アスラクライン
- 作者: 三雲岳斗,和狸ナオ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/07
- メディア: 文庫
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ストーリー
夏目智春(なつめともはる)は普通の15歳の少年——ただ一点の奇妙な部分を除けば。
——「幽霊憑き」
飛行機事故で失った幼なじみの女の子・操緒(みさお)がいつも彼について回っているという部分が彼を奇妙な存在にしていました。しかし、奇妙な点があるものの、それ以外の部分では普通の少年でしたが、高校生になって一人暮らしを始めるにあたって一人暮らしをする事になったのですが、そこに一人の女性が「大きなトランク」を持って訪れた事が彼の奇妙な体験の始まりとなりました。
「世界は一度終わっている」
という奇妙な言葉が背後に流れる世界で展開する学園異能アクションストーリー。
変な主役だね
幼なじみを飛行機事故で無くしているのにほとんど実体のような姿でつきまとわれている関係で「失った」という認識に乏しいのか、あるいは時間が過ぎたために悲しみを受け入れる用意ができているのか、悲しんでいるという感じの描写は無く、良く話しかけてくる操緒に相づちをうってしまって、変な目で見られるとかそんな感じでしょうか(操緒は他の人には基本的に見えない)。
かなり特殊な兄を持ったおかげで変な扱いをされたり、比較されたりする事が珍しく無かったせいか、おっとりしていてかつおおらかな所があります。ほんわか主人公系ですね。
操緒はもっと変
幽霊ですが、成長します。眠りもすれば、着替えもします。流石に風呂とかまでは入りませんが。
自分が死んでいるという自覚は殆どないらしく、なんとなく普通に智春に憑いていて、普通に話をしていて、普通に一緒に暮らしています。なんというか奇妙な同居人とでも言いましょうか。智春もそれをすっかり受け入れてしまって、その存在にあまり違和感を感じていません。明るく、元気(?)な幽霊です。ちょっとお姉さんぶる所がありますが・・・いい子ですね。
怖がらないで。あたしが智春をまもってあげるよ……
そんな感じの子ですね。
ストーリーもかなり変
- 黒魔術ならぬ黒科学を研究しているお姉さんがいる
- この世界は一回終わっていて、現在絶賛やり直し中らしい。
- 自称・悪魔がいる
- 自称・悪魔を倒そうとする神を信奉する一団がいたりする
- その悪魔と戦うためのもの機巧魔神なんてものもあるらしい
コメディなのか、シリアスなのか? その間を行ったり来たりしていて、さっぱり分かりません。
総じて
星3つ。
この1巻はキャラの顔見せとストーリーの骨子の説明と行った所にページが割かれていて、一応ラスト付近ではそれなりに話が進むものの、明らかにまだまだ先があるねって話です。読んだ事が無い人は取りあえずこの1巻だけ買って、読めるか、雰囲気はどうかといった所をチェックしてみると良いかも知れません。
個人的には安定した語り口でキャラクターの書き分けも良く、変な所がある世界観ではありますがそれ程複雑に感じる事無く上手く纏めたかなと感じました。
イラストは結構好きですね。マンガチックな表現が多用されている様には思いますが、あっちこっちの情景を動きのある絵で表現してくれているのは結構好みですね。