神様のおきにいり4 ねこまたの巻

神様のおきにいり〈4〉ねこまたの巻 (MF文庫J)

神様のおきにいり〈4〉ねこまたの巻 (MF文庫J)

相変わらず安心できるストーリーだなあ・・・。

ストーリー

主人公の稲村智宏と彼の家に住む(取り憑いた?)家神・珠枝の間に起こるなんかぽややんとした、でも実は結構シリアスなやり取りのお話。
今回はある理由で珠枝を狙っているモノが出てきて、珠枝はそれから隠れるために自分の霊力を猫のマロニャーに分けて隠してしまうのですが、それが別のトラブルを呼んだりして・・・という感じの和風妖怪ファンタジー

ねこまたですけど

あんまり猫又の活躍する機会は多く無かったりします。というか、誰が活躍する話なのか正直良く分かりません。もちろん主人公は智宏と珠枝の二人なのですが、その他の妖怪達にも色々見せ場がありまして、飽きさせません。個人的に「コヒロ(鴉の神様)」はとてもお気に入りのキャラですが、それ以外にもふもふの「石の怪(おむすびのよーに見える)」「縛鎖の小人(ふーふー? ほーほー?)」「好香(お色気桜の精)」「マヤ(ヤマイヌでもふもふ)」などなど。
そうそう・・・このアットホームだけど相容れず、同居人のように見えて実は全然違う妖怪変化達の匂い・・・トトロだ!
トトロの正体不明さ、猫バスのコミカルだけど奇怪な感じ、まっくろくろすけの良く分からない感じ・・・あれに近いですね。傍にいそうだけどいなかったり、いても仲良くするには色々大変だったり・・・でも愛すべき同居人であったり。

大体ねー

珠枝の霊力がどうこうだとかが話の本筋なのに、何故か途中で妖怪達が集まって「流しそうめん」を初めてしまったりする感じやら、コンビニに行けば子たぬき妖怪が、

「買えポン、買えポコ、バターめんたい買えポンポコ〜」

とかやってる訳です。で、人間は何となく買いたくなって、つい「バターめんたい味ポテチ」を買わされてしまうのだとか。で、子たぬきの妖怪はその「バターめんたい」を取っちゃうのか?と言われたら実はそうでもなくて、買わせた人のウチまでついていってちょっとだけつまませてもらうのだとか。
・・・ぬおっ!コンビニで余計なものを買ってしまうのは奴らの仕業かっ!道理でさっき開けたポテチがもうないはずだあ!(ただの食い過ぎです)。なーんて挿話があったりして、どうもほのぼの雰囲気ですね〜。やわらか〜。小学生でも安心して読ませられそうな内容ですな〜。

今回は

オオヒロ」と「ねこまた」の話ですね。
オオヒロはオオヒロなりに、珠枝は珠枝なりに、ねこまたはねこまたなりに人間達との付き合いを色々考えていたりして、そしてそれにあわせて智宏が色々考えさせられたりして、でもシリアスでもなく、かといって人間に都合の良い結論と言う訳でなく、融和/相互理解/尊重とか、そういったキーワードで話が出来上がっています。いいですね〜。星4つにしちゃおうかな?ラストのオチも実に良かった!神様を祭る方法って色々あるもんですね〜。
真田茸人氏のイラストも落ち着いた雰囲気が実に作品に良く合ってます。好きですね。

ところで

コヒロ、オオヒロにとっての「尾羽の付け根」とか「尾羽そのもの」って、人間だったら・・・なんなんでしょうね!?気になって仕方がありません!誰か!教えて!