クリスマス上等。

クリスマス上等。 (MF文庫J)
クリスマス上等。 (MF文庫J)三浦 勇雄

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ストーリー

クリスマスイブを一人寂しく過ごす高校生・五十嵐鉄平の元に、突然押し入れから変な女が現れた! 異世界からやって来たという槍ヶ岳と名乗ったその女は異世界のクリスマス特別番組『救え! 孤独な少女たち』の撮影にやってきたのだという。
勢いに負けてその企画に協力する事になってしまった鉄平は、ある一人の少女を救うように指示されてしまうのですが、それがとんでもないクリスマスイブの開始となるのでした。
「〜上等。」で現在も続いているシリーズの1巻です。

ああ、なるほどね〜

つまり作者はあれです。ライトノベルの世界で、高校生を主役にした「ダイ・ハード」をやりたかったんだなと、そう思いましたね。まあ異世界に関しては色々設定があったりするんですけど、結局のところ最初にはソレがあって、「じゃあどうやってただの高校生に『ダイ・ハード』と同じような状況に放り込んでも大丈夫と言う事に出来るかな?」という感じで話を作っていったんではないかなと思います。
という訳で何となくですけど、世界設定についてはかなり強引な感じがしないでもないんですが、まあ、いいか? という気もします。ちょっと槍ヶ岳さん達のやり口はかなり納得しかねる部分がありますけどね。

キャラクター達は

主人公の五十嵐鉄平くんは結構良く書けていまして、なんとも熱血な感じですね。明らかに単細胞な感じがしないでもないですが、ぼやきぼやき色々やるハメになって行くのはそう悪く無いです。頑張った分だけご褒美もありそうですしね。
ヒロインとして登場する古都ゆかりも結構素敵に可愛い少女として書かれていて、キャラクター全般に関する描写については○をあげたいですね。

ただ・・・

主人公の鉄平くんが、槍ヶ岳を始めとする異世界の人たちに明らかに踊らされてしまっているのが微妙に興ざめって感じはしましたね。うーん、主体性があまり感じられないというか・・・。
「ハイこれやって」「じゃあ次これやって」「その次はこれね」という感じで話が進んでしまいますので、選択肢もあるようで、実は無い(ハズレを選んだ瞬間に話が成立しなくなる)という展開になってます
これは・・・話の構成が良く無いのかな? もうちょっと上手くやれば、主人公がもうちょっと主導権を握った話を作れたんではないかという気もしますが、まあその辺は好みですけど、私は結構イライラを感じてしまいました。

あと

これは判断に迷うところですが、改行を入れずにダダダダダーッ!っと描写が続く場面が結構あるんですが、ドライブ感(?)を出すのには成功していますけど、その分何となく読み辛いです。
特に設定やら場面描写でこれを多用する気配があるんですが、不要とも思える説明が多くて、追いかけるのが無駄に面倒くさい。もうちょっと短い文章で特徴やら情景を描写して欲しいもんですが、これについては一長一短って感じでしょうか。

総合

星3つかな。
まあ読了後の感想は「それでいいのか異世界人?」という気分でいっぱいでしたが、鉄平くんとゆかりちゃんは頑張っていたので及第点をあげる事にします。
屡那氏のイラストは・・・下手ではないと思いますが、キャラクターのアップとかが多くてあまり好みではないです。イラストにあまり躍動感がないですね。

感想リンク

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