今度はマのつく最終兵器!

今度はマのつく最終兵器! (角川ビーンズ文庫)

今度はマのつく最終兵器! (角川ビーンズ文庫)

女性向け「ゼロの使い魔」な感じでまず間違いないシリーズですな〜。

ストーリー

高校生・渋谷有利は何故か良く分からないけど異世界に呼び出されて、しかも呼び出された先で彼は「魔王」らしい。
実際の所は魔王というものがなんなのか早口で話される英語位分からない有利ですが、とにかくアッチとコッチを行ったり来たりしています。良く分からない方法で。
今回は野球観戦に行こうとした矢先、またしても変な穴に飲み込まれ、気がついたら向こう側。今度はスッポンポンで異世界に出現だ!
とにかく現地で「魔王」の彼は、部下(?)の美形集団から「人間たちが不穏な動きを見せている」という報告を受けて、それに対処するためにあるものを手に入れようと珍道中というか・・・諸国漫遊の旅に出たりする訳ですが・・・。
女性ラノベ読みに人気のシリーズ、2巻もよりパワープして馬鹿です。

今回は

旅に出る事になる主人公の渋谷有利(鉄砲玉)/コンラッド(護衛&お目付役)/ヴォルフラム(婚約者!?)の三人と、お城に居残り組のギュンター(超絶美形&変態)とグウェンダル(そういう趣味があるのか!?)の二手に分かれて話が進みます。

主人公と愉快な珍道中組

渋谷有利(ユーリ)

何か考えているようで何も考えていないイノシシである所は全く同じで、基本的に脊髄反射で生きていますが、今回は旅行という事もあって、「越後のちりめん問屋」のジジイのポジションで行動したり。やっぱり時代劇なのか
ただし時々本気になりますと「桜吹雪モード」「暴れん坊将軍モード」とでも言えるごった煮の馬鹿に拍車のかかった馬鹿にパワーアップします。

「盗人猛々しいとはこの事であるッ!」

「成敗!」

新・時代劇感覚魔王。しかし将軍なのか御奉行なのかはっきりしてほしい所。

コンラッド

まあ1巻と同じように終始大人しくて真面目かつ優しいという安心のキャラクターですね。
女性からしたら「こんな優しいお兄さんいたらいいなあ」って感じか、はたまた歪んだ方向で「無理矢理従わせてみてえ・・・俺の下であがけ」的な歪んだ嗜好の標的にされるかとかの2択じゃないかと思います。分かんないですけど。多分。

ヴォルフラム

ある種の読者(うららさんとか)にとっては最も萌える危険なキャラなのではないかと思われます。ツンデレ。わがままプー(共通見解)。
なし崩し的に有利の婚約者扱い(同性だけどな!)になっていますが、その立場が嫌なのか嫌ではないのか、ああ好きなのか嫌いなのか? はい分かりません〜。

「この尻軽!」

有利はこっちの世界ではモテモテなんですが、そのため婚約者(?)のヴォルフラムは必殺の嫉妬光線出まくっています。あ〜これはツンデレだ。間違いない、これが女性に愛される美少年のツンデレだ。愛されるのかもしれないけど、それは最高の美少年としての外見あっての事なんで、現実世界では参考にしようがないけどな!

お城に居残りの馬鹿二人

ギュンター

1巻の段階から飛ばしていましたが、2巻で背中のジェットに磨きがかかり、有利に対する愛と離ればなれになる苦痛(居残りだから)で、いよいよもって変態として覚醒します。アブナい日記とか付けてるし・・・。

「そうでした! この私としたことが、なんと愚かな過ちを! 気高く偉大な陛下の旅を、ネズミごときで占えるはずがない! ああどうしましょう、グウェンダル!? ではせめて」
ギュンターは、逆の腕を勢いよく持ち上げた。
「子猫なら」

・・・間一髪で彼の凶行は止められますが、結果として彼は異世界初のラー油の開発に成功します。どこに行くつもりなんだ、ギュンター。

グウェンダル

1巻こそ何やら面の皮を厚い何かで覆っていましたが、2巻ではその面がだだはがれまくりです。
暴走するギュンターと丁々発止のやり取りをしている辺りでもう色々と台無しですが、それ以上に趣味が凄い。というか可愛いものに目がないというのがもう色々とマズい。・・・あーそう、そういう方向なんだ・・・。
本人は、

「精神統一だ」

どう見てもただの趣味です。本当にありがとうございました。

とにかく

1巻が楽しめた人なら安心して楽しめるんではないでしょうか?
作者も調子にのって悪のりが激しくなっていますし、美少年やら美形やら取り揃えておりまして、あちらこちらでアヤシイ行動をとりまくってくれますので見所満載な感じがしますが、私はソッチのアンテナが伸びていないのでいまいち楽しみきれません!
しかし、敵から味方まで馬鹿満載のこのシリーズ、お気楽ライトノベルの一つの頂点かもしれないですね。

総合

星は3つ。
やっぱり女性向けに書かれているって言うのがいけないのか、萌えるべき所で萌えきれず、燃えるべき所で燃えきれません。こればっかりはもういかんともし難いですな!
ただ、テンポやキャラ立ちなどが見事と言って良い本(キャラ小説?)なので、そんな私でも星3つが付けられるシリーズでもあります。女性で「ライトノベルにちょっと手を出してみようかな?」って人はまず手を出してみると良いかもしれない・・・いや、ぶっちゃけ分かんないけどさ!
イラストは少女漫画的ですが、構図とかが何となく好きですかね。悪くないですよ?