疾走する思春期のパラベラム
- 作者: 深見真,うなじ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 文庫
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元ネタがどこにもないなら、それなりにオリジナリティーのある設定だなあ・・・。あとタイトルが個性的でいいね。
ストーリー
主人公の佐々木一兎(ささきいっと)は不運な少年。努力は報われる事なく、何もかもがその不運からこぼれ落ちてしまうような人生を送ってきていた。それが<パラベラム>と呼ばれる特殊能力を持つ人々と関わっていく事で動きだすストーリー。
パラベラムは精神を武器に変えて実体化し、それを使用して戦闘を行う事が出来る能力者を指す言葉。一兎は高校でそのパラベラム能力を持つ一団(映画部としての仮の姿を持っている)と出会い、自分自身もパラベラムとなって行くのだが・・・。
全体的には
タイトルに有る通り思春期のシリアスストーリーなんですけど、ヒロインの長谷川志甫(はせがわしほ)の存在がこの話からある程度の暗さというか陰鬱さを取り除く事に成功していて、なんとなく鬱っぽい感じから抜け出た感じの作風に仕上げる事に成功しているような気がする。
長谷川志甫は某掲示板で使用される言葉を日常的に口にする変な少女で、可愛いけどちょっとどうかなあという感じの少女ですね。
「ゲキ厚チャーシュー、キタコレ」
「ムリぽ」
当然のように休日は一日ネットに浸かっているような生活をしていて、荒らしたり荒らされたり、スレをたてたりレスしたり、釣ったり釣られたりしているそうな。うわあああ、ある意味青春って感じだ。
それに他のキャラも良い
もう一人のヒロイン(?)の伊集院睦美の存在も結構大きい。美人でスタイル抜群だけどダメ映画オタク。何しろ好きな映画に「パールハーバー」「スーパーマリオ」「ストリートファイター」なんて作品が出てくる辺りもうかなりのモノです。多分そのうち「死霊の盆踊り」「北京原人 Who are you?」辺りが出てきても全く不思議がないですね。
他の二人、男子だけど二階堂勇樹(にかいどうゆうき)、工藤尾褄(くどうおずま)の二人の雰囲気も悪く無い。信頼関係があるというか、ひねているようで根っこの部分が優しく出来ているキャラクターと言うか。