インフィニティ・ホワイト
神曲奏界ポリフォニカ インフィニティ・ホワイト (GA文庫) | |
高殿 円 ソフトバンククリエイティブ 2006-11-14 売り上げランキング : 34559 おすすめ平均 つながった。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「だいたいよ〜、高殿円つっーと『銃姫』のエグいイメージが強くってよぅ、どうせ、どうせさ、えげつない展開になるンじゃないかって思っちまうンだよセンセー。信じきれねえンだよ俺、間違ってっかなァ?」
「確かにヤツは危ない所があるのは確かだよ・・・でもな、先生はな、信じてみるのが良いんじゃないかって思うんだよ。信じないより、信じて裏切られる方が、よっぽど良いじゃないか?」
・・・一人芝居第二弾はなんか小池一夫的「不良と先生」のイメージ映像でお送りしておりますが、なんか空しいような気もして来た。
ストーリー
「精霊島」という大空に浮かぶ浮遊島の学院になんとか敬愛するプリムローズお嬢様について通う事に成功したただのメイド(のはず)のスノウドロップ(スノウ)は、なんとか必死こいて学院での神曲の勉強に励んでいた。いきなりおしかけ旦那(?)のように契約する事になったコントラバスに宿る梅干し精霊・ブランカとも相変わらずだったりする。
そこへ一石を投じる存在が現れます。作曲家であり優れた演奏家としても知られ始めていたミナギという若者のコンサートに行く事になったスノウでしたが、スノウはそのコンサートで彼の作曲したはずの未発表曲を何故か元々知っていたのです。ミナギはその後、精霊島の学院に入学する事になり、スノウの過去にまつわる秘密が暴かれていきそうになるのだけども・・・という第二弾。
全体のストーリーは緊張していますが
相変わらずキャラクターが絶賛はじけています。
スノウドロップ
「なんといわれようと、絶賛阻止!!」
スノウの仕えるグラナード家のお嬢様こと、今は親友のような間柄でもあるプリムローズ=グラナードが萌葱色の目を細めてニッコリほほえむ。
(ああ、一日一回、目の保養……)
とにかく、日本刀らしき「ささめ」という刀を振り回しつつコレなので、基本的に危ない人ですね。ああ、こういうの見てて飽きないなあ・・・。
プリムローズ
個人的にこの話で株価が絶賛高騰中なのが彼女ですね。
「ああっ、スノウ。あれも美味しそうです。桃の饅頭。うっとり」
はいここテストに出ま〜す。桃の饅頭は大事な所なんで押さえておいて下さいね。
プリムローズは、きれいに手入れされた爪のついた手で、スノウの頬を触りながら、
「ああ、かわいいです。たまりませんわ、スノウ。はあはあ」
なぜか、息が怪しい。
危ないオジョウサマ。
なんだろう。
最近、プリムローズお嬢様が、ときどき、黒い。
わたしゃ、こういう黒くて変なキャラが大好きでして。いいですよ〜、本性を現しだした黒い人程楽しい存在はありませんね。外見とのギャップも素晴らしい。ああ、黒い、うっとり・・・。
ブランカ
馬鹿に磨きがかかってきていますね。本当に馬鹿ですな。
「お、俺がお前と離れるなんて、ありえないんだからな。なんといっても、俺はおまえの契約精霊なんだ。ほっとくなんて、いけないんだぞ!」
なぜか泣きそうな顔で、ブランカはじりじりとスノウににじりよってくる。
「最近は、おまえもうまくなったせいて、めっきり俺を愛撫する指先が優しいものになっていたからな。それはそれで心地よいが、時折昔のように、お前の思うまま乱暴に激しく責め立てられることが懐かしい……。たまには、おまえの寝相のように、荒々しく触れられたいものだ」
もうなんですかね、この際外見が男でもいいような気持になってきてしまいましたよ?・・・実はこれ、高殿円氏の現在のホンネだったりして・・・とか思うと微妙にドキドキするのは秘密です。
ミノティアス
いや、端役キャラのはずなんですが、あっちこっちで名前が登場するキャラですね。実に可愛いぜ!?
「いいではないか。ダンスこそ、牛のロマンなのだ!」
勝手に、全世界の牛を代表して、ミノティアスが熱く叫ぶ。
牛を可愛いと思ったのは初めてだ!
今回は
実は色々と暴走してますが(いや私のこの感想が)、1巻にも出てきたスノウの同級生の少年・ジョッシュにまつわる大事なお話がありますね。これがまた良いんですよ。実録・ストーキング被害って感じで。
まあぶっちゃけ犯人は1巻でも木の陰とかから見ていたあの紫色の精霊ですけどね。まあこの辺の話が面白かったり。
結果
スノウの過去に絡んだ話と、陰謀らしきものが見えてくるので、話全体は緊張感を増していき、増しまくった所で絶賛続く!という「読者を殺す気だろう?そうなのだろう?おい、どうなんだい?そうなのかい?どうなんだね君」ということをやらかしてくれる訳ですが、ふふ、私は3巻も抜かり無く同時購入していたので、そんな焦らし技には乗らないぜ? とか勝手に思ってみたりして。
星4つです。もうちょっとで個人的に5つ星に届きそうになりましたけど、絶賛以下続刊なので4つ。
きなこひろ氏のイラストは相変わらず優しいタッチでいいですな。少女漫画的なのは個性ですが、やっぱりアングルとか、動きがある絵が良いです。一番のお気に入りは口絵カラー一枚目のスノウ&プリムローズ&オマケのブランカ(犬)ですかね。