タロットの御主人様

タロットの御主人様。 (電撃文庫 な 11-8)
タロットの御主人様。 (電撃文庫 な 11-8)七飯 宏隆

メディアワークス 2007-04
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おすすめ平均 star
starプロローグだけで十分
starなんとなくこの作者の癖がわかってきた。
starベタな展開

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「座敷童にできるコト」を書いていた作者の新シリーズですね。

ストーリー

主人公の四阿秋人(あずまやあきと)は古くから続く占現師(せんげんし:まあ占い師か)の跡取り息子。人とちょっと違った才能を持つには持っているけれど、本人はそれなりに努力はしているのだが占い師としては冗談みたいに占いが当たらないというダメ占い師。その事を幼なじみの少女の古城結夏(ふるきゆいか)にまで言われちゃったりする。・・・まあしかし、顔だけはそこそこ良いらしいという、なんとも微妙な少年。
そんな彼に一つの転機が訪れる。彼の所に突然アメジスティアと名乗る一人の高飛車幼女(?)が依頼をもってやって来たのです。あるタロットカードにかけられた封印を解いて、「失われた楽園の在処」を占現して欲しいとの事だったが・・・これがとんでもないトラブルの元となるのだった!

設定とかね

意外にシンプルだけどオリジナリティーに溢れていて面白いですね。
簡単に言うと呪いのタロットカードに魅入られた四阿くんのドタバタ激闘って感じなんですけど、タロットカードは人に取り憑いて封印した人物を襲ってくるんですね(全部で22枚で22人)。・・・封印をしたのは四阿くんのおばあさん(優秀な人)なんだけどあちらさんはおかまい無しで跡取りの四阿くんを襲ってくると。今回出てくるのはそのうち二人ですね。

いやあ、アレだ

作者もあとがきで「アレ」を連発してますが、なんですかその「封印にチューが必要」って・・・さらに加えて「能力発動にやっぱりチュー」って・・・タロットに乗り移られた相手が相手なんでいいですけど、毛むくじゃらの大男とかだったら阿鼻叫喚の地獄絵図が出現しますよ?
ま、作者もそんなグロホラー作品を書きたくは無いと思うんで、必然的に何となく22人のタロットに乗り移られた人がみんな女の人になりそうな気もしますが、そうじゃなければ作者を今のうちに多分殺した方が良いと思う。
・・・でも多分何人かはか弱い美少年とか出てくる可能性はあるな・・・恐ろしいのか弾幕が濃いのか分かりませんが。

キャラクターですけどね

順番に紹介しましょうか。

四阿秋人(あずまやあきと)

上にある通り由緒正しい占現師の跡取り。但し実力不足。人の運命の繋がりを現す道が見える「忌神の目」と呼ばれる力が左目にだけ現れている。・・・しかし、やっぱり実力はなく、四阿家の分家筋とかにも能無し呼ばわりされてたりするちょっと可哀想なポジションだったり。本人はその事を気にはしているようだけど、緊迫感に欠けるタイプ。朴念仁系。

古城結夏(ふるきゆいか)

四阿くんを気にかけている強気でクールな少女で明らかなるツンデレ。貧乳を気にしているらしい。弱気な四阿くんに比べて遥かに好戦的で過激。しかし乙女は乙女、色々があって今に至り、心の中も色々複雑らしい。

「ちょ、ちょっと待て!? さすがにわけがわからんぞ。な、何でおまえはいつもいつも、俺ばっかり目の敵に——」
「……決まってるだろ」
結夏の目が「ぐわっ」と燃え上がった。
「そーゆーことを平気で訊くから、だっ」

四阿くんよ、気づいてくれ、頼むから。

八久住香澄(やくすみかすみ)

前髪を下ろしているので目立たないけど美少女らしく、以前四阿くんに助けられて以来、一心に彼を思う内気で大人しい少女。・・・しかし意外に思い切る時には思い切る性格のようで、結構過激と思われる行動をとるような気がする。

「私、こう見えてもお料理得意なんです。あ、明日のお昼を私に作らせてください。お願いします!」

これはもう完全なる愛の告白ではないかと思うのだがいかがだろうか? 四阿くんよ、やっぱり気づいてくれ、頼むから。

アメジスティア

金髪幼女お嬢様。性格の全貌は未だ謎のままの部分が多いものの、もう何となく分からんでも無い感じだ。問題のタロットカードを持ち込んだ張本人。

ジブリール

四阿くんのばあちゃんが作った式神。良くできたフィギュアのような姿をしているため何も知らない周囲に誤解を与えたりする。知識という点においては四阿くんを上回る所も会ったりするが、ちょい外道。

「だから躾は大事だと言ったです。タロットを狩るなら『持ち札』は必要ですよ? あんな小生意気なカード、あんなこととかこんなこととか、とても口にはできないような恥ずかしー罰を与えて、調教してやるです」

ちなみに団子マニア。愛称はなぜかジブリでは色々と問題があるのでいけないらしい。

まー、なんですか

星3つですな〜。
設定はオリジナリティーという意味で十分に及第点が挙げられますね。よく頑張ったって感じです。
が・・・前のシリーズから実は思ってたんだけどこの作者、キャラ描写がなんとも淡白という感じがして、「こっ、このキャラはイイ! あ″〜イイよ〜!」みたいな所がちょっと弱いですね。
台詞一言で、あるいは情景描写一行で、読者の脳内妄想が発生してしまうような「キラー描写」が無いんですな・・・。なんか個人的にはちょっと薄味気味と感じてしまった。じゃあつまらねえの? と聞かれたら「うーん、まあまあ?」という何とも微妙な評価になってしまいそうです。

ただし!

ラストの展開がアレだし、設定的にもアレなんで、この際作者には全力で色々大事なものを吹っ切ってもらって四阿くんを中心とした「完全なるナニ」を目指して欲しいもんですな(よーしさっぱり分からないぞ)。
もちろん最終的にヒロイン全員と本番アリで。いーじゃんもう、そういう感じで。ねえ? たまにはそんな無茶な話も読みたいッスよ。どうすか、電撃さん。ヒロインの一人や二人や三人くらい同時に妊娠させる位の勢いの話っつーのも。そうしたら確実にこの作品を神認定するんだけどなあァアアァ?(悪役っぽく締める)。

感想リンク

まいじゃー推進委員会!  灰色未成年  booklines.net  今日もだらだら、読書日記。  ウパ日記  ライトノベル名言図書館  ラノベ365日  影法師
まいじゃーの極楽トンボさんも

こうなったら行き着くところまで行っちゃってください。

とか言ってますから! 私と同じ意味・・・という事は流石にないか。