいはじけっぷり。いやどう評価したものやら。

・・・まあ個人的なカミングアウトはこの位にしても、全体的な話のまとまりは中々良いのではないでしょうか。ハカナさんもそうですが、クラスメイトかつ大家(熊親父)の娘の美樹本由宇のキャラも「世話焼き少女」という感じで中々ですし、その妹・美樹本奈々は完全な古印体(フォント)を操って文字を書けるフォントマニアです。中々のキャラ立ちと言えるでしょう。

総合

星3つ。
後半にかけて色々な陰謀っぽいものとかも見えてきて物語は加速するのですが、その流れも結構スムーズで無理が無い感じですかね。十分及第点があげられる出来じゃないでしょうか。次が出たら買ってみようかなという気持ちになれました。屁ですから。
イラストは、まあまあ?特に良いという事もないですが、ハカナさんが色っぽく書けているのでまあいいんじゃないですか?問題のない出来ですね。