バカとテストと召喚獣
バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫) | |
葉賀 ユイ エンターブレイン 2007-01-29 売り上げランキング : 41360 おすすめ平均 タイトルから・・・ 想像以上の面白さ 意外に面白かった Amazonで詳しく見る by G-Tools |
もの凄く説明に困る作品のような気もしますが、個人的に大ヒットでした。久しぶりに馬鹿ウケしましたねこの本。
ストーリー
とにかく進級テストでA〜Fまでのクラス分けが行われる学園に通う馬鹿どものお話。Aクラスなら最高の設備で勉強をすることが出来るのだけど、Fクラスは畳に座布団(綿なし)とちゃぶ台で勉強するはめになるというとんでもない学校で、見事成績で最悪だったFクラスの連中が一発逆転を狙う。それはクラス同士の「召喚獣による対抗戦」による下克上システムを利用する事だった! という・・・まっことアホな設定です。
とにかくキャラの馬鹿が際立つ本
ちょっとあまりの事に一人一人キャラ紹介をしてみたい。
吉井明久
キング・オブ・バカと言っていいはずのバカ。どうやったのか主人公の座に。ありとあらゆる馬鹿を展開する。そのツッコミ能力と物事を曲解する捩じれた能力から、実は知能指数は高い可能性も無きにしも有らずなのだが。
テストで自信満々に「十問に一問は、解ける!」という現実を前に勝った気になれる能力は特筆すべきだと思う。
姫路瑞希
表紙にもなっているピンク髪の少女。実は非常に優秀で本来ならAクラスなのだが、テストを発熱で早退したためにFクラス落ちという事になって今回変な争いに巻き込まれてしまう。実は好きな相手がいるのだが・・・。
引っ込み思案ではあるが、召喚獣の強さは「テストの点数」で決まるため、今回の下克上システムではジョーカーのような位置づけで活躍する事に。A→Fクラスへの脱落に気落ちした感じもなく、結構楽しんでいる感じも。
坂本雄二
吉井明久の悪友と言っても良いだろうが、策士。吉井の尻馬に乗っかって今回の下克上を企む。吉井明久と違ったタイプの馬鹿なのだが、変な所だけ知恵が回る。しかし馬鹿なところはきっちりと馬鹿。
島田美波
ポニーテール+貧乳という女性が人生の一時期しかそろえる事が出来ないセットを標準装備する女生徒。やはり彼女も恋をする相手がいるようだが、相手には気がつかれないどころかどちらかというと好意を悪意で返されている。で、返された悪意を暴力でさらに返すという娘。この娘もルックスは良いが所詮はFクラスなので馬鹿なはずである。それとも訳あって「わざと」Fクラスに所属出来る様にしているか・・・だ。
木下秀吉
イラストによると非常にキュートで可憐な美少女。個人的に良い所にきた「ど真ん中ストレート」なのだけど、実は秘密持ち。Fクラスなのでやはり馬鹿なのだろう。口調が時代劇ががっている。特定の読者にとっては最萌えキャラかもしれない。
土屋康太
もう一人の筆頭馬鹿。しかし保健体育にだけは最強の学力を発揮する少年。「ムッツリーニ」の尊称で呼ばれる台詞の無い少年。ひょっとしたら馬鹿かつ究極の変態かもしれない。
テストの点数で攻撃力が決まる召喚獣
とにかくテストの点が良ければ良いほど召喚獣の戦闘力は上がるのだけれども、何しろテストの成績が悪くてFクラスに来た連中が「召喚獣による対抗戦」に勝てる訳が無いと思いそうだが、坂本雄二の悪知恵と、一騎当千の姫路瑞希を中心にやり合って行く訳ですが、しかしその過程がどこまで行ってもアホらしい。
実は優秀なんじゃないかFクラス
能力/努力の向ける方向が常人と異なるというだけの優秀な人材が揃っているような、いないような・・・。実は天才なんじゃないか、いやそうでもないような・・・。やっぱりただの馬鹿なのか、そうでないのか。いやただの馬鹿かな・・・という人物だらけですね。
お笑いライトノベル
ストーリーに緊張感などというものはかけらも無いのですが、それでも笑って笑ってそのうちに読了してしまいました。実はイラストの替わりのように章毎の合間に「バカテスト」というFクラスの皆さんが受けたテストの内容と各生徒の解答(模範解答は大抵姫路瑞希の手によるもの)と比較して馬鹿の解答が書かれるのですが、正直笑いが止まりません。想像の斜め上を行く珍解答連発で、思わず笑ってしまいました。
テストの合間に恋も咲く
いや、合間合間に挟まれる少女達の変な恋模様がまた絶妙でして、たまりませんね。コテコテと言えばコテコテなんですが、だがそれがいい。久しぶりに読みながらゴロゴロしましたね。