初恋マジカルブリッツ(1)はじめていいます、大好きです

初恋マジカルブリッツ はじめていいます、大好きです (集英社スーパーダッシュ文庫)
初恋マジカルブリッツ はじめていいます、大好きです (集英社スーパーダッシュ文庫)あすか正太 天広 直人

集英社 2005-06-24
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おすすめ平均 star
star一度読んで大好きなりました
star確かにライトではある
star何気なく手に取ったけど

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やっぱ書かにゃならんかな〜という事で再読してまとめてみたり・・・。でもあれだ、正直良くこんな作品を作者は書けるよな・・・ある意味、恥ずかしすぎる。

ストーリー

主人公の藤井鼓太郎(ふじいこたろう)は、恋をしたのだった。
相手は同級生の白鳥祈梨(しらとりいのり)。もうその全てが好きなんじゃないかと思えるくらいに彼女の全てが好きと言えるような感じだった。しかし告白する勇気もないまま悶々と過ごしていた。妹の琴子にも馬鹿にされたりしながら・・・。しかし、鼓太郎は勇気を振り絞って告白した! そして・・・。
しかし、事が上手く進んでいる裏側では全然別の話が進んでおり、鼓太郎の中に残されているという「リリスの神臓」というものを求めて、「平面世界」の魔物達が、鼓太郎の命を奪いに現れる。「リリスの神臓」は鼓太郎が恋をした事をきっかけに目覚めたと、彼を襲って殺そうとした一人の美しき少女が鼓太郎に告げる。そしてこのまま放置したら鼓太郎は死ぬとも・・・。
ただ、一つだけ鼓太郎が助かる方法があるとも言うのだ・・・それは・・・というお話。

正直ね

魔物とか「リリスの神臓」とか「平面世界」とかって設定はもうどうでも良くて、つーか無くても良いくらいで(無い方が良いという説もある)。
この話の素晴らしい(特筆すべき)所はもちろんラノベ界において非常に珍しい「愛と優しさに満ちたセックス」をしっかりと描写している事にある。
まあ正直想像に過ぎないけど、この主役級の二人のセックス行為を書くために「事を急がせる他の色々な設定」が存在するのだと思う。つまり他の全てはオマケであって、この作品は結局「鼓太郎と祈梨の愛の行為とそこに至るまでの思いやりの精神を優しく丁寧に描くためのもの」なんじゃないかと思っています。
えーと、40ページ位あるのかな? しかも単純なエロさに走る訳でもなく、優しさといたわりに満ちた丁寧さで、二人が心と体を交わして行く姿が描かれます。これは正直赤面モンですね。

まあ

そこに至るまでの心情描写が現実のものとしてリアリティがどの程度あるのか!? と言われれば「ここまで優しい男も、ここまで優しい娘もいねー!」とか思うけど(特に祈梨はメチャいい娘)、ま、いっかなー、とか思いますけどね。ラノベだから、そのへんは夢を持たせてあげようよ、青少年にね? って感じでしょうかね。
いずれにしても、愛があるのは素晴らしいですね。
つまらない作品を盛り上げようとしての残虐行為とか、作者からの悪意すら感じる鬱展開とか、後味の悪さだけを追求したのかという急転直下な悪意とか、一体何を若い読者に伝えたいんだ下劣な奴め!そんなもんはチラシの裏に書いていやがれ!もう沢山だ!
・・・って感じがする程度の低いラノベ作品もありますしね(ちょっと興奮しちゃったよ)・・・だからどういったものであれ、愛のある作品を読むと正直ホッとするのも確か。
「悪意をぶちまけるより、優しさを広める方がずっと難しいんだ」
と信じている "まだまだ若いつもりでいる" オッサン読者にはこういう本は嬉しいですね。

とにかく

ラノベで真っ正面から普通っぽい恋とセックスを描ききったその姿勢は評価しますね。
でもまあ、話が全体で面白いかと言われたらちょっとこれは正直キッツイな〜。さすがにちょっと、その、色々無理だろって感じで。まあアレですね、エロ描写を読むために買っても良いかも知れませんよ。そんなに変に興奮するような作品でもないし、嫌な気持ちになるような描写も無いんで、ほのエロ作品としてはおすすめ。
ま、星3つ。十代で読んだらまた違ったかもしれないけど、30過ぎたオッサンにはちょっとこれ以上の星は上げられないやね・・・。