リリアとトレイズ(1)(2)そして二人は旅行に行った
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「アリソン」の正式な続編として存在しているこのシリーズですが、正直もう一つインパクトに欠ける所があるんですよね。色々と作者は読者を楽しませよう!としているっぽいんですが、まあその辺の理由はおいおい。
まあ5巻が出たこの機会に感想を纏めてみたりとか・・・。
ストーリー
リリアはアリソンとヴィルの娘・・・なんてことはこのシリーズを読み始めるつもりの読者にとって周知の事実だろうと思うのでどうでもいいのだけど、そのリリアとトレイズ(トレイズはベネディクトとフィオナの息子)が二人で夏に旅行に行く事になるのだった。
最初はまあ色々と反発して大騒ぎしたリリアだけれども、結局二人で出かける訳ですが・・・旅先で待ち構えたトラブル(遊覧飛行中にパイロットが撃ち殺されてしまう)が二人の旅行をまともなモノにしないのだった。
アリソンとの決定的な違いって
アリソンが戦中の話なら、リリアとトレイズの話って完全なる「戦後処理」の話なんですよね。歴史ミステリーっぽい(というかそのものズバリのような気もするけど)話の作りなんですね。しかも現在進行形というよりはもう「とっくの昔に終わっていたもの」との対決というかなんと言うか。
で、まあ引っ掻き回すのがリリアで、フォローしてまわるのがトレイズだと。まあそういう話。
んで
良くも悪くも緊張感という意味では「アリソン」シリーズに劣ってしまう所があって、それはもちろんストーリー中で元気に飛び回っているアリソンの存在だったり、ヴィル(トラヴァス)の存在という強大な「後ろ盾」が存在しているからなんですね。彼らがいるおかげで「最悪の展開にはならんだろう」というボヤ〜ッとした安心感と、相変わらず健在のそのパワーでもって、メインの二人の存在がどうしても霞むんですね。
リリアは確かに個人で見たらかなりのモンなんですけど、一人でかっとんでいた(いる)アリソンに比べてちょっと主役として弱いし、トレイズもヴィルと比べると今イチ行動力と実行力がぱっとしないんですね。
まあそういった背後関係のおかげで面白く感じる所も無くは無いんですが・・・どーでしょね?
まあ
好きか嫌いかと言われれば「好き」なんですけど、ちょっと母ちゃんのシリーズの方がちょい楽しかったいね。
星は・・・うーん、もう少しで4つに届かない3つかな。まあ「アリソン」の長いエンドロールを見ているような気がしないでもないという・・・ちょっと悪く言い過ぎかな。まあ、続刊に期待という(もう読んじゃってるけどね)感じですかね。
それから一言でいうと「ラヴが足りない!」ですね。このシリーズは!
黒星紅白氏のイラストは相変わらず好きですね。なんか版画っぽい白黒の本編イラストではなくて、デフォルメした口絵のイラストとか背表紙の奴が好み。