とある魔術の禁書目録(13)

とある魔術の禁書目録(インデックス) (13) (電撃文庫 (1411))
とある魔術の禁書目録(インデックス) (13) (電撃文庫 (1411))鎌池 和馬

メディアワークス 2007-04
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おすすめ平均 star
star容赦無しの攻め
starシリーズ中での最高傑作
starついていけない

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ストーリー

12巻から続く展開の13巻。今まで登場して来たキャラクターが殆ど再登場することになった12巻とはうってかわって、本編が満遍なくシリアスなストーリー展開(まあ12巻のあのヒキでシリアスな展開にならねばビックリですが)。
上条当麻打ち止め一方通行インデックスという12巻とパートナーを変えた展開で学園都市に襲いかかって来た敵の戦いに飛び込んで行く13巻。とにかくシリアス。

前巻で出て来た

もの凄〜く悪い感じ(実際に凄く悪い)木原数多(きはらあまた)の悪役っぷりが実に良い感じですね。こう言っては何ですが時代劇の悪代官なみの見事さです。
なんというんでしょうか、禁書目録では完全に心の腐りきった悪党というのはそんなに出てこないという事実があったりするんですが、木原くんは珍しく性根まで腐りきった悪党ですのでぶちのめすにも安心です。・・・そうそう、「北斗の拳に出てくるモヒカンの悪党」って感じなんで、安心のクオリティですね。

一方通行が見事です

今まで私は一方通行に対してあんまり良い評価をしていなかったんですが、いやいや、13巻はばっちり良かったですね。
まあ一般的には黒い方向と思える方に向かって一皮むけるんですけど・・・そうねぇ、「属性」は「悪」なんだけど、この悪は「自分にとっての大切なものを傷つけようとする敵には一切の容赦をしないという意味の悪」として開花するんですね。ですので、やらかす事は全力でえげつなかったりするんですけど彼(?)の行動には妙に不快感がありません。
色々な変化が一方通行に訪れる13巻、一夫通行が主人公の話と言って良いんじゃないでしょうか。

悪にしても胸を張れ。闇の世界を突き進んだとして、それでも光を救ってみせろ。進むべき道が周りと違うからといって、それを恥じるな。闇の奥にいる事を誇りに思えるような、それほどの黒になれ。

痺れましたね。光を求めようとする一点の曇りのない意思の前に、今いる場所が善だろうが悪だろうが一切関係がない、という強い心を見せつけてくれます。いやあ、良かった・・・。

当麻はちょっと味付け?

当麻は当麻で今回も血だるま主人公なんですけど、一方通行が全開で頑張っている感じなので、ちょっと舞台で目立たなくなっちゃったって感じかな? でももちろん見せ場はしっかりあるんでその辺は安心ですね。彼の敵は前方のヴェントです。
敵は相変わらずの禁書クオリティって感じだけど、それにも増して風斬氷華も地味(派手?)に頑張るし、インデックスも頑張るし、御坂美琴も頑張るしと(罰ゲームはちょっと残念な事になったけどね?)、当麻一味(?)の活躍はちゃんとあります。

「何で、とか言ってんじゃねえよ。友達だからにきまってんだろ」

まったくもってシンプル。しかしシンプルなままで強く持つ事の出来る思いというのは単純な分だけ強い。これが当麻の強さの秘密でしょうね。ま、ただ単に単純馬鹿なんだと思いますけど・・・。

所で

・・・実は一番凄かったのが、カエル顔の医者だったりして・・・顔さえ良ければ某魔界都市の医者みたいになれるぞ!

総合

良かったですよ。星4つ。
まあ後半がコレだけのシリアス展開になるのであれば、前巻のお気楽展開もなんとなく納得ができますね。
二人の主人公(当麻と一方通行)という話でしたが、やっぱり描写が二つに分散した関係で当麻サイドがちょっと微妙でしたんで星一つ減っている感じですが、一方通行の魅力で星4つです。少年誌的展開が楽しいですね。
禁書目録シリーズの底の方で蠢いていた暗闇が一気に吹き出す事になりそうな今後。どうなって行くのか目が離せなくなってきました。

感想リンク

灰色未成年  booklines.net  今日もだらだら、読書日記。  ウパ日記  ラノベ365日
ウパさんが書いていることにほぼ納得できる所がこのシリーズの最大の弱点ですかね。